沖縄をもっと好きになる、美食の夜。沖縄ハーバービューホテル「鉄板焼 泉崎」
LIFESTYLE

2026.06.24

沖縄をもっと好きになる、美食の夜。沖縄ハーバービューホテル「鉄板焼 泉崎」

沖縄旅というと、美しい海や南国の景色に目が向きがちですが、その土地を深く知るなら“食”は欠かせない存在です。沖縄ハーバービューホテル内にある「鉄板焼 泉崎」は、ただ高級食材を味わうだけのレストランではありません。

目の前で繰り広げられるライブ感あふれる調理、沖縄各地から集められたこだわりの食材、そしてシェフたちの沖縄への深い探究心。

五感で味わう特別なディナーは、沖縄という土地をもっと好きになる時間でした。

沖縄の迎賓館が育んできた、美食の舞台

沖縄ハーバービューホテルは、開業50周年という大きな節目を迎え、新たなレストラン・鉄板焼 泉崎を2025年12月15日にオープンしました。

鉄板焼 泉崎の名は、ホテルが建つ那覇市泉崎の地名に由来しています。

泉崎エリアは古くから県庁や行政機関が集まる沖縄の中心地であり、どこか格式と品格を感じさせる街。その象徴ともいえるのが、沖縄ハーバービューホテルです。

皇族をはじめ国内外の要人を迎える「沖縄の迎賓館」として親しまれてきた歴史を持ち、長年にわたり沖縄を代表する名門ホテルとして愛されてきました。

そんなホテルの伝統とおもてなしの精神を受け継ぐレストランが、鉄板焼 泉崎です。

レストラン内へ足を踏み入れると、まず目に入るのは鉄板を囲むように配された半円形のカウンター席。

プライベートな時間を過ごせる個室も用意があり、どちらでもライブ感を楽しめます。

ホテルエントランスにも飾られている育陶園のシーサーと同じシリーズの箸置きが添えられているのも印象的です。鉄板焼 泉崎で使用されている器の多くは育陶園の作品。やちむんの温もりを感じる器が料理をより美しく引き立て、沖縄らしい食文化の魅力をさりげなく伝えてくれます。

この日調理を担当してくださったのは、料理長の赤崎郁洋さん。カウンター越しに食材の説明を交えながら調理を進める姿からは、料理人としての技術はもちろん、沖縄の魅力を伝えたいという熱意も感じられました。

赤崎料理長は20代でスイス、フランスにて計4年間の研鑽を積み、日航東京時代にはドバイでの業務も経験。さらに前職である「佳ら久」は2024年から2年連続でミシュランキーを獲得するなど、国内外で豊富な経験を重ねてきたシェフです。その確かな技術と国際的な視点が、泉崎の一皿一皿にも息づいていました。

沖縄の食材との出会いが、このコースの醍醐味

最初のひと皿から心を掴まれる

まず登場したのはアミューズ。

インドのプーリーをオマージュしたひと口サイズの一品です。パリッと軽やかな生地の上には神戸ビーフの生ハム。その中には和牛のしぐれ煮が隠され、生姜の香りが心地よく広がります。

さらに下にはオリーブオイルをパウダー状にした驚きの演出も。見た目の美しさだけでなく、食感や香りの変化まで計算された一皿に、これから始まるコースへの期待が高まります。

忘れられない神戸ビーフハンバーグコンソメ

続いていただいたのは神戸ビーフのハンバーグコンソメ。

丁寧に焼き上げられたハンバーグは、驚くほど肉の存在感がありながらも上品な味わいです。

そして何より印象的だったのがコンソメスープ。玉ねぎやセロリ、にんじんなどから丁寧に引き出された旨味は、一般的なコンソメとはまったく別物でした。余計な甘さはなく、気づけば何度も口に運びたくなる美味しさ。

「ずっと飲んでいたい」そんな言葉が自然とこぼれる、記憶に残る一品でした。

伊勢海老と鮑を最高の状態で味わう

コースの見どころのひとつが、目の前で豪快に焼き上げられる伊勢海老と鮑。生きの良い食材が鉄板の上で香ばしく焼き上げられていく様子は、まさにライブパフォーマンスです。

絶妙な火入れによって、伊勢海老はプリッとした弾力を残しながら甘みが際立ち、鮑は驚くほど柔らか。

鮑にはブルゴーニュバターや塩レモン、醤油パウダーを合わせていただきます。パウダー状に仕立てられた調味料は、素材に余分な水分が加わらないため、鮑本来の食感や香ばしさを損なうことなく、旨みだけを引き立ててくれます。それぞれの調味料が素材の個性を引き立て、ひと口ごとに違った表情を楽しませてくれました。

沖縄の恵みを感じる野菜たち

続いていただいたハーバービューサラダには、沖縄らしく海ぶどうをたっぷり使用。プチプチと弾ける食感が楽しく、紅芋の甘露煮や県産野菜、淡路島産の玉ねぎを使ったドレッシングが添えらてます。

さらに季節野菜の鉄板焼で登場したのは、沖縄県糸満市で栽培される「しまんちゅマッシュルーム」と「淡路島産の玉ねぎ」。高温多湿な沖縄では難しいとされるマッシュルーム栽培を、徹底した温度・湿度管理によって実現した希少な食材です。美しいやちむんの器に盛り付けられて運ばれてくる姿も印象的で、沖縄の食文化と工芸の魅力を一皿の中で感じさせてくれました。

沖縄の物語を一杯に込めたカクテル

メインのお肉の前に運ばれてきたのは、美しいブルーが印象的なオリジナルカクテル。鮮やかな色合いの秘密はブルーキュラソーです。ベースには沖縄の泡盛「おもろ」を使用。

「おもろ」とは沖縄の古い言葉で“想い”を意味するそうで、一杯のカクテルにも沖縄の文化や物語が込められています。

グラニテのような感覚で口の中をリフレッシュさせてくれる一杯は、このあとの肉料理への期待を高めてくれました。

沖縄で出会う神戸ビーフという贅沢

泉崎は、沖縄県内のホテルとして初めて神戸ビーフ指定登録店に認定されたレストラン。県産黒毛和牛と神戸ビーフを食べ比べられるのも大きな魅力です。

県産黒毛和牛として登場したのは、本部町で育てられるブランド牛「もとぶ牛」。オリオンビールのビール粕を配合した独自の発酵飼料で育てられており、脂の口どけがよく、やさしい甘みが広がります。

一方の神戸ビーフは、きめ細やかな肉質と圧倒的な旨味が印象的。

目の前で豪快なフランベが行われる瞬間には思わず歓声が上がり、食事の時間はさらに特別なものに。最高峰の黒毛和牛を沖縄で味わえる贅沢は、ここならではの体験です。

本部牛や神戸ビーフには、沖縄県の八重山諸島などで親しまれてきた伝統的な香辛料「ピパーツ(島こしょう)」も添えられました。ほのかに甘くエキゾチックな香りと、後から広がるやさしい刺激が肉の旨みを引き立て、沖縄ならではの味わいを楽しませてくれます。

最後まで沖縄らしさを感じるデザート

食事の締めくくりに登場したのは、久米島天然水を使用した水信玄餅。黒糖とエスプレッソのソース、自家製きな粉、抹茶アイスが添えられ、和と洋の要素が美しく調和しています。

最後の一口まで沖縄らしさを感じられるコースでした。

沖縄を知り、伝えたいという想い

今回もっとも印象に残ったのは、料理そのものだけではありませんでした。

料理長はホテルのリニューアルを機に沖縄へ移り住み、自ら農家や生産者のもとへ足を運びながら食材を探したそうです。食材の説明を聞いていると、その探究心は単なる仕入れへのこだわりではなく、沖縄という土地への敬意そのもののように感じました。

実際に話を伺うと、「沖縄の料理を楽しんでほしい」「食材の奥深さを知ってほしい」という想いが伝わってきます。ホテルスタッフの皆さんからも同じ想いが伝わってきました。

観光地として人気の沖縄だからこそ、まだ知られていない魅力を発見し、伝え、感動を届けたい。そんな気持ちがホテル全体に流れているのです。

私自身、沖縄には何度も訪れていますが、この夜は「まだ知らない沖縄がある」と気づかされました。泉崎で味わえるのは、単なる高級鉄板焼ではありません。料理を通じて沖縄という土地の奥深さに出会う、知的で贅沢な旅の時間。

沖縄ハーバービューホテルが長年受け継いできた“迎賓館”としての精神は、今もなお、この一皿一皿の中に息づいていました。

■鉄板焼 泉崎
住所:沖縄県那覇市泉崎2-46 沖縄ハーバービューホテル B1F
公式HP:https://oka-hvh.com/restaurant/izumizaki/

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