SERIAL STORY
2020.09.24
クラクラの季節に「秋刀魚」
秋刀魚と舞茸の和風パエリア
仕事を休むほどではないけど、体がだるい、気持ちがスッキリしない、“なんとなくの不調”ってありますよね。
それ実は、季節や気候の変化が影響しているのかも。 「季節の症状の改善には季節の食材が効果的」という 東洋医学の知恵に基づき、
旬をおいしくとり入れた献立=食養膳をお届けします。 カラダとココロをセルフメンテナンスしていきましょう!
10月前期のカラダとココロ
一気に涼しさが増し、台風の頻発など天候の変化が激しいこの季節。起こりやすいのは、「気象病」として総称される、めまい、頭痛、首や肩のコリ、耳の詰まり、耳鳴り、喘息などの症状です。これは、天気や気圧の変化が体に影響を及ぼしている証拠。
雨や台風で気圧が下がるときは、吐き気やムカつき、おでこが重い、などの症状も併せて出やすくなります。逆に、台風一過などで急に天気がよくなり気圧が上がるときは、のぼせたように顔や目が熱くなったり、目の奥が重くなるなどの症状も。
水分代謝が悪いために、よどんで滞った老廃物のことを東洋医学では、「痰濁(たんだく)」と呼び、この痰濁を体に溜めていると、気象病を起こしやすくなります。普段から気血のめぐりが悪く、のぼせやすい人も、気圧の変化には注意が必要。降雨の前や、台風接近のときなどは、天気予報を見ながら自分の体の声を聴いて、気圧の変化に対応することが大切です。
この季節になるべく避けたいもの
クラクラの季節に「秋刀魚」
“秋の味覚”の代表格である「秋刀魚」は、青魚のひとつ。DHAとEPAが豊富で、鉄分やビタミン、カルシウムなどの栄養も含まれています。東洋医学では、胃腸を健康にし、虚損(きょそん)を補い、血液の巡りをよくする効果があるといわれ、疲れによる倦怠感や食欲不振にも最適。血行促進作用もあるので、首肩のコリにもよく、気圧の変化が激しいこの時期におすすめの食材です。
秋刀魚を使った主菜
秋刀魚と舞茸の和風パエリア
材料(2人分)
- 秋刀魚(3枚におろしたもの) 1尾分
- 舞茸 60g
- 玉ねぎ 100g
- 油 小さじ1
- 米 1合
- だし 300cc
- 塩 小さじ1/2
- すだち 1個
- パセリ 少々
- シュレッドチーズ 適宜
テーマ食材である「秋刀魚」を、舞茸と一緒にスペインの郷土料理「パエリア」に。一般的にはサフランなどのスパイスを入れてつくられることが多いですが、今回は和の食材に合わせてだしで炊き、和風に仕上げています。フライパンひとつで調理ができる手軽さも魅力。脂がのった旬の秋刀魚と、だしの旨味が見事にマッチ。すだちをキュッと絞って、味を変えながら食べるのもたのしいです。そのまま食卓に出して見栄えがよいので、おもてなしの場にもおすすめ。
(カラダとココロ担当) 飛奈光重 Mitsue Tobina
漢方家。大学の薬学部在学中、医療ミスで祖母を亡くした経験から東洋医学と漢方の道へ。卒業後は漢方専門薬局に勤務し、数多くの漢方相談を受けることで臨床経験を積む。2019年「漢方専門 横浜梅桜堂薬局」を開業。婦人病、皮膚病、目の病気の研究に特に力を入れている。漢方歴25年、薬剤師と国際中医師の資格を持つ。
横浜梅桜堂薬局