2019.12.26
オランダで注目 ゲストもスタッフも家族になるホテルが登場。
アムステルダムで話題のコンセプトホテルへ
アムステルダムの名前の由来となった、街の南北に流れるアムステル川。
今回はそのアムステル川のほど近くにある、ホテル界に革命を起こした宿をご紹介します。
ホテルの名前は「 ZOKU 」。
日本語の「族」=同類、仲間という意味が込められています。
チェックインをしに、エレベーターで最上階へ。ガラス張りの廊下を進みます。
その先には、レセプションがある代わりに、開放的なサロンが広がっていました。
チェックインは、声をかけてくれたスタッフとおしゃべりしながらノートパソコンか iPad でさっと済ませます。
コンセプトは「ワーキング・ハイブリッド」。このホテルでは、コミュニケーションが全ての肝。恥ずかしがっていては、何も始まりません。周りの人と話せば話すほど、色々な情報がインプットされ、つながりができていきます。
サロンでは、一人パソコンで仕事をする人、ミーティング中のグループ、ギターを持ち出してテラスでお酒を飲む人たちなど、皆が思い思いに過ごしています。国籍も目的もライフスタイルも違う人たちが共存し、クリエイティブでポジティブなエネルギーが溢れていました。
ヘルシーな料理と会話を楽しむダイニング
サロンの奥にあるダイニングへと進みます。
ここも、オープンキッチンのスタッフや、テーブルで同席した人たちと自然に会話が始まり、人の輪が広がっていく場所。
ゲストの多くが単身の出張者だそう。二週間以上の滞在者は、ホテルのマネージャーから毎週木曜日のディナーに招待され、ビジネスパーソン同士の交流を深める場が提供されます。
なんと最長で、一年間滞在したゲストもいたそう。「仲間」という感覚を通り越し、「ファミリー」として繋がっていくこのホテルの居心地の良さを、ご想像いただけるかと思います。
食事は、長期のゲストを栄養面でサポートすることも熟慮されています。
こちらは、朝食のビュッフェ。野菜料理のレパートリーが多く、朝から良質のビタミンやタンパク質を摂ることができます。ローカルの野菜やオーガニックの乳製品など、食材のクオリティにもこだわりが感じられました。
こちらは、ディナーの前菜とスープ。タラゴンというハーブとインゲンのスープはミントがきいていて、ヘルシーで美味、ボリューム満点でした。メインは、肉・魚・ベジタリアンの中からセレクトします。
居心地抜群で多機能なゲストルーム
ゲストルームは 3 種類あります。(実際は更にシークレット VIP ルームがあるそうです)
こちらが、一番広いメゾネットタイプのお部屋。写真の左側の引き戸を開けると、ダブルベッドが収納されています。
右側にはキッチンとダイニングテーブルがあり、少人数のミーティングもできるようになっています。
天井の中央には、懸垂用のリングが取り付けられていました。男性スタッフに試してもらったところ、結果は 3 回。相当きつそうで、頼んでおきながら申し訳ない気持ちになりました。ホテルにはヨガスタジオなどのファシリティも充実しています。
コミュニケーションが人類を救う⁉
厳しい土地で生き抜くために、オランダ人は高いコミュニケーション能力を身につけてきたと言われています。そんなオランダだからこそ誕生した ZOKU は、今後ヨーロッパ中に拡大していくそう。日本にも上陸する日が来たら素敵だなと思いました。
携帯とパソコンで、ほとんどが完結してしまう時代。その時代性を否定することなく人と人とのコミュニケーションを高めることにより、未来が広がっていくような場所。皆さんもぜひ体験してみてくださいね。
映像ディレクターなどを経験し、ヨーロッパなどを旅した後に、NYに留学。そこで出会ったイタリア人の旦那さんとの結婚を機にミラノに。現在は育児の傍ら、通訳や日本食ケータリングのお仕事もしています。人との距離感やテンション、センスなどミラノの全てが大好き! 記事では街やそこに住む人々の魅力も伝えていきたいです。様々な形で日本とイタリアの橋渡しができればと思っています!
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