クラクラの季節に「秋刀魚」秋刀魚と舞茸の和風パエリア

クラクラの季節に「秋刀魚」
秋刀魚と舞茸の和風パエリア

仕事を休むほどではないけど、体がだるい、気持ちがスッキリしない、“なんとなくの不調”ってありますよね。
それ実は、季節や気候の変化が影響しているのかも。 「季節の症状の改善には季節の食材が効果的」という 東洋医学の知恵に基づき、
旬をおいしくとり入れた献立=食養膳をお届けします。 カラダとココロをセルフメンテナンスしていきましょう!

10月前期のカラダとココロ

一気に涼しさが増し、台風の頻発など天候の変化が激しいこの季節。起こりやすいのは、「気象病」として総称される、めまい、頭痛、首や肩のコリ、耳の詰まり、耳鳴り、喘息などの症状です。これは、天気や気圧の変化が体に影響を及ぼしている証拠。
雨や台風で気圧が下がるときは、吐き気やムカつき、おでこが重い、などの症状も併せて出やすくなります。逆に、台風一過などで急に天気がよくなり気圧が上がるときは、のぼせたように顔や目が熱くなったり、目の奥が重くなるなどの症状も。

水分代謝が悪いために、よどんで滞った老廃物のことを東洋医学では、「痰濁(たんだく)」と呼び、この痰濁を体に溜めていると、気象病を起こしやすくなります。普段から気血のめぐりが悪く、のぼせやすい人も、気圧の変化には注意が必要。降雨の前や、台風接近のときなどは、天気予報を見ながら自分の体の声を聴いて、気圧の変化に対応することが大切です。

この季節になるべく避けたいもの

生の食べ物、消化の悪い食べ物、唐辛子などの香辛料、寝不足

クラクラの季節に「秋刀魚」

“秋の味覚”の代表格である「秋刀魚」は、青魚のひとつ。DHAとEPAが豊富で、鉄分やビタミン、カルシウムなどの栄養も含まれています。東洋医学では、胃腸を健康にし、虚損(きょそん)を補い、血液の巡りをよくする効果があるといわれ、疲れによる倦怠感や食欲不振にも最適。血行促進作用もあるので、首肩のコリにもよく、気圧の変化が激しいこの時期におすすめの食材です。

秋刀魚を使った主菜

秋刀魚と舞茸の和風パエリア

材料(2人分)

  • 秋刀魚(3枚におろしたもの) 1尾分
  • 舞茸 60g
  • 玉ねぎ 100g
  • 油 小さじ1
  • 米 1合
  • だし 300cc
  • 塩 小さじ1/2
  • すだち 1個
  • パセリ 少々
  • シュレッドチーズ 適宜

テーマ食材である「秋刀魚」を、舞茸と一緒にスペインの郷土料理「パエリア」に。一般的にはサフランなどのスパイスを入れてつくられることが多いですが、今回は和の食材に合わせてだしで炊き、和風に仕上げています。フライパンひとつで調理ができる手軽さも魅力。脂がのった旬の秋刀魚と、だしの旨味が見事にマッチ。すだちをキュッと絞って、味を変えながら食べるのもたのしいです。そのまま食卓に出して見栄えがよいので、おもてなしの場にもおすすめ。

1 下準備

秋刀魚は半分の長さに切り、塩こしょう少々をふって下味をつける。舞茸はほぐして、玉ねぎはみじん切りに

2 秋刀魚を焼いておく

フライパンに油を熱して、秋刀魚を皮目から焼く。焼き色がついたら裏返し、さっと焼いたらとり出しておく

ひと手間の理由

あらかじめ焼いておくことで臭みを飛ばします

3 舞茸を焼く

同じフライパンに舞茸を入れて、かさが半量ほどに減るまで焼きつける。塩少々で下味をつけ、とり出しておく

ひと手間の理由

きのこの水分を飛ばして、炊きあがりのお米がベチャッとなるのを防ぎます。また、焼き色がつくと香ばしさがアップ。炒めるときにあまり動かさないのがコツです

4 玉ねぎとお米を炒める

同じフライパンに油を少し足して、玉ねぎとひとつまみの塩を入れてしんなりするまで炒めたら、米を加え、透明感が出るまで炒める

ひと手間の理由

お米は洗わずに入れて、油をコーティングすることでパラッとした食感に仕上がります

5 だしで炊いて仕上げ

だしと塩を加えてざっと混ぜたら平らにならし、舞茸と秋刀魚をのせて蓋をする。煮立ったら弱火にして10分炊き、火を切って10分蒸らす。刻んだパセリを散らし、すだちを添えて、できあがり

(献立担当) 鈴木聖子 Seiko Suzuki

料理研究家。大学で栄養学を習得し、卒業後は飲食店のスタッフトレーニングや商品開発の仕事に従事。その後オーストラリアへ渡り、レストランで働きながら食文化を学ぶ。帰国後はクッキングスクールに10年間勤務。2013年から「3さいからはじめる料理教室 KISSAKO」を主宰。季節の食材を使う料理レッスンのほか、企業向けのレシピ開発、ケータリング、加工食品販売なども手掛ける。頭の中は常においしいもののことでいっぱいな二児の母。

料理教室・料理研究家KISSAKO / instagram / facebook

(カラダとココロ担当) 飛奈光重 Mitsue Tobina

漢方家。大学の薬学部在学中、医療ミスで祖母を亡くした経験から東洋医学と漢方の道へ。卒業後は漢方専門薬局に勤務し、数多くの漢方相談を受けることで臨床経験を積む。2019年「漢方専門 横浜梅桜堂薬局」を開業。婦人病、皮膚病、目の病気の研究に特に力を入れている。漢方歴25年、薬剤師と国際中医師の資格を持つ。
横浜梅桜堂薬局

編集・文/依知川亜希子

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