2023.02.22
腸活やフードロス対策に!自家製ぬか漬けをもっと気軽に楽しもう
カモシカ発酵マルシェ「カモシカのぬか床」 京漬物 初代亀蔵「魔法のぬかシート」
日本のスーパーフード、発酵食品。腸内環境を整える腸活にもよいことから注目されています。簡単に手に入るため、納豆や味噌汁といった発酵食品を取り入れている人も多いはず。
今回は発酵食品の中でも特におすすめの「ぬか漬け」を紹介します。
健康にいいのはもちろん、実は意外と簡単に楽しめ、さらにフードロス対策にもなるぬか漬け! はじめない理由はありませんよ。
ぬか漬けはスーパーフード
スーパーフードとは、一般的な食品よりも栄養価の優れている食べ物のこと。
発酵食品であるぬか漬けもスーパーフードのひとつ。さらに加熱をしないことで酵素や、ビタミンやミネラルなど食材の持つ栄養素もそのまま摂取できるのです。
そもそもぬか漬けは、米ぬかで作られますが、玄米が体によいとされていることからわかるように、ぬか部分にはたくさんの栄養素が詰まっているのです。
特に、抗酸化作用のあるビタミンB群やフィチン酸、食物繊維が豊富です。
この米ぬかをベースとしたぬか床に、発酵の効能、漬ける野菜の栄養素が加わるのですから、体が喜ぶこと間違いありませんね!
腸活にいい理由
発酵させたぬか床は、植物性の乳酸菌や酵母菌など、菌や多様な微生物の宝庫!
これらの善玉菌が腸内環境を整えてくれ、さらにぬか床に含まれる食物繊維が腸のぜん動運動を促してくれるので胃腸が活発になります。
腸内環境と健やかさは切っても切れない関係にありますので、美容と健康を心がけるなら意識的にぬか漬けを含む発酵食品を摂りたいですね。
フードロス対策にも
ぬか漬けは健康にいいのはもちろんですが、フードロス対策にもなるという嬉しいメリットつき。
例えば食べ切れなかった食材を、ぬか床に入るサイズにカットし、そっとぬかのベッドに沈ませるだけ。数日も経てば、栄養素がぎゅっと詰まったぬか漬けに! 今までであれば処分していた食材もこのようにスーパーフードに生まれ変わります。
漬けることで賞味期限も長くなり、美味しく長く、その食材を楽しむことができるなんてとってもお得…!
ぬか漬けをもっとシンプルに
ぬか漬けといえば、ぬか床の材料を各自で調達したり、毎日手で壺の中をこねて世話をしたりという印象がありました。
ですが最近では、そこまで手はかけられないけれど自家製ぬか漬けを楽しみたい人でも、気軽にはじめられるようになりました。
例えばぬか床は、ぬかに塩水、昆布、唐辛子などを加えて自分で用意していたものですが、今では購入したその日から好きな食材を漬けられる、熟成ぬか床が簡単に購入できます。それも漬物店、お米屋さん、料亭など食の専門店が販売しているものも多く、簡単に美味しくぬか漬けをはじめるのにピッタリです。
また、ぬか漬けは常温でシンク下などに保管、冷蔵庫に入れるなんてご法度、とされていましたが、近年では特に夏場はぬか床を冷蔵庫で保管する方法も推奨されています。さらに毎日手で混ぜる、というルールも、冷蔵保存で数日に1回などハードルが下がります。
漬けないほうがいいもの?
ぬか漬けは「こんなものまで美味しくなる!」を体験するのが醍醐味のひとつなので、定番から好きな具材までなんでも漬けてみてください。
…と言いたいのですが、ぬか床の状態を考えるとおすすめできない具材も。これさえ抑えておけば失敗を避けられるというポイントをいくつか紹介します。
【水分が多い】
大きなトマトのような水分の多い野菜は、ぬか床がべちゃべちゃになり、ぬかのバランスも崩れてしまうのだとか。なすや白菜など多少の水分なら塩もみして漬けるといいですよ。
【アクが強い】
野菜によっては、漬ける際に下準備としてアク抜きをすることもありますが、それでは追いつかないくらいアクが強いとうまく漬からないのです。またアクの成分が移ってしまいぬか床が悪くなってしまいます。
【匂いが強い】
ニンニクやネギなど香りの強い野菜も、ぬか床に匂いが移るため避けたほうが無難。とはいえどうしても食べたければ、少量だけ、また別の容器にわけて漬けるという手もあります。
ベースには「カモシカ発酵食堂」のぬか床
「命は命で元気になる」をコンセプトに、発酵食品の販売やワークショップなどを通して、発酵文化を提唱する「カモシカ発酵食堂」。京都の嵐山に本店を構え、京都中心部にあるサステナブルなショッピングセンター「GOOD NATURE STATION」でも販売スペースを設けるなど、京都の発酵文化を担う存在です。
発酵の専門家が手がける、個人的にも絶対的な信頼を置いているカモシカのぬか床。
こちらのぬか床、お気に入りのポイントはぬかのなかにたっぷり具材が入っているという点! 生ぬか、天然海塩、唐辛子、山椒、ゆずの皮、昆布、鯖のへしこ、熟成ぬかを入れて熟成して作られているのですが、オレンジのゆずの皮や昆布は目視でわかるくらい大きいものがゴロゴロと入っています。贅沢ですよね。
長い材料、肉魚には「初代亀蔵 魔法のぬかシート」
240年続く老舗漬物店から継承した、歴史のあるぬか床「発酵ぬか床(魔法のぬか)」のシート版です。キュウリなどの細長い具材や、ほかのものと一緒に漬けるのに躊躇する肉や魚を漬けるのに使えてとても便利!
原材料も米ぬか、酒粕、みりん粕、食塩、唐辛子といたってシンプル。人工添加物などは不使用、昔ながらの製法で作られた味です。
実際に漬けてみよう!
ぬか床とシートの2つを使って、ぬか漬けを作ってみます。
今回はタケノコや春キャベツなどの旬の野菜から、定番のキュウリ、変わり種の豆腐、そして鮭を漬けてみます。
・「カモシカのぬか床」を使って
用意したのは野田琺瑯「ぬか漬け美人」。Amazonでも簡単に買える、しっかりとした作りのぬか漬け用に作られた容器です。
こちらに用意したぬか床を移し、カットした野菜をひとつずつ埋めていきます。このとき葉野菜などは重ならないように、一枚ずつしっかりぬか床に包まれるように配します。
同じ野菜は同じ場所にまとめておくと、食べたいときに簡単に取り出せて楽ですよ。仕上がりはこのように、野菜などがぬか床から出ないように。空気に触れないよう、しっかりと埋めるのがバランスよく漬かるコツです。
・「初代亀蔵 魔法のぬかシート」を使って
送られてくるシートの使い方やYouTubeを参考に、具材にぐるぐると巻きつけます。
最終的にはラップで包む、とありますがその際このシートのパッケージをどうするのかがわからず、私は取ってラップでしっかりと包みました。
長いキュウリはこのようにそのまま巻きつけられます! アクの強い両端のヘタだけ切り落としました。
サーモンはこの通り、一枚では覆えなかったため2枚を使いました。
「指が汚れない」を謳っている商品ですが、コツを掴むまではちょっと難しいかも! でも汚れてもぬかなので、私は気になりませんでした。
自家製ぬか漬けのできあがり!
2日後にそれぞれぬか床より具材を取り出します。
もちろん、浅めがいいなら1日でも、より長く漬ける古漬けでもお好みで。
奥の見えないぬかに手を突っ込んでの作業は、まるで宝探し! ワクワクしながら数日前に沈めた具材を取り出し、サッと洗ってお皿に並べて完成です。
私の一番のお気に入りは豆腐。塩味の加減がちょうどよく、中身がうま味でぎゅっと詰まっていて、食べ応えと満足度がアップしました。ちなみに豆腐は「ぬかシート」のぬかでつけました。
続いて「カモシカぬか床」で漬けたタケノコとキャベツ。
驚いたのは、タケノコの やわらかさ! 実は同じ水煮をそのままみそ汁に入れたら堅かったので、ぬか床による変容だとわかります。ただ塩味がちょっと尖った感じになったので、このタケノコの水煮は一日でも十分かもしれません。
キャベツは驚くほどうまみがアップ。酸味よりうま味、甘みが出て、本当に美味しかったです。
「ぬかシート」で漬けたキュウリはまだ浅めの漬かり方ですが、それでも美味しい! あっさりしているので、パクパクとエンドレスです。古漬けも食べたくて、私は半分を切って残りをまた冷蔵庫に戻しました。
そして鮭も、まったくの別ものに! 発酵により深みが出ました。塩味がついているから調味料不要で焼くだけで美味しくいただけました。
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今回は、簡単にできる自家製ぬか漬けを紹介しました。
自分で漬けると美味しさも一入です! 尖った酸味はなく、発酵のプロセスでどんどん滋味深くなるようでした。
美味しい上ヘルシー、残り物もご馳走になるので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
旅するように暮らす自然派ライター/オーガニック料理ソムリエ。
4年に渡る世界一周後、オーストラリアに移住し約7年暮らす。コーヒー好きが高じてオーストラリアではバリスタ業の経験も。今は繊細でフルーティーな浅煎りコーヒーに夢中です。ライターとしては旅行誌の広告制作を経て、雑誌広告や編集ページを主に執筆。現在は自然に沿った生き方、ほどほど丁寧な暮らしを自ら実践しながら発信中。地球にも体にも優しい生き方のヒントをお届けしていきます。
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