2019.07.12
ミラノを訪れたら絶対泊まりたい、世界初の香りのホテル
世界初の香水のホテル、「 MAGNA PARS (マーニャパルス)」
2013 年オープンし、 VOGUE や FORBES 誌によってミラノで最も美しいホテルの一つに選ばれている 「 MAGNA PARS (マーニャパルス)」。
なんと世界で初めて誕生した「香水のホテル」です。 香水好きにはたまらない響きですが、具体的にどういうホテルなのでしょう?早速訪れてみることにしました。
エントランスを入ると、外からは想像できなかった開放的なロビーに迎えられました。
家具も建材も全てイタリア製にこだわって作られたというだけあり、統一されていてムダのない居心地の良い空間です。
元々この場所には、マルトーネ家のコスメと香水の工場がありました。
昔からフランス製の香水を愛用してきたイタリア人ですが、 80 年代にロベルト・マルトーネさんがイタリア製の香水作りを始め、ヴェルサーチやフェラガモなどイタリアのファッションデザイナー達と香水のコレクションを世に出していきました。
現在はヨーロッパ最大の香水工場をミラノ郊外に移転。
マルトーネファミリーにとって大切なこの場所で、ロベルトさんとその娘のジョルジアさん・アンブラさん姉妹が、香水のホテルと工房「 LabSolue (ラブソルー)」を作ることにしました。
全 39 室のスイートルームには、それぞれ香りのテーマがあります。
見せていただいたこちらの部屋は「 Legno di Cedro 」、ヒマラヤスギがメインの透明感のある香りが漂っていました。
フレグランス工房で、理想の香りに出会う
ホテル内にある「 LabSolue (ラブソルー)」では、宿泊していなくても客室用に作られた香りを全て試して購入することができます。
自然由来の成分で作られた香水は、世界中の香水クリエイターによってデザインされ、厳選された原料で一つずつ丁寧に作られています。
こちらの瓶は、香料の原料です。中には希少なマッコウクジラの腸内で作られた結石「アンバーグリス」も。
動物的な強い香りですが香水の仕上げに少し加えることで、魅惑的な丸みを出すエッセンスになるそうです。
テスターは、ユニークなガラスの三角形の筒になっています。
空気と一緒に正確に香りをテストする一番良い方法で、”買って使ってみたらにお店で試した時と何かが違う・・・”という違和感がうまれにくくなります。
好きな香りを見つけて瓶の容量( 40 €、約 5,000 円〜)を決めたら、スタッフが冷蔵保存された新鮮な香水を取り出してその場でボトリングしてくれます。
気軽に香りを楽しめるキャンドル(65 €、約 8,200 円)も、ガラスの蓋を開けて試します。
部屋に置くだけで毎日香りを楽しめる、アロマ成分が凝縮されたキャンドルです。
16 種類全て試して、私は今の気分にぴったりだったミルト(ギンバイカ)を選びました。
ラベンダーと甘みのあるトンカビーンズ(ほのかに甘い香り)で仕上げられた、新しいのにどこか懐かしい唯一無二の香りでした。
ジョルジアさんが手がけるホテルのアメニティと香水「 AQUA ADORNATIONIS (アクア・アドルナショニス)も、こちらでしか手に入らない人気のシリーズです。
パッケージも細部や紙質にこだわった女子心をくすぐるデザインで、大切な家族や友人への贈り物にぴったり。自分自身にも、旅の思い出に最高の一品になりそうです。
ショッピングの後も、香りの余韻は続きます。
中庭のフレグランスに使われる草木に囲まれてレストラン「 DA NOI IN 」で舌鼓を打ったり、バーやスパ、ラウンジで只々ゆっくりくつろぐのも至福のひととき。
ホテルのデザイン、香り、全てに洗練と温もりが共存していました。
マルトーネ家のファミリービジネスへの誇りと家族への愛情があったからこそ実現した形だと思います。
極上の香りに包まれながら、実家が少し恋しくなった 1 日でした。
映像ディレクターなどを経験し、ヨーロッパなどを旅した後に、NYに留学。そこで出会ったイタリア人の旦那さんとの結婚を機にミラノに。現在は育児の傍ら、通訳や日本食ケータリングのお仕事もしています。人との距離感やテンション、センスなどミラノの全てが大好き! 記事では街やそこに住む人々の魅力も伝えていきたいです。様々な形で日本とイタリアの橋渡しができればと思っています!
この著者の記事一覧へ