2020.12.08
感性を磨く旅へ。そうだ、国立劇場へ行こう!
日本の伝統芸能に触れる機会を
歌舞伎、日本舞踊、お能、文楽…こうした伝統芸能を体験したことはありますか?日本に古くから継承され大切に伝えられてきた芸能は、もともと庶民の為のエンターテイメント。ちょっと敷居が高いかな、と思いがちかもしれませんが、映画館に行くのと同じように本来は気軽に楽しむものなんです。
過去の記憶を呼び覚ます経験
日本人のDNAに染みついた、三味線の音、着物、季節感、舞台装飾、色彩、言葉の表現は、私たちの感性を刺激してくれます。歴史の大混乱を経ても今尚残るものには、人の心を感動させてエネルギーの源になってくれるような魅力があります。こんな時期だからこそ、五感を研ぎ澄まして本能を心地よく揺さぶるような体験をしに出かけてみましょう。
「観たい」と思ったら国立劇場へ
日本の伝統芸能を観てみたい! と思ったら、まずは国立劇場へ。1966年に建てられた国立劇場は歌舞伎などの公演が行われる大劇場、文楽などが行われる小劇場に分かれています。外観は、木の温もりと茶褐色が統一感のある、日本の伝統建築がもつ静謐で荘厳な佇まい。ホワイエに足を踏み入れると、六代目尾上菊五郎の「鏡獅子」の像があり、格式高さや非日常の空間を感じさせてくれます。毎日、様々な演目が行われているので、ホームページの公演情報をチェックしてみましょう。
初めての人は、歌舞伎鑑賞がおすすめ
日本の伝統芸能の中でも、江戸時代に始まり庶民に親しまれてきたのが歌舞伎。「内容が難しそう」と思うかもしれませんが、歌舞伎の楽しみは内容だけではありません。幕が開いた後の絢爛豪華な舞台、役者の華やかな衣裳、予想外のアクロバティックな演技やクールなせりふ回し、長唄の流れるような唄と三味線など、見て聴いて、感性を刺激してくれます。もちろん、ネットや筋書き(パンフレット)であらすじを予習すると一層楽しめますが、最初は気軽な気持ちで足を運ぶだけでも十分です。また、ストーリーを説明してくれるイヤホンガイドを借りることもできます。
「12月歌舞伎」で、年末に華を添えて。
国立劇場の年末を締めくくるのが、「12月歌舞伎公演」。
第一部が、「三人吉三巴白浪」。河竹黙阿弥の作品で、盗賊が主人公の、因果を巡る物語。中村時蔵、中村芝翫(しかん)、尾上松緑の豪華な顔ぶれ。
第二部は、「天衣紛上野初花-河内山-」。遊郭、喧嘩、勧進相撲など、江戸情緒がたっぷり感じられるシーンと、松本白鸚の啖呵を切るような名セリフが見どころです。
「鶴亀」には中村福助が復帰後初の国立劇場出演。
そして先日、キレイノートのインタビュー「キレイメソッド」にもご出演くださった市川染五郎さん、注目の舞台でもある「雪の石橋(しゃっきょう)」。獅子の精を優美に舞います。
この機会にぜひ、伝統美の世界を堪能できる、そして感性を刺激してくれる、歌舞伎の世界へと旅に出掛けましょう。
お知らせ・ご案内
●12月歌舞伎公演
3日(木)から26日(土)まで ※15日(火)は休演
【第一部】午前11時開演 『三人吉三巴白浪』
【第二部】午後3時30分開演 『天衣紛上野初花-河内山-』『鶴亀』『雪の石橋』
1等席 7,000円(学生4,900円)
2等席 4,000円(学生2,800円)
3等席 2,000円(学生1,400円)※全て税込
国立劇場チケットセンター(午前10時~午後6時)
0570-07-9900
03-3230-3000[一部IP電話等]
インターネット購入 https://ticket.ntj.jac.go.jp/
(パソコン・携帯電話共通)
●12月24日まで、歌舞伎ビギナーの方に向けて、歌舞伎入門動画『松本幸四郎の歌舞伎を知ろう』がインターネットで有料配信。松本幸四郎と八嶋智人が、歌舞伎の魅力や特徴を、楽しく、面白く、分かりやすくご紹介します。
全3回 1,800円(各回・税込)
国立オンライン劇場 https://www.ntj.jac.go.jp/topics/top/2020/online.html
文/安田光絵
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