かぼちゃをつかった主菜「かぼちゃとひよこ豆のサブジ」 かぼちゃをつかった主菜「かぼちゃとひよこ豆のサブジ」

仕事を休むほどではないけど、体がだるい、気持ちがスッキリしない、“なんとなくの不調”ってありますよね。
それ実は、季節や気候の変化が影響しているのかも。
「季節の症状の改善には季節の食材が効果的」という
東洋医学の知恵に基づき、
旬をおいしくとり入れた献立=食養膳をお届けします。
カラダとココロをセルフメンテナンスしていきましょう!

8月後期のカラダとココロ 8月後期のカラダとココロ

まだまだ暑さが厳しく、体感は引き続き夏のままですが、脳は秋へと切り替わる季節。活動的な体に心が追いつかず、憂鬱な気分になりやすい状況です。体と心がちぐはぐになり、エネルギーが低下することで、なにもやりたくないという倦怠感、過眠、炭水化物や甘い物が特にほしくなる過食の症状が出やすくなります。

エネルギーが不足することを東洋医学では「気虚(ききょ)」と呼んでいます。夏の疲れによる消化機能の衰えで気がつくられなくなり、気虚が生じます。また、血が不足して心身の栄養状態が悪くなることを「血虚(けっきょ)」といい、症状には、眠りが浅い、寝つきが悪い、不安感、情緒不安定などが。気持ちを安定させるには、気と血の充実が欠かせません。消化がよく栄養のあるものを食事にとり入れましょう。日光を浴びることも大切です。

東洋医学では、春と夏は「体を動かして汗をかきましょう」という時期、秋と冬は「陽気(体を温めたり動かしたりするエネルギー)を消耗してしまうので、できるだけ汗をかかないようにしましょう」という時期に分けられています。

この季節になるべく避けたいもの:生の食べ物、こってり甘すぎるもの、汗をかくこと(長風呂、サウナ、半身浴など含む)

ウツウツな季節にかぼちゃ

エネルギーが低下して気分が落ち込みやすいこの時期に食べたい野菜が、かぼちゃ。夏に収穫したかぼちゃは貯蔵することで甘みが増し、秋に食べごろを迎えます。ほっくりとした甘さが気持ちをゆるめ、疲労回復を助けます。東洋医学では、疲れて弱った胃腸を丈夫にして気を増やす「補中益気(ほちゅうえっき)」と呼ばれる効能があるといわれています。豆や肉など、血を補い心身の栄養にもなる、たんぱく質との組み合わせがおすすすめ。

かぼちゃイラスト

かぼちゃをつかった主菜「かぼちゃとひよこ豆のサブジ」 かぼちゃをつかった主菜「かぼちゃとひよこ豆のサブジ」

「サブジ」とはインド料理のひとつで、香辛料をまぶした野菜の炒め煮、蒸し煮のこと。ベジタリアンの多い地域でよく食べられている家庭料理です。今回のテーマ食材「かぼちゃ」のやさしい甘みに、消化を助けるスパイスがマッチして、暑い日にも食欲がわく一皿。ひよこ豆をプラスすることで、たんぱく質が摂れてエネルギー補給に。動物性食品不使用でもしっかりと食べごたえがあります。短時間でできるところも魅力。気分を上げていきましょう。

材料(2人分)

かぼちゃ(タネを除く) 200g

ひよこ豆(水煮) 200g

玉ねぎ 100g

いんげん 4本

油 大さじ1/2

クミンシード 小さじ1/2

マスタードシード 小さじ1/2

ターメリックパウダー 小さじ1/3

塩 小さじ1/2

水 1/2カップ

乾燥ひよこ豆の茹で方
乾燥ひよこ豆をざっと洗い、たっぷりの水に一晩ほど浸して戻しておく。戻したひよこ豆をつけ汁ごと鍋に移して火にかけ、アクが出たらとり除く。40分ほどで豆が柔らかくなったら茹で上がり。そのまま食べるのはもちろん、サラダやスープの具として。中東料理のフムスやファラフェルにも応用できます

ひと手間の理由
乾燥したものを使ったほうが豆の風味が感じられます。茹で上がった豆が残ってしまった場合は、ジッパー付き袋に茹で汁と一緒に入れて空気を抜いた状態にして冷凍保存できます

1 下準備
かぼちゃは1センチの厚さに、玉ねぎは粗みじん切り、いんげんは食べやすい長さにカット

2 スパイスの香りを油に移す
フライパンにひいた油にクミンシードとマスタードシードを浮かべて、スパイスの香りが立ってくるまで弱火でじっくりと炒める

ひと手間の理由
スパイスには油と熱によって香りが開く特性が。特にホール(丸のままの)スパイスは、調理の最初に熱をかけて香りを引き出します

3 具材を炒めあわせる
中火にして玉ねぎと塩ひとつまみ(分量外)を入れて炒め、しんなりしたところに、かぼちゃとひよこ豆といんげんを加え、油がまわるまで炒める。そこにターメリックパウダーと塩を入れて、香りが立つまで全体的に炒め合わせる

ひと手間の理由
最初に塩を加えると玉ねぎから水分が出て、しんなりするのが早いです
パウダースパイスは焦げやすいので、入れたら手早く炒める程度に

4 煮込みと仕上げ
水を加えて蓋をしたら、弱火にして3~4分ほど蒸し煮に。かぼちゃが柔らかくなったら味を見て、塩こしょう少々で調整して、できあがり

本日の食用膳

本日の食用膳 本日の食用膳

オール・ビーガンメニューでおいしく心身をリセット。今回は、肉、魚、卵、乳製品などの動物性食品を使わないお膳に仕立てました。ボリュームがあって腹持ちもよく、満足感もバッチリ。副菜のピクルスは、ピクルス液に熱を通しているので、とがった酸っぱさのないマイルドな味わい。主食は雑穀ごはんにして、インドと日本のいいとこどりです。

副菜:きのことパプリカのピクルス つくりかた
(2人分)

エリンギ、しめじ、しいたけなど、お好みのきのことパプリカを一口大に切り、サッと茹でておく。
ピクルス液の材料(水1カップ、塩大さじ1/2、砂糖大さじ1、酢大さじ2、お好みのハーブやスパイス適宜)を
火にかけ沸騰させたら、きのことパプリカを漬け、冷蔵庫で一晩寝かせたら完成。

鈴木聖子 Seiko Suzuki
料理研究家。大学で栄養学を習得し、卒業後は飲食店のスタッフトレーニングや商品開発の仕事に従事。その後オーストラリアへ渡り、レストランで働きながら食文化を学ぶ。帰国後はクッキングスクールに10年間勤務。2013年から「3さいからはじめる料理教室 KISSAKO」を主宰。季節の食材を使う料理レッスンのほか、企業向けのレシピ開発、ケータリング、加工食品販売なども手掛ける。頭の中は常においしいもののことでいっぱいな二児の母。
料理教室・料理研究家KISSAKO
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飛奈光重 Mitsue Tobina
漢方家。大学の薬学部在学中、医療ミスで祖母を亡くした経験から東洋医学と漢方の道へ。卒業後は漢方専門薬局に勤務し、数多くの漢方相談を受けることで臨床経験を積む。2019年「漢方専門 横浜梅桜堂薬局」を開業。婦人病、皮膚病、目の病気の研究に特に力を入れている。漢方歴25年、薬剤師と国際中医師の資格を持つ。
横浜梅桜堂薬局

編集・文/依知川亜希子