仕事を休むほどではないけど、体がだるい、気持ちがスッキリしない、“なんとなくの不調”ってありますよね。
それ実は、季節や気候の変化が影響しているのかも。
「季節の症状の改善には季節の食材が効果的」という
東洋医学の知恵に基づき、
旬をおいしくとり入れた献立=食養膳をお届けします。
カラダとココロをセルフメンテナンスしていきましょう!
日中の暑さが残る中、朝夕は肌寒さも感じられるようになってくる9月。夏の疲れの蓄積により月経不順が多くなるのがこの季節です。東洋医学用語では、エネルギーが不足していることを「気虚(ききょ)」といい、それが続くと、「血虚(けっきょ)」と呼ばれる状態に。血は気(エネルギー)から作られるため、気虚が長くなることで血が少なくなり、体が月経を起こしにくい状態になります。
血が少なくなることで起こりやすい症状は、月経周期が遅れる、経血の色が水っぽくサラサラで色が薄い、量が少なく3~4日で終わってしまう、月経中から後半にかけて腹痛が起こる、など。ほかに、立ちくらみや、めまい、だるさ、物忘れ、手足がつるなどの症状が月経中にひどくなることもあります。月のもののめぐりは、女性の体調管理のバロメーター。体に栄養や潤いを与える血をしっかりと補充するために、栄養補給が大切です。
月経の特徴は体質によって違います
この季節になるべく避けたいもの:生のもの、消化の悪い物、寝不足、目の酷使、長風呂
「フリカッセ」とは「白い煮込み」という意味で、フランスの家庭料理のひとつ。バターと生クリームを使ったクリーミーな味わいのフリカッセには、今回のテーマ食材「鶏レバー」がよく合います。鉄分が豊富で女性にうれしい食材ですが、“自分で料理するのは難しそう”というイメージを持っている方も多いと思います。しかし、実際に調理してみれば意外と簡単! どうしても苦手な方は、刻んでハンバーグなどのひき肉料理に練り込むと食べやすくなりますよ。
材料(2人分)
鶏レバー 150g
お好みのきのこ(今回は、しめじ、エリンギ、マッシュルームを使用/きのこは複数合わせるとうまみが増します) 100g
にんにく 1かけ
玉ねぎ 100g
オリーブオイル 大さじ1
バター 20g
白ワイン 大さじ2
生クリーム 100ml
粒マスタード 小さじ1
塩 小さじ1/3
こしょう 少々
1 下準備
鶏レバーはキッチンバサミで一口大に切り、脂や血の塊をのぞいてから塩水でゆすぎ、水気をしっかり切る(レバーが苦手な方は30分ほど牛乳に浸してください)。きのこは食べやすい大きさにそろえ、玉ねぎはみじん切り、にんにくはつぶしておく
2 きのこを焼きつける
オリーブオイルとにんにくを入れたフライパンを熱し、香りが出たら、きのこを加えてざっと炒める。平らにならして焼きつけ、ところどころに焼き色がついたら一旦とり出しておく
ひと手間の理由
きのこの水分を飛ばしてうまみを凝縮させます。焼き色をつけることで香ばしさもプラス
3 玉ねぎをいためる
同じフライパンにオリーブオイル小さじ1(分量外)を足し、玉ねぎとひとつまみの塩を加えてしんなりするまで炒める
4 鶏レバーも一緒にいためる
玉ねぎが透明になってきたら端に寄せ、空いたところにバターを溶かしてレバーを炒める。レバーの表面が白くなったら白ワインを加えてアルコールを飛ばす(ツンとした香りがなくなったらアルコールが飛んだサイン)
5 仕上げとパセリライス
生クリームと粒マスタードを加えたら、きのこを戻し入れる。塩とこしょうで調味し、1~2分ふつふつと煮立たせたらできあがり。炊きたてのごはんに刻んだパセリ、バター、塩を混ぜたパセリライスを添えて一皿に
ひと手間の理由
レバーは火を入れすぎるとパサパサになります。大きさによって加熱時間が変わるので、ひとつとり出し切ってみて、中がほんのりピンク色になっていたら完成
体にエネルギーを補給し、血をつくり、月のもののめぐりがよくなるように仕立てたお膳です。パセリライスに使うパセリは、体を温めて血を養いめぐらす作用があるので、フリカッセのつけあわせにぴったり。副菜は、季節の温野菜とひじきを合わせたサラダでさっぱりと。胃腸の働きを活性化し、血液の循環を促すといわれるにんじんと玉ねぎを蒸し煮にして、体を温めるクミンを効かせたスープを汁物にしました。
副菜:さつまいもオクラひじきのサラダ つくりかた
茹でたさつまいもとオクラ、戻したひじきを、お好みのドレッシングであえる。
汁物:にんじんのすり流しスープ つくりかた
にんじん100gと玉ねぎ200gを薄切りにして鍋に入れ、水50mlと塩小さじ1を加えて火にかける。
煮立ったら蓋をして弱火で加熱。にんじんが柔らかくなったら水1カップを加えてミキサーにかけてピューレ状に。
鍋に戻して温め、クミンパウダーで香りづけをしたら完成。
鈴木聖子 Seiko Suzuki
料理研究家。大学で栄養学を習得し、卒業後は飲食店のスタッフトレーニングや商品開発の仕事に従事。その後オーストラリアへ渡り、レストランで働きながら食文化を学ぶ。帰国後はクッキングスクールに10年間勤務。2013年から「3さいからはじめる料理教室 KISSAKO」を主宰。季節の食材を使う料理レッスンのほか、企業向けのレシピ開発、ケータリング、加工食品販売なども手掛ける。頭の中は常においしいもののことでいっぱいな二児の母。
料理教室・料理研究家KISSAKO
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飛奈光重 Mitsue Tobina
漢方家。大学の薬学部在学中、医療ミスで祖母を亡くした経験から東洋医学と漢方の道へ。卒業後は漢方専門薬局に勤務し、数多くの漢方相談を受けることで臨床経験を積む。2019年「漢方専門 横浜梅桜堂薬局」を開業。婦人病、皮膚病、目の病気の研究に特に力を入れている。漢方歴25年、薬剤師と国際中医師の資格を持つ。
横浜梅桜堂薬局
編集・文/依知川亜希子