2020.12.21
読んで旅気分。トスカーナ・世界遺産の街で、デトックス&リラックスの旅
イタリア 天然温泉
ナウシカの世界が広がる、世界遺産オルチャ渓谷のテルメ
フィレンツェとローマの中間に位置する、世界遺産のオルチャ渓谷。
実際の地形は渓谷というより、壮大な丘陵地で、映画「グラディエイター」のロケ地としても知られています。束の間の一人旅にこの地を選び、頭を空っぽにしてドライブへと出かけます。
旅の最大の目的は、エリアに点在する天然温泉。今回はそのうちの一つ、森の中にある秘湯「BAGNI DI SAN FILIPPO(サンフィリッポの湯) 」を訪れました。
離れた駐車場に停めた車から降りた途端、硫黄の臭いが鼻をつきます。
森の小道を進むと徐々に視界が開け、やがて白いお化けのような巨岩に迎えられました。「LA BALENA BIANCA(白クジラ)」と名付けられた、炭酸カルシウムと硫黄が鍾乳化した結晶です。
古代から親しまれたこの温泉には、フィレンツェからメディチ家も湯治に通ったと言われています。
入湯は無料で、更衣室やシャワーなどのファシリティーは一切ありません。自然のままの景観が優先されたためですが、大きめのタオルとシャワー代わりのペットボトルの水を用意しておくといいかも知れません。
水の流れに沿って、天然の浴槽が大小様々に形成されています。自分のお気に入りを見つけ、ゆったり半身浴することができました。
水温は37度前後でしょうか。白濁した湯のせせらぎと、風に揺れる木洩れ日。自然の恵みを五感で受けながら、日頃の疲れやストレスを真っさらにリセット。
手前の彫刻のような女性は、全身泥パック中。川底の泥は美肌効果が高いそうです。ブロンズ像のような老若男女がウロウロしていて、明るいゾンビ映画の世界でした。
世界遺産の中にある世界遺産の街を散策
サン・フィリッポの湯から20分ほど車を走らせ、小高い丘の上にある城塞の街ピエンツァへ。オルチャ渓谷の中にありながら、ピエンツァ自体も世界遺産という、ダブル世界遺産の珍しい街なのです。
15世紀、当時のローマ法王の故郷であったことから街全体が再設計され、どこを切り取っても宝箱のような、ルネッサンス様式の街並みが残っています。
散策しながらジェラートを食べ終わったタイミングで目に留まり、吸い込まれるように入ってしまったのが、こちらのナチュラルコスメのお店「BOLGHERELLO(ボルゲレッロ)」。
トスカーナに数店舗展開するBOLGHERELLOのコスメは、原料のほとんどがトスカーナ産。オリーブオイルやワイン、オルチャ渓谷の温泉水を使ったシリーズなど、その多様な品揃えから、この土地の豊かさが伝わってきます。
購入したのは、ラベンダーシリーズのネックピロー(26ユーロ / 約3,200円)。トスカーナ西部で栽培されたラベンダーがずっしりと800グラム詰まった、究極のリラックスピローです。
ベッドルームに置いておくだけで、部屋中がラベンダーの香りに包まれ、安眠効果が得られます。
究極のデトックス&リラックスの旅。
トスカーナは、やっぱり別格だと実感しました。うまく言えないのですが、豊穣の神様に選ばれた場所。
豊かな自然の恵みを全身で受けた、最高にハッピーな1日でした。
※この記事は夏の時期に感染症対策を十分に行った上で取材をしました。
映像ディレクターなどを経験し、ヨーロッパなどを旅した後に、NYに留学。そこで出会ったイタリア人の旦那さんとの結婚を機にミラノに。現在は育児の傍ら、通訳や日本食ケータリングのお仕事もしています。人との距離感やテンション、センスなどミラノの全てが大好き! 記事では街やそこに住む人々の魅力も伝えていきたいです。様々な形で日本とイタリアの橋渡しができればと思っています!
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