SERIAL STORY

2025.01.17

これぞイギリス流!在英ライターに聞く、クリスマスから年始の過ごし方

ロンドン在住のライター・ウエストウッド知佳さんによる連載「My cup of tea」。イギリス英語の表現にある”Not my cup of tea” は「好みではない、好きではない」、”My cup of tea” はその逆に「好みである、好きだ」という意味になります。

この連載では、知佳さんの「My cup of tea=イギリスでの生活や少し足を伸ばして訪れたヨーロッパ旅行」でのエピソードなどをご紹介いただきます。

第三回は、イギリスならではのクリスマスの過ごし方について書いていただきました。

The Royal Exchange のデコレーション

「長年イギリスに住んでいても、クリスマスは全然ピンと来ない、やっぱりお正月よね」という会話をたまに耳にすることがあります。

でも、私はクリスマスのほうがピンと来るほど、もうすっかりイギリスにかぶれてしまったようで、12月に入った途端に目にするロンドン中の通りの装飾で、一気に私の中のクリスマススイッチが入ります。

New Bond Street

New Bond Street

クリスマスの12日前にツリーを飾り、12日後にツリーを撤収するのがイギリスの伝統。とはいえ、街では11月最終週になると早くもツリーが売られはじめます。我が家では毎年12月の第一週の週末に、環境には悪いと承知の上で、生の木を買います。生の木独特の香りが神聖な気持ちにさせてくれるのです。

ツリー屋さん

家庭用だとサイズは大体5種類から選べ、今年は約2メートルのツリーを70ポンドで買いました。ツリーは生花と同じように根本にたらいを置いて水を吸わせるので、新年まで枯れずに保つよう手入れをします。

旅先でのご当地クリスマスオーナメント収集が趣味でもある私は、行った先々を思い出しながらオーナメントを飾ります。

我が家のツリーとオーナメント

ツリーが仕上がると玄関先に飾るリースや家の装飾をはじめ ます。装飾の一つに、今年は日本語では“ヤドリギ”というらしいmistletoeを入れました。「Mistletoeの下ではキスをしてもいい」とヨーロッパでは言われています。

我が家のヤドリギ

家がクリスマスの雰囲気になると、次はクリスマスプレゼントの準備。まず木の下に置く家族用のプレゼント。そこには人からいただいたプレ ゼントも加わり、12月25日までは開封しません。

さらに、今年のクリスマスは夫のお父さん家族と過ごすので、人数分のプレゼントの準備も。イギリスではラッピングは自分でする仕組みなので、これまた環境に悪いですが、配慮しつつ11人分を包みます。

送る用のプレゼント

クリスマスプレゼントは日本のお歳暮、クリスマ スディナーは忘年会、25日当日が元旦のようなもので、今年は25日まで連日息子の友達関連の ディナーが続きました。

息子の友達家族とクリスマスディナー

クリスマスの日は家族でローストターキーを食べます。今年は夫の一番下の弟・ティムがとても美味しいローストターキーを作ってくれました。ローストディナーにはグレイヴィーソース、パンと野菜とドライフルーツで作ったスタッフィングが必須。

そしてもう一人の弟・ジェイミーが作ってくれた、ソーセージをベーコンで巻いたpig in blanketもイギリスのクリスマスならではの食べ物。

それに「We wish you a merry Christmas」の歌詞にも出てくるクリスマスプディングがデザートです。 夫のお継母さんが作ってくれたトライフルというイギリスのデザートも加わり、とてもイギリスらしく美味しいご馳走をいただきました。

トライフル

ディナー前にクリスマスクラッカーを鳴らすのもイギリスの伝統。隣に座った人とクラッカーの両端を引っ張ります。中には紙でできた王冠とクリスマスジョークが入っています。

クリスマスクラッカー

ディナーが終わるとプレゼント交換がはじまり、その後は談笑しながらボードゲームや、リズラペーパーに人の名前を書いて額に貼り、誰のことが書いてあるのか当てるリズラーゲームなどをします。クリスマス時期の本屋さんのボードゲームコーナーは、立ち寄りマストコーナーです。

本屋さんのゲームコーナー

ちなみに、使い終わったクリスマスツリーについては回収のお知らせがあり、リサイクルとしてゴミの日と同じ日に回収されます。

1月6日の週に通りに出されたツリー

今年は友達や家族のおかげで、たくさんの愛と笑いに包まれた幸せなクリスマスを過ごせました。

文/ウエストウッド知佳

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