2024.09.08
「もったいない」を美しさに!廃棄原料を活用したアップサイクルの美容アイテム3選
人と自然環境に優しいライフスタイルを目指すなら、美容アイテムも同じ視点で選びませんか。
例えば、捨てられるはずだった素材を活用したアップサイクルのケアアイテム。それらを選ぶことであなたがキレイになるのはもちろん、「自分にいいものが自然環境にもよい」という心地よい循環を体感できます。
今回はアップサイクル原料を使った商品を3つ紹介します。
アップサイクルコスメとは
本来捨てられるはずのものを捨てない、そしてその寿命を延ばすための工夫として、リサイクルやリユースに並びアップサイクルがあります。
そのひとつアップサイクルは、本来は捨てられるはずの製品に新たな価値を与えて再生することです。アイデアやデザインが付加価値を与えるため、製品のアップグレードとも言えますね。
Be
発酵粕エキスにコメ、桑、ハーブなど国産オーガニック素材にこだわった、上質なスキンケアブランド「Be(ビー)」。発酵や醸造という日本の伝統技術で生まれた独自の発酵原料を使っているのが特徴です。
厳しい基準のエコサートコスモス認証の取得、パッケージにはバイオマスプラスチック・メカニカルリサイクルPETを採用するなど、人と地球を思う姿勢が細部まで浸透しています。
Beオーガニックヘアオイル
Beの広報担当さんも「今まで使ったヘアオイルの中で一番!」とイチオシのオーガニックヘアオイルです。
東京利島産のツバキオイルを主とした原料は、天然由来成分100%かつ有機成分96%なので、毎日気持ちよく使えます。またシャンプー前の頭皮マッサージから髪のダメージケア、おでかけ前のスタイリングなど、いくつものアプローチができて重宝します。
サイズは2種類。今回紹介する50mLと、旅行や外出に携帯できるミニサイズの25mLがあるので、用途に合うほうを選んで。
■アップサイクルのポイント
畑の肥料や家畜飼料に混ぜる以外は用途がなかった未利用資源のヒエの糠(ヌカ)を利用した、サステナブルな化粧品原料「ヒエヌカオイル」。発酵で循環型社会を目指す会社、ファーメンステーションが、岩手県のJA 関連会社や研究機関とともに独自の圧搾・精製方法で開発した希少なオイルです。
また圧搾後に残った粕も家畜の餌に活用、その糞は畑や田んぼの肥料にするなど、しっかり再利用される循環型の仕組みが作られています。
実際に使ってみて
オイルを手の平と指に優しく伸ばして、そのまま髪に馴染ませていきます。少量でも伸びが良く、べたつかない。髪につけ終わったら、手の甲や手首辺りまでオイルを伸ばし、その潤いと余韻を楽しむのも◎。
オイルが馴染んだ髪はヘルシーな輝きに満ち、手ざわりのなめらかさにも違いが! また使い心地がいいのはもちろん、豊潤な香りにも癒やされます。甘くフローラルなラベンダー・ローズマリー・ベルガモットで作る独自ブレンドのアロマは、いつものヘアケアをご褒美タイムに格上げしてくれますよ。
Frenava
金沢の地で1625年に創業された「福光屋」は、歴史と伝統を持つ稀少な純米蔵。酒蔵の職人の手肌の美しさに着目、数千年の歴史を持つ発酵技術と美容の関係性について長年研究を重ね、2003年に化粧品事業をスタートしました。
さらに2021年、オーガニック化粧品市場のパイオニアであるコスメキッチンとともにスキンケア「Frenava(フレナバ)」を開発。有機栽培米を100%使った醗酵由来の福光屋オリジナル原料4種に、白山の麓に群生する野生クロモジのエッセンスを加えたオーガニックシリーズです。全アイテムが天然由来成分100%、日本のオーガニック認証も取得しました。
酒造りのエキスパートとして、化学に頼ることなく米と水、微生物の力を信頼したものづくりをスキンケア作りにも生かしています。
フレナバ バランシングローション
フレッシュなクロモジ蒸留水に、酒粕エキスやコメ発酵液、酵母エキスを配合した化粧水。成分の50%にクロモジが含まれているという贅沢さ!
森に包まれるような清々しいアロマと、独自の発酵成分がもたらす保湿力が特長です。
また香りは植物療法士としても知られるファッションディレクター・風間ゆみえさんが監修。金沢の夜よりインスパイアされ「鎮静と高揚」をテーマに調合されました。
■アップサイクルのポイント
一般的に廃棄される酒粕を活用してきた福光屋。Frenavaのスキンケアにももちろん取り入れています。食の分野で生かすだけでなく、コスメにまで活用の幅を広げているところが強みです。
アップサイクルのほかにも捨てずに使うリユースのための工夫として、花器やインセンスホルダーとして再利用できる「捨てられないデザイン」を採用。また容器はできる限りガラスや再生プラスチックを、化粧箱には化学薬品をできるだけ使わず生産した「コスキチペーパー(自然に近い新発想の用紙)」を採用するなど自然環境に配慮しています。
実際に使ってみて
ローションを手に取ると、神秘的なクロモジの香りが鼻を刺激します。まるで森の恵みのようなリラクゼーションをもたらしてくれます。また柑橘やハーブが織りなす甘い香りも…。
テクスチャーはさらりとしてとても使いやすく、それでいて十分な保湿感があります。
クレンジングクリームからバランシングセラム、エモリエントオイルなどシリーズ展開しているので、安定した効果を感じたいならラインでの使用がおすすめです。
SKINFOOD
1957年に「食べてカラダにいいFOOD(フード)をお肌にも」という思いから生まれた、60年以上の歴史を持つトータルコスメティックブランド「SKINFOOD(スキンフード)」。韓国の清酒からブラジルの黒糖まで「美味しくて肌にもいい」成分を、と世界を飛び回って徹底した原料選びを行っています。
また環境保護への取り組みの一環として容器のリサイクル率を向上するため、プラスチック容器をガラスなどのPCR(Post-Consumer Recycled)素材に置き換えるほか、紙箱に大豆インクをはじめとした環境にやさしい素材を使用しています。
ポテトマドカソスージングパッド
ポテト好きにはたまらない!? ポテトの美肌に作用する成分を詰め込んだ化粧水パッドを発見! 廃棄予定だったポテトを使う珍しい製品です。
SKINFOOD独自の工法により、マッシュポテトを作るよう丁寧にエキスを取り出すことで、成分を壊すことなく肌に届けることを実現。韓国コスメの代表的な成分として知られるCICA(ツボクサ(*))や、CICAに含まれるマデカッソシド(*)も配合。
たっぷりの水分を含んだ化粧水パッドは、見た目もまるでポテトのような円形かつでこぼこの質感。適度な厚みがあるため使いやすく、また漂白をせずコットン本来の色味の素材で地球環境にも肌にも優しそうです。
(*)……皮膚コンディショニング剤
■アップサイクルのポイント
見た目の悪さから規格外とされ、出荷されずに廃棄されていたポテトをアップサイクリング原料として採用することで、ごみを出さない取り組みやフードロス対策にも。ポテトマドカソスージングパッドを使用することで、間接的に持続可能な社会の実現に一役買うことができます。
実際に使ってみて
顔はもちろん、日焼け後の両肩に一枚ずつ乗せてパックすると鎮静作用が感じられます。また厚手のパックを半分にし、乾燥しやすい両手の甲に乗せて、そのままパソコン仕事するのもおすすめ。仕事が終わる頃には手の甲もしっとり、みずみずしさを取り戻します。
人と環境に優しいサステナブルな社会を目指すのに、個人でできることは限られています。でも日々のスキンケアやヘアケアなどを、エシカルなものに置き換えるだけでも十分なアクションになるはず!
廃棄される予定だった素材を活用した、アップサイクルのケア用品。気になるものがあれば、ぜひ試してくださいね。
旅するように暮らす自然派ライター/オーガニック料理ソムリエ。
4年に渡る世界一周後、オーストラリアに移住し約7年暮らす。コーヒー好きが高じてオーストラリアではバリスタ業の経験も。今は繊細でフルーティーな浅煎りコーヒーに夢中です。ライターとしては旅行誌の広告制作を経て、雑誌広告や編集ページを主に執筆。現在は自然に沿った生き方、ほどほど丁寧な暮らしを自ら実践しながら発信中。地球にも体にも優しい生き方のヒントをお届けしていきます。
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