しょぼしょぼの季節に「カツオ」初ガツオのたたき風ステーキ しょぼしょぼの季節に「カツオ」初ガツオのたたき風ステーキ

仕事を休むほどではないけど、体がだるい、気持ちがスッキリしない、“なんとなくの不調”ってありますよね。
それ実は、季節や気候の変化が影響しているのかも。「季節の症状の改善には季節の食材が効果的」という東洋医学の知恵に基づき、旬をおいしくとり入れた献立=食養膳をお届けします。カラダとココロをセルフメンテナンスしていきましょう!

5月前期のカラダとココロ

立夏(2021年は5月5日)を迎え、暦の上では夏の始まりですが、本格的な季節はまだ先ですね。新年度のスタートから少し経ったこの時期は、環境の変化による疲れが表れ、眼精疲労も出やすくなります。リモートワークでパソコンを使用する時間が増え、自宅での仕事は集中して目を酷使しやすく、疲れ目や仮性近視を起こす人も増えています。

東洋医学で「眼は五臓六腑の精気が注がれるところ」といわれており、その精気を受けとって機能を発揮します。五臓の中でも、気血のめぐりをコントロールする「肝」とは特に関連が深く、寝不足や疲れなどによって肝の血が不足する「肝血虚(かんけっきょ)」の状態になると、目のかすみや乾燥、夜盲症などの症状が起こりやすくなります。ストレスや目の酷使によって肝が熱になる「肝火上炎(かんかじょうえん)」の状態になると、目が充血して痛みが出たり、腫れたりすることも。 また、五臓の中で消化吸収の機能を担う「脾」の気が足りなくなると、目にしっかりとエネルギーを送ることができなくなります。目に力がなくなったり、焦点が合わなくなったり、視力の低下にもつながります。

ほかにも、乾燥して痛い、充血する、かすむ、涙が出るなど、目のトラブルの症状はさまざま。睡眠不足や疲労による内臓機能の低下が原因になることもあるので、栄養と休息をしっかりとって、体力を回復させることも大切です。意識的に目を休めることもしましょう。

この季節になるべく避けたいこと
辛いものなど熱になる食べもの、消化の悪いもの、目の酷使、寝不足など

カツオの写真

しょぼしょぼの季節にカツオ

春に穫れるカツオは「初ガツオ」、秋に穫れるカツオは「戻りガツオ」と呼ばれ、この季節は初ガツオの旬です。江戸時代の俳人・山口素堂の有名な句「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」にもあるように、日本では昔から新緑の季節には初ガツオを好んで味わっていました。東洋医学で、カツオは胃腸を丈夫にして気血の不足を補い、目にしっかりと栄養を与えるといわれています。ビタミンをはじめ、鉄分やタウリン、DHAなどの栄養素を豊富に含んでいるのも特長。エネルギーをつくり出し、疲労回復を助けます。初ガツオは脂肪が少なく、ヘルシーなので、ぜひ食事にとり入れてみてください。

しょぼしょぼの季節に「カツオ」初ガツオのたたき風ステーキ

材料(2人分)

カツオ(刺身用) 1/2柵

塩 少々

こしょう 少々

バター 大さじ1

にんにくみじん切り 1かけ

酒 大さじ1

みりん 大さじ1

しょうゆ 大さじ1

材料写真

脂が少なく、あっさりとした味わいの初ガツオをつかった、洋食メニューのステーキです。表面はこんがりと焼いて、中はしっとりとレアの状態にする、“たたき風”にアレンジ。カツオ特有の香りが苦手な人も食べやすいように、濃厚なガーリックバターしょうゆダレを合わせました。お酒のおつまみにもぴったりの、ごはんがすすむメニューです。生っぽいものが苦手な方は、少ししっかりめに焼いてミディアムレアにするなど、お好みで調整してください。

カツオの全面を焼く カツオの全面を焼く カツオの全面を焼く カツオの全面を焼く

1 カツオの全面を焼く
カツオはレアに焼き上げるため、直前まで冷蔵庫に入れておき、焼く直前に塩こしょうをふる。油を熱したフライパンで全部の面を焼きつけたら、とり出す

タレをつくる タレをつくる タレをつくる タレをつくる

2 タレをつくる
同じフライパンにバターを入れて弱火で溶かしたら、にんにくを加え、香りがたつまで炒める。中火にして、酒、みりんの順に入れてアルコールを飛ばす。しょうゆを入れてとろみがでるまで煮詰めたら、こしょうで香りづけをして、「ガーリックバターしょうゆダレ」の完成

仕上げ 仕上げ 仕上げ

3 仕上げ
カツオを厚めに切って皿に盛りつけ、上からガーリックバターしょうゆダレをかけて、できあがり

しょぼしょぼの季節に「カツオ」初ガツオのたたき風ステーキ しょぼしょぼの季節に「カツオ」初ガツオのたたき風ステーキ

TODAY'S RECIPE

本日の食養膳 しょぼしょぼの季節に「カツオ」
主菜 初ガツオのたたき風ステーキ
副菜 にんじんドレッシングのサラダ
汁物 キクラゲとクコの中華スープ
主食 ごはん

眼精疲労の緩和と体力の回復、それから目に影響するといわれる肝と脾の機能を助けることを考えたお膳です。主菜の初ガツオのたたき風ステーキがしっかりとした味つけなので、組み合わせるほかのメニューはさっぱりとさせて、バランスをとりました。副菜のドレッシングに入れた新玉ねぎは、気血の巡りを良くして、目の疲れをやわらげます。スープにつかったクコには肝腎を補い、目を明るく元気にする作用が、キクラゲには目の充血をとる働きがあります。

副菜:にんじんドレッシングのサラダ つくりかた

にんじん50g、新玉ねぎ25g、しょうゆ小さじ2、砂糖小さじ1、酢大さじ1、油大さじ2をブレンダーやミキサーにかける。または、にんじんと新玉ねぎをすりおろして、調味料と混ぜ合わせる。レタスやクレソンなどお好みの葉野菜にかけて。

汁物:キクラゲとクコの中華スープ つくりかた

食べやすい大きさに切ったキクラゲ、薄切りのネギを中華スープでさっと煮て、塩としょうゆで味つけ。最後にクコをトッピングする。

料理は自分の軸をつくるのにぴったりのワークです。何が好きか、何を食べたいか、毎日の小さい積み重ねで自分の輪郭がはっきりとしてきます。植物に水をやるように、自分にも栄養とたっぷりの愛情を。

(献立担当) 鈴木聖子 Seiko Suzuki 料理研究家。大学で栄養学を習得し、卒業後は飲食店のスタッフトレーニングや商品開発の仕事に従事。その後オーストラリアへ渡り、レストランで働きながら食文化を学ぶ。帰国後はクッキングスクールに10年間勤務。2013年から「3さいからはじめる料理教室 KISSAKO」を主宰。季節の食材を使う料理レッスンのほか、企業向けのレシピ開発、ケータリング、加工食品販売なども手掛ける。頭の中は常においしいもののことでいっぱいな二児の母。
料理教室・料理研究家KISSAKO / instagram facebook

新緑がきらめき、1年で最もさわやかな季節です。散歩に出て、リモートワークなどで疲れた目を休めるには最適ですね。その際には、遠くの緑も見るようにしましょう。緑色は、気持ちを安定させて、心身ともに緊張をゆるめてリラックスさせてくれる効果があるといわれています。

(カラダとココロ担当) 飛奈光重 Mitsue Tobina 漢方家。大学の薬学部在学中、医療ミスで祖母を亡くした経験から東洋医学と漢方の道へ。卒業後は漢方専門薬局に勤務し、数多くの漢方相談を受けることで臨床経験を積む。2019年「漢方専門 横浜梅桜堂薬局」を開業。婦人病、皮膚病、目の病気の研究に特に力を入れている。漢方歴25年、薬剤師と国際中医師の資格を持つ。
横浜梅桜堂薬局

編集・文/依知川亜希子 撮影/黒澤義教