水原希子さん「kiiks」が“サスコスアワード”SILVER賞!奇跡の「フェイスミスト」、今後の課題は?
BEAUTY

2025.03.14

水原希子さん「kiiks」が“サスコスアワード”SILVER賞!奇跡の「フェイスミスト」、今後の課題は?

化粧品及びトイレタリー分野において「人にも地球にもやさしいコスメ」を表彰する「サステナブルコスメアワード」が今年も開催。2月14日、代々木第一体育館(クリエイションの祭典「NEW ENERGY TOKYO」会場内)にて表彰式が行われました。

コストパフォーマンス部門やダイバーシティ部門、カーボンニュートラル部門など、審査員賞として9部門25のアイテムが受賞。そのほか、企業賞、BRONZE賞、SILVER賞、GOLD賞の選出も。

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今回、キレイノートでは、SILVER賞に輝いた「竹水フェイスミスト」を手掛けた「kiiks(キークス)」の水原希子さんにお話を伺いました。

そもそも「竹水フェイスミスト」って?

日本の文化に深く根付いている竹ですが、実は近年、山を管理する方々の後継者問題により、きちんと手入れをする人がいなくなってしまいました。そのため、荒れてしまった竹林が広葉樹林を侵食してしまい、地盤が弱くなって土砂崩れのリスクが高まるなどの「竹害」が起きています。

このような問題を解決するために、kiiksが注目したのが「竹水」です。

竹水というのは、竹が成長する時に地中から地下茎を通して吸い上げる水のことで、成長期の若い竹の生命力の源となっています。この竹水には、豊富なポリフェノールをはじめ、ビタミンB群、高い保湿効果をもたらすアミノ酸や、シリカ(ケイ素)、そして特に注目したいのが、最も有効な保湿成分であるセルロースがたくさん含まれています。とても貴重な水です。

ただ、竹水は4月から5月にかけての限られた時期にしか採取できないうえに、腐りやすいという難点もあります。でも、kiiksはその課題を克服して、竹水フェイスミストとして製品化することに成功しました。自然由来指数100%、クルエルティフリー、石油由来成分フリーを実現した、保湿力の高い「竹水フェイスミスト」として皆さまにお届けできるようになりました。

周囲の思いと協力で、素晴らしい製品に

――SILVER賞を受賞した今のお気持ちを教えてください。

この賞をいただけたのは、皆さんが竹害の問題をすごくシリアスに捉えているからこそだと思います。私も竹害の問題があるよということを教えていただいて、深刻だと思ったので、そのアウトプットとして製品を作らせていただきました。そうしたら皆さんの思いと協力のもとで、信じられないぐらい素晴らしい製品が出来上がりました。

竹が成長する際に地中から吸い上げた竹水は、とても貴重で良い成分を豊富に含んでいるんですけど、とにかく防腐が難しいと言われています。竹水を取った時にそのまま置いておくと、数時間で腐ってしまいます。

でもそれを、ある方に工場を貸していただいて、取ったものをすぐに冷凍させていただいたりだとか、協力してくださった方々がたくさんいて作られました。なので、竹水フェイスミストは詳しい方々からすると、竹水を防腐できたの?という驚きもあるようなんです。

今回は天然の防腐剤のみで防腐をしていて、使用期限は1年とあまり長くはないですが、それでも製品になっていることが奇跡的です。

それもこれも、やっぱり協力してくださった皆さんが竹害の問題だったりだとか、今後の日本の未来をもっと良くしたいとか、そういう思いが集まって出来上がりました。

自分がこうやってkiiksをやらせていただけているのはすごく大きなことだなと思っていて、今後も竹水フェイスミストのような製品をいっぱい生み出して、多くの方に知っていただきたいなと思っています。

――サステナブルコスメはスモールビジネスで取り組まれている方が多いからこそ、水原さんのような影響力のある方の参入は力になるのではないかと思います。現在、kiiksの立ち上げから1年ということですが、反響はいかがですか?

すごくたくさんいただいています。kiiksを立ち上げて今日(2月14日)でちょうど1年。最初はわからないことだらけでしたが、皆さんに教えていただきながらやってきて、すごく頑張ったし、すごく成長したなと思っています。

自分で言うのもなんですけど、製品のクオリティが本当に素晴らしいし、自然由来指数100%で作らせていただいているので、使った時の安心感があります。もともとは自分が安心して使える製品を作りたいなと思ってはじめたんですけれども、それ以上のものになったなっていう実感があって。これはもう“私ごと”だけじゃなくて“みんなごと”じゃないけど、本当にどんどん大きなものになってきています。

やっぱりサステナブルコスメに携わっている人たちは見ている方向が一緒だからこそ、「こういうのもあるよ」「ああいうのもあるよ」と皆さんが快く教えてくださるんだと思うんですよね。そこに関しては本当にすごくいい仲間がどんどん集まってきて。こうやって賞を取らさせてもらったからには、ちゃんと続けていって、日本が誇れるようなかっこいいブランドになっていけたらなと思っています。

取り組むべき今後の課題

――逆に、今抱えている課題はありますか?

パッケージが課題ですね。竹水の瑞々しい感じを表現したくて、今は本体にはガラス、蓋には竹を使用しているんですが、やっぱり衛生の問題でどうしても内蓋にプラを使わざるを得ない。そこが難しいのと、綺麗なパッケージだからこそ捨てるのに罪悪感があるという意見もいただきました。実際にポップアップでそうおっしゃっているお客様もいらっしゃって、そうだよな、と。本体がガラスというのも、やっぱり自分も使ってて重いし、持ち運びもちょっと不便だなと思っているので、もうちょっと軽くて持ち運びもできて捨てるのにも罪悪感がないけど美しいパッケージを考えていきたいですね。

また、最初の頃はどれだけ売れるかもわからなかったので、リフィルをつくれる段階じゃなかったんですが、実際に販売を開始したところリピートしてくださる方がすごく多い。なので、パッケージがその妨げになっても嫌だなと思っているので、これからはアルミのパッケージに変えて脱プラをするなどの改良を加えながら、リフィルも販売できたら、と考えています。

取材・文/編集部

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