2019.09.24
ラグジュアリーでユニークなスイスの老舗ヘアサロンAERNI
創業90年の歴史あるヘアサロン「 AERNI(エル二) 」
スイスの首都ベルンの駅前に佇む、 19 世紀に建てられたアール・デコ調の美しい建物。「 AERNI( エルニ)」はこの歴史的建造物の中に居を構え、 1929 年の創業以来スイス人に愛され続けている、歴史あるヘアサロンです。
ヘアサロンらしからぬ荘厳なエントランス。
中に入ると、驚くほど洗練されたラグジュアリー空間が広がっていました。以前はホテルだったと聞いて納得。 650 平方メートルものスペースに、リバティ様式の柱とシャンデリア、それに見事に調和したモダンなインテリア。 2006 年に改装後、 Estetica Design Award で「世界で最も美しいヘアサロン」に選ばれています。
でもまだ、ヘアサロンらしき空間は見当たりません。
入り口の右側にあるカフェカウンター。 軽食をいただけるテーブル席もあります。
左手には、スノッブな服が奥の奥まで並びます。こんなヘアサロンを今まで見たことがありません。 1929 年の創業以来、変わらないコンセプトというから驚きです。
奥に進むと、広いヘアサロンスペースにたどり着きました。ル・コルビュジェ調の、インテリアの中でも一番こだわりが感じられる空間です。
ヘアケア製品のラインナップも豊富。ヘアスタイリスト界の巨匠ブランド「 ORIBE 」の他「 REDKEN NYC 」や「 AMERICAN CREW 」、そして「シュウ・ウエムラ」もありました。
AERNI がオープンした 19 世紀初頭は、パリが世界のモードを席巻していました。そんなパリのスタイルを積極的に取り入れて、スイスの女性たちを美しくしてきたのが AERNI です。
創業以来ファミリーに引き継がれ、現在のオーナー、マークさんとその息子ジャンさんも、こちらのお店でヘアスタイリストとして活躍しています。
異次元のスパで、贅沢なリラックスタイムを
マークさんは、 2007 年のリニューアルの際、新たに地下のスパ施設をオープンしました。伝統を踏襲してきた AERNI の、創業以来最大のリノベーションと言えるかもしれません。
地下への階段を降りると、そこには一層落ち着いた空間が広がっています。
こちらが、スパ利用客専用のサロンです。私は当日 35 度の酷暑の中、猛ダッシュで予約ギリギリの時間に滑り込むという失態を犯しました。本来ならば言うまでもなく余裕を持って到着し、このサロンでお茶をいただきながらゆっくり外界とディスコネクトしていく、というのがあるべき姿です。
専用バスタブのあるアースブラウン調の広い部屋では、至極のアユールベーダをゆったりと堪能できます。
私はこちらの開放的な雰囲気の部屋で、 30 分のフェイシャルトリートメント( 80CHF/ 約 8,600 円)をお願いしました。
担当してくれた方は、優しい雰囲気のケイエさん。「美肌とリラックス」という欲張りなリクエストを快く受け入れてくれました。百合の香りのマッサージクリームを選んで施術開始です。
フェイスラインを丹念にマッサージ。さらに温めたアボカドオイルで、背中までケアしてくれたのが印象的でした。最後に鏡を渡されて自分の顔を見ると、肌ツヤと血色が数段良くなったためか、ノーメイクなのに全体的に華やかな印象に。 30 分という短時間にも関わらず、極上のリラックスタイムでした。
時代や流行が変わっても、私たちのオシャレ心は永久不滅。
世の中全ての女性が、もっともっとキレイに輝ける、そんな未来であってほしい。
永世中立国の、女性たちを見守り続けてきたヘアサロンを訪れた帰路の列車で、世界平和にまで思いは馳せたのでした。
映像ディレクターなどを経験し、ヨーロッパなどを旅した後に、NYに留学。そこで出会ったイタリア人の旦那さんとの結婚を機にミラノに。現在は育児の傍ら、通訳や日本食ケータリングのお仕事もしています。人との距離感やテンション、センスなどミラノの全てが大好き! 記事では街やそこに住む人々の魅力も伝えていきたいです。様々な形で日本とイタリアの橋渡しができればと思っています!
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