【医師監修】今できることは?知っておきたい不妊治療の最前線
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2025.04.17

【医師監修】今できることは?知っておきたい不妊治療の最前線

3月8日の国際女性デーが、日本でもじわじわ浸透してきました。この日にちなんでさまざまなイベントや情報が発信された中で、近年注目度や関心が高まっている不妊治療についての情報発信も多く見られました。

多くの女性が社会で活躍することと、妊活や子育てを両立することに悩んでいる現代で、不妊治療はどのような立ち位置にあるのでしょうか。

増える選択肢で「自分にあった方法」を見つけられる可能性も増えている

年々増えつつある、不妊治療を行う人の数。望んでも授かれない、授かりにくい、など、不妊治療と一口に言っても、程度はさまざまです。

一般的に知られているタイミング法や体外受精以外にも、いくつもの種類があり、その中から自分の身体に合うものやライフスタイルに合ったものの選択が可能になってきています。

知っているようで知らない“不妊治療のQ&A”

Q. 不妊治療って何歳までできるの?

A. 法律による年齢制限はありませんが、一般的に45歳を超えると妊娠の可能性が低くなると言われています。

特に、卵子の質が低下するため、体外受精(IVF)でも成功率が下がります。ただし、個人の健康状態や卵巣予備能(AMH値)によって可能性は異なるため、医師と相談するのが大切です。

Q. 不妊治療って全部自費? どれくらいお金がかかるの?

A. 2022年から体外受精や顕微授精(ICSI)の一部が保険適用になりました。

ただし、適用されるのは一定の条件を満たした場合のみで、自由診療の場合は1回の治療で50万~80万円ほどかかることもあります。卵子凍結も基本的に自費で、採卵時に約40万円、保管費用が年間数万円かかります。

Q. 仕事が忙しくて治療に通えない…どうすればいい?

A. 不妊治療は通院頻度が高く、仕事との両立が難しいと感じる人が多いです。

最近は、オンライン診療を取り入れているクリニックもあり、通院回数を減らせる場合もあります。また、企業によっては不妊治療休暇やフレックスタイム制度を導入しているところもあるため、職場に相談してみるのも一つの方法です。

その他のQ&Aはこちらからも確認できます。

Q&A、治療法の監修をしてくれた医療法人社団東京桜十字 桜十字ウィメンズクリニック渋谷院長・金南孝先生

年々増えつつある、不妊治療の件数

晩婚化と出産の高齢化もあり、2022年時点でニッセイ基礎研究所調べによる不妊治療実績件数は、543,630件(前年差:+45,490 件)、いくつもある治療方法のいずれも大幅な実績件数の増加が確認されています。

引用元:ニッセイ基礎研究所

また、各会社でも、女性の働き方やライフプランを考えるきっかけになるプロジェクトなどに力を入れ注目されています。はなさく生命ではサービスを通じて女性の体と心をサポートする「I’m OK プロジェクト」が発足。

女性のライフプランや、キャリアプランに多くの人の関心がむき始めてます。

「選べる」時代だからこそ、少しだけ気軽に話せる環境を

不妊治療に関わらず、身体の不調はどうしても後回しにしてしまいがちです。しかし、残酷なことに、特に女性の身体にはタイムリミットのように年齢が付きまとい、望んだ妊娠が難しい時もあるでしょう。

一昔前に比べ、結婚・妊娠・出産について多くの選択肢が持てるようになりました。妊活や不妊治療についての話は女性同士でもしづらい場合も多く、治療についてのハードさはなかなか共有できるものではありません。

だからこそ、さまざまな選択肢があることを知り、それを相談できる先生や病院、存在をもつことが大事です。未来を選ぶ力は、すべての女性にあるはず。不妊治療や自分自身の今の体調、状態を知れるよう、日々のケアや医師と話す時間を作ってみましょう。

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