2021.10.16
写真で旅する南イタリア。
そこは別世界、魅惑のカラブリアへ
イタリア カラブリア
コバルトブルーの海を求めて、イタリア半島大縦断
ブーツの形をしたイタリア半島の、つま先に位置するカラブリア州。
私が住むミラノからフィレンツェ、ローマ、ナポリ、と南下するに従って異国度が高くなるイタリアにおいて、カラブリアは別世界ともいえるエリアです。
今回訪れたのは、半島の最西端エリア。なかでもシチリア・アラビア文化の影響を色濃く受けた地域です。
アフリカを彷彿とさせる強い日差しと乾燥した空気に迎えられました。
このエリアきってのリゾート、崖の上から海を見下ろすトロペア。各メディアが選ぶイタリア一美しい村やビーチ、ベスト10の常連です。
古代ギリシャ時代に誕生、古代ローマ時代に繁栄し、フランスやスペインに支配された後18世紀の大地震に見舞われるなど、歴史の波に翻弄されてきました。
どこかノスタルジックな街並みは、古い映画のセットのよう。
トロペアでのバカンスは、海なしでは始まりません。
ビーチの浅瀬でシュノーケリングを楽しんだり、崖の上からダイブしたり(私は無理でしたが)、海のレジャーの宝庫です。
写真は、ボートツアーの船上から見たトロペアの街とビーチ。美しすぎでした。
イタリアのファッションデザイナー、ジョルジオ・アルマーニ氏も毎年訪れるというプライベートビーチや、海に沈みかけた古代ローマの港を望みながら西へ進み、イタリア半島の先端でボートは停泊。
魚とたわむれたり洞窟探検をしたり、乗客は思い思いに海水浴を楽しみます。
私が参加したボートツアーは、「CAPTAIN PAOLO(キャプテン・パオロ)」。
パオロ船長やスタッフは本当にフレンドリーで、子連れの私たちをたくさん気遣ってくれました。
帰り道はシャンパンやスナックが振る舞われ、程なく酔っ払いによるカラオケパーティーがスタート。これは正直いらなかったです。
夏の日暮れは20時過ぎ。
トロペアのビーチや街から、夕陽を眺めながらゆったりとした時間を過ごします。
トロペアから車で20分ほどのバチカーノ岬も、絶景スポット。コバルトブルーから紫色に染まっていく海と、オレンジ色の夕陽にただただ見入るひととき。日々の喧騒から離れ、全てのストレスを洗い流してくれるかのような、かけがえのない時間でした。
カラブリアのグルメを堪能
初めて訪れる地の最大の楽しみといえば、ローカルフードに触れること。
バナナやサボテンなど、都市部にはない植物が海を見下ろす大地でのびのびと育つ姿は、南国の風景そのもの。
一方内陸は険しい山岳地帯が多いなど、地理的に決して恵まれていないカラブリアならではの、独特の食文化を育んできました。
野菜や肉・魚のオイル漬け、唐辛子を使った激辛サラミ「ンドゥイヤ」など、保存食品が名物です。
カラブリアのデザートといえば、トロペアの隣町ピッツォで誕生した「タルトゥーフォ・ネロ」。
チョコレートをバニラのジェラートで包み込み、さらにチョコレートやカカオでコーティングされたあまーいドルチェです。
その風味と甘みで有名な、トロペアの赤タマネギ。ニンニクや唐辛子と並んで、街の至る所で吊るし売りされています。
ここで、カラブリアのローカルな味のひとつ、タマネギの美味しさが凝縮された、大人のジャムのレシピを紹介します。
赤タマネギジャム
<材料>
・赤タマネギ 300g
・きび砂糖 100g
・白ワイン 50ml
<作り方>
①タマネギの皮をむき、細かく切る。
②鍋にタマネギ、砂糖、ワイン、少量の水を入れて火にかけ、湧いたら弱火で煮込む。
③かき混ぜながら30分ほど煮詰める。
④水分がなくなってきたら火を止め、出来上がり。
チーズにのせておつまみにしたり、肉料理に添えても最高のジャムです。
簡単なので、ぜひ試してみてくださいね。
映像ディレクターなどを経験し、ヨーロッパなどを旅した後に、NYに留学。そこで出会ったイタリア人の旦那さんとの結婚を機にミラノに。現在は育児の傍ら、通訳や日本食ケータリングのお仕事もしています。人との距離感やテンション、センスなどミラノの全てが大好き! 記事では街やそこに住む人々の魅力も伝えていきたいです。様々な形で日本とイタリアの橋渡しができればと思っています!
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