
2025.08.09
“バリの隣の楽園”ギリ島へ。人混みを離れて、海と猫とサイクリングの休日を
バリ島に関心がある、でもできるだけ混雑は避けたい、落ち着いた場所でゆったり過ごしたい…そんな人には同じインドネシアのロンボク島の北部に位置するギリ諸島をおすすめします。バリ島からもボートで行けて、アクセスしやすいのもポイント!
ギリ諸島はギリ・トラワンガン、メノ、アイル(エアー)と、3つの島から構成されています。それぞれに特徴があるのですが、今回はバリ島から一番近く規模の大きいトラワンガンに焦点を当てて紹介します。ぜひ過ごし方のヒントにしてくださいね。
ギリ諸島ってどんな場所?

バリ島と同様、ギリ諸島もインドネシアを構成する島で、観光客から人気があります。アクセスのよさや、ビーチエントリーで楽しめるシュノーケリング、タートルをはじめ海洋生物との遭遇率の高さなども人気の理由です。
バリ島からやって来た人が、最初に気づくことはバイクや車の代わりに走っているEVバイク・チドモ(馬車)・自転車、モスクから聞こえてくるアザーン、犬の代わりに寛いでいる猫などではないでしょうか。
地方条例により、この辺りでは自動車やバイクなどのモーター付き車両の乗り入れが禁止されているのも大きな特徴。この独自のルールのおかげで、島の美しい自然は守られ、ローカルも観光客もともに騒音や排気ガスに悩まされずゆったりと過ごすことができるのです。


また独自に発展してきたバリ・ヒンドゥが信仰されるバリ島と異なり、イスラム色の強いギリ島。モスクから流れるアザーンをBGMに過ごすという、なかなか貴重な経験ができます。さらにバリ島に多い犬に代わり、そこらじゅうに猫がいるのもイスラム教の影響だとか!?
バリ島から訪れる人は、その違いも含めてぜひ楽しんでみてください。
■トラワンガンについて

トラワンガンは全長3km、幅2kmほどと小さいながら、3つの島の中では一番大きい島。バリ島にも一番近いため、バリ島からちょっとギリを見てみたいという場合でも比較的簡単に訪れることができます。


左:リゾートの多い西側
トラワンガンの特徴はその規模から、多くの宿泊施設やレストラン、カフェ、バーがあること。通称「パーティーアイランド」と呼ばれるほど、ナイトライフが盛んです。
レンタサイクルを活用する

港のある東側は以前から大変にぎわっていますが、少し前まで島の西側の道は整っていなかったのだとか。今では立派なリゾートが立ち並び、道もほぼすべて整備されています。自転車を借りて一周しても40分~1時間ほどなので、気軽にサイクリングができます。
レンタサイクルは基本、一律一日50kルピア(449円、2025年7月現在)。24時間レンタルできるので、昼に借りたら翌日の同じ時間まで使用可能です。
レンタサイクルショップは島中にあるため気軽に利用できますが、自転車の質は、あまり期待できません。自分の身を守るためにもブレーキのかかり具合は最初に確認しましょう。
自転車に乗ってまず北を目指そう

今回は港近くで自転車を借りたと想定して、そのまま北上しながらぐるりと回るコースをおすすめのスポットとともに紹介します。
港辺りは一日に何本もフェリーが発着するため、旅行者とお迎えやツアー会社の現地の人たちでごった返しています。さらにそこに自転車、馬車が行きかっているので、早々に離れたほうが安全です。
ギリ・トラワンガンは、ビーチ沿いの道はほぼすべて整備されていますが、唯一未舗装なのが東側の北部。道らしき場所はビーチと同じ真っ白な砂で覆われています。タイヤが通った後があるので、その上を走ると比較的スムーズです。
東側のおすすめカフェは2店舗
出発してすぐの港側のビーチサイド。数あるカフェの中で、私が実際一度以上訪れておすすめしたい2軒を紹介します。
■デイリーユースに「Coffee & Thyme」
ベーカリーのマフィンや、スムージーボウルがおすすめの「Coffee & Thyme」。フードメニューにはヴィーガンのオプションもあります。バリスタが笑顔で入れてくれるコーヒーを一日のはじまりに。



■中と外の席を気分で選べる「Carpe Diem」
ポップなイラストが壁を彩るエアコンの効いた店内と、波の音をBGMに食事を楽しめるビーチ席からなるカフェ「Carpe Diem」。アルコールの扱いはないので、飲みたい人には主にモーニングかランチの利用がおすすめです。



日に当たったあとは、フレッシュなトマトのソースが身体に染み入るよう。パスタはスパゲッティかフェットチーネより選べ、今回はスパゲッティを選びました。アルデンテほどではないものの、弾力のあるパスタで満足。
「LA Moomba Bar & Restaurant」でリゾートならではの楽しみを

トラワンガン、東の北に位置するのが「La Moomba Bar & Restaurant(以下、La Moomba)」です。突き当りにあるため、すぐにわかります。


席に着くには、100kルピア(902円)以上の飲食をすることが条件です。La Moombaはレストラン席と別に大きなウッドデッキ席があり、そのサンデッキがおすすめ! パラソルがあるため日除けは確保しつつ、ビーチを眺めて飲食を楽しみ、泳ぎたくなれば目の前のビーチに入ることができます。


またLa Moombaのある島の東北エリアは「タートルスポット」なので、タートルとの遭遇率が高め。会いたいなら朝早いうちがおすすめです。


今回、注文したのはインドネシア料理の定番、ナシ・ゴレンの海鮮入りとフレッシュココナッツ。
ココナッツは電解質として知られるカリウム、マグネシウム、ナトリウムなどが豊富なので、太陽の下で遊ぶときのお供にピッタリ。またここの海鮮ナシ・ゴレンは具材たっぷりで、つけ添えのピクルスがアクセントに。上品な味わいで美味しかったです。

ほかにも似たスタイルのお店はありますが、La Moombaは大きくて席も取りやすい上、最低額の値段設定があるため誰もが自由に立ち寄ることもなく、安心感があります。荷物を置いたままビーチに入れるのは、嬉しいポイント。
島の西側は夕日スポット
トラワンガンで美しい夕日を拝みたいなら、西のビーチを目指しましょう。
La Moombaを出たら、少し内陸を走るとすぐ西のビーチに出ます。夕暮れ時だと、辺り一面オレンジ色に染まった美しい絶景を見ることができますよ。

朝にタートルと泳いで、そのまま西の夕日を見るのは時間的に難しいですが、いずれも中心地から遠くない上、レンタサイクルは24時間借りられるので一日でどちらも楽しむことは可能です。



また島の西側は新しいリゾートが立ち並んでいます。この辺りはナイトライフが活発で、日中でもクラブ音楽がかかっている店や、バブルプールを楽しむ人々も。
いくつものリゾートを横目に自転車を漕いでいると、何もない道に出ます。しばらく景色を楽しみながら静かなサイクリングを。さらに島の南部からまた、オシャレで洗練されたレストランやバーが増えてきます。人通りが増えて来たら、港に近づいているサイン。おつかれさまでした!
ダイビングやフリーダイビングに挑戦
セルフのシュノーケリングでも十分ですが、ダイビングのショップもたくさんあるため、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。シュノーケリングもツアーに入ると、ギリ・メノなど近郊の島まで行けることも!
私はバリ島・アメッドでレベル1の資格を取得しているため、トラワンガンではフリーダイビングのトレーニングを受けました。真っ青なグラデーションの海の中、光が差し込んで、それはもう美しかったです。


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ギリ島トラワンガンを紹介しました。ナイトライフ、ダイビング、ビーチライフと、それぞれの目的で楽しむことができる、満足度の高い島でした。
ギリ島は気になるけれどもう少し静けさが欲しい場合は、ギリ・アイル、メノなど、ほかの島もリサーチしてみてくださいね。
※情報は取材時(2025年7月)のものです
※料金はサービス料と税金込

旅するように暮らす自然派ライター/オーガニック料理ソムリエ。
4年に渡る世界一周後、オーストラリアに移住し約7年暮らす。コーヒー好きが高じてオーストラリアではバリスタ業の経験も。今は繊細でフルーティーな浅煎りコーヒーに夢中です。ライターとしては旅行誌の広告制作を経て、雑誌広告や編集ページを主に執筆。現在は自然に沿った生き方、ほどほど丁寧な暮らしを自ら実践しながら発信中。地球にも体にも優しい生き方のヒントをお届けしていきます。
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