2025.12.09
【MEGUMI】“恋リア”まで手掛けるプロデューサーとしての原動力とは?
映画、ドラマ、コスメなどのプロデューサーを務めるタレント・俳優のMEGUMIさんが、次にプロデュースを務めたのは、Netflixリアリティシリーズ「ラヴ上等」。
同番組は、社会のはみ出し者として生きてきた男女11人が14日間の共同生活で本気の「愛」を学ぶ内容。全10話、12月9日より毎週火曜日、3週にわたって配信されます。
なぜヤンキーだらけの恋愛リアリティを番組化しようと思ったのか。構想にいたったきっかけや、MEGUMIさんのキレイの秘密を探りました。
アイデアのきっかけは、千鳥の大悟さん

――ヤンキーだらけの恋愛リアリティというアイデアは、どのように思いついたのでしょうか?
きっかけは千鳥の大悟さんと共演したことでした。大悟さんと私、同郷なんですけど、共演した時になぜかものすごく懐かしかったんですね。それで、この懐かしさはなんだろうって考えた時に、大悟さんのボンタンっぽいパンツを履いている感じや、ヤンキーの方独特のレディーファースト感…不器用だけど優しいみたいな感じに気付いて「あ、こういう人、周りにめちゃくちゃいたなあ」「昨今、こういう人ってあんまりいないなあ」って思ったんです。
それで「実はヤンキーのこういうところって、女子からするとキュンとくるポイントなんじゃないか」と思って、帰りの車の中でマネージャーさんに「ヤンキーの恋愛リアリティーショーって面白くない?」と言いました。それがNetflixに伝わり、企画書がまだない段階だったのに「やりましょう!」と。そこから2年半ぐらいかけて形になりました。
――企画書がない中で「やりましょう!」となるのって、珍しいのではないでしょうか?
そうですね。とはいえ、番組が決定していくまでには、いろいろなプロセスがあったんですけど…。でも、私のアイデンティティが爆発している企画、岡山出身で、なおかつ周りにヤンチャな人たちがいて…という環境だからこそ生まれた企画をNetflixが求めているのは、驚きでしたね。実際、Netflixのコンテンツ部門のバイス・プレジデントから「僕が逆立ちしても出てこない企画だから!」とポジティブに進めたいって言ってくださったのは、すごく嬉しかったです。まあ、自分らしさがヤンキーというのは、やや引っかかりましたけど(笑)。
バラエティならではの難しさ

――リアリティショー、バラエティ番組のプロデュースは初ということで、ドラマや映画とはまた違った面白さもあったんじゃないかと思います。
彼らにどういう風に生きてもらうか、どういう風に見せたら面白いかということに関しては、作り込めないですからね。だからこそ今回は美術や音楽に関して、かなりこだわりました。美術は「ヤンキーの子たちが、こういう世界にいたら面白いよね」という世界観を絶対的に示したかったので。それから、音楽に関しては、かゆいところに手が届く、我々の世代の方には「うわぁー」と盛り上がるような、若い方には「初めて聞くけど、なんかカラオケで歌いたい」と思ってもらえるような中毒感を感じてもらえたらなと思います。
――キャスティングも関わったそうですね。
彼らの面白さとか、ヤンキーのキュートさというのを世にお伝えしたいと思っていたので、そういう設定にフィットする方々というところには、めちゃくちゃこだわりました。何度か現場にも行きましたが、母性をすごくくすぐられるような不思議な時間を過ごしましたね。

――そうだったんですね。一視聴者としては回を重ねるごとに参加者を好きになっていきました。
仲間を大事にするし、女の子を大切にするし、憎めないところがあるんですよね。そういうところに中毒性を感じるし、むかつくけどかわいいなと思いました。普段、何を考えているかわからない人が多かったり、言葉を気にしたり、周りの目を気にして生きたりしている方々が多い中で、その対極にある人たちなので(笑)。全部言うし、喜怒哀楽も、好きも嫌いも全部出す。そういう人間らしさは、ぜひ世界中に伝わってほしいです。
――本編の中では、予想できないような展開も見られましたが、その時はどのような心境になりましたか?
「この番組、ここで終わりだ」って思ったことが2回あったんですよ(笑)。現場のスタッフから連絡がきた時に、ちょっと遠方にいたのですが、「なんやて!? すぐ行く!」って、飛んでいきましたね。正直「この事態では、もうこの企画は頓挫するな」と思っていたものの、さすがのNetflix 、「これでいきましょう!」と言ってくれたので、すごく心強かったです。
「作品を通じて女性たちをエンパワメントしたい」

――番組のプロデュース業に限らず、俳優としての活動やコスメのプロデュースなどさまざまな活動をされているMEGUMIさん。その原動力はなんなのでしょうか?
自分が出ていたニュース番組で「日本人女性の自己肯定感が世界最下位」というニュースを観た時に、びっくりしたのと同時に「わかるな」とも思ってしまったんです。自分も母親をやっている中で「自分が我慢すれば全てがうまくいく」と思ってしまうこともありますし、一方で「自分をないがしろにしていて、他人に寄り添っていけるのか」と思う部分もある。それに、社会復帰をしていくことって、他の国に比べたら、まだまだ難しいなと感じるところもあると思っています。だからこそ、映画とかドラマに関しては、なるべく女性を主人公にした企画で、彼女たちがいろんな問題とかいろんな壁にぶつかりながらも、最終的には自分で乗り越えていくという内容にしています。作品を通じて女性たちをエンパワメントしたいんです。もちろん、作品だけでなく、私のことをリファレンスとして、こういう可能性もあると思ってほしいなとは思っています。
――実際に女性たちから「元気が出ました」とポジティブな声が届くこともあるかと思います。その中で、印象的だった声はありますか?
美容や健康に関してオタク的にやっていって発信しているのですが、70〜80代の方が自分のトークショーに来てくださって、一生懸命メモを取ってくださったり、普段は美容に興味のない方が「シートマスクを始めてみました!」と言ってくださったりしたことは印象に残っていますね。肌がキレイになったら、行動力も変わってきたりするから、そこの大きな一歩を環境とか年齢とか関係なく踏み出していただいたっていう声を聞くと、グッとくるものがあります。
――最後にMEGUMIさんは“キレイな人”と聞いて、どんな人を思い浮かべますか?
優しい人かなと思います。他者の気持ちが理解できれば優しくなれたりもするし、他者の気持ちが理解できているのに優しくない人もいたりする。その中で、人を理解する気持ち、余白を持っている人というのは、大人になった今だからこそ、すごく大事だし、キレイな人だなと思います。

Profile
MEGUMI
1981年生まれ、岡山県出身。映画『台風家族』『ひとよ』への出演でブルーリボン賞助演女優賞を受賞。 近年ではプロデューサーとしても活躍の場を広げており、コンテンツスタジオ「BABEL LABEL」に参加するほか、スキンケアブランド「Aurelie.」のプロデューサーも務める。
■Netflixリアリティシリーズ「ラヴ上等」
12月9日より独占配信開始
毎週火曜に配信(全10話)
エピソード1~4:12月9日
エピソード5~7:12月16日
エピソード8~10:12月23日
撮影/須田卓馬
取材・文/於ありさ
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