2020.02.28
イタリアーナとキレイの関係 #2
仕事や育児などで多忙な日々を送りながらも、自分らしさを失わないイタリア人女性。
彼女たちのライフスタイルを仕事・家族・美容など様々な角度から、ミラノよりレポートします。
社会起業家・4児のママ
Elena Galateri di Genola
エレナ・ガラテーリ・ディ・ジェノーラ
4人の子供とライフワークが宝物。
夢は絶対に諦めない。
第2回は、4児のママ兼、社会起業家として活躍するエレナをご紹介します。
アルバニアの女性を支援するテキスタイルブランド「GURI I ZI」を立ち上げ、結婚・出産を経て、毎日が全力疾走のエレナ。
仕事やプライベートについて、そして4人目の出産で大きく変わった人生観についても話してくれました。
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Part1
ライフワークの出発点
「GURI I ZI(グリ・イ・ジー)」
アルバニアで立ち上げたテキスタイルブランド
こちらはミラノのカドルナ地区にあるテキスタイルショップ、「GURI I ZI」。今回ご紹介する、エレナが経営するお店です。
アルバニアの伝統的な刺繍や織りが施された、美しいテキスタイルが並ぶ店内。
ホームパーティ好きのミラネーゼの食卓を彩るテーブルウェアや、リラックスタイムを演出するクッション、ベッドカバーなどのホームリネンが揃います。
手作業ならではの温かみと、エレガントで洗練されたデザインは、VOGUEなどのインテリア雑誌で何度も紹介されてきました。
エレナは現在39歳。大学を卒業後、社会貢献活動に関心があったエレナは、アルバニア北部の村、GURI I ZI(グリ・イ・ジー)でのボランティア活動に参加。貧しくも美しい村と素朴な人々に惹かれ、地域の経済支援と女性の地位向上を目的としたプロジェクトを立ち上げることを決意。
その翌年26歳の時、村の名前をとってテキスタイルブランド「GURI I ZI」を創立しました。
イタリアから高品質の糸をアルバニアに運び、村の女性4人を雇って、工房をオープン。アルバニアで廃れかけていた伝統的な織物法を採用して、テキスタイル作りをスタート。目の肥えたミラネーゼにも受け入れられるクオリティに達するまで、まずは女性たちの技術指導に励みました。
「品質の向上にも時間がかかったけれど、それ以上に大変だったのは、彼女たちの家族からの理解を得る事だった。 自分たちの妻が、小さな外国企業の為に外で働く事を許さない保守的な男性が多かったの。」
現在は村の50人以上の女性が働き、地域にかなり貢献できるまでに成長しました。
しかし今でも工房への通勤ができず、家で作業している女性も少なくありません。内職ではクオリティが下がり、納期管理なども難しくなりがちです。
「でも苦境に置かれている女性たちの生活を改善することがプロジェクト本来の目的だから、彼女たちが働き続けることこそが重要なの。」 工房で働く女性たちは皆、エレナにとって家族のような存在。丁寧に織られた一つ一つの作品を、愛おしそうに手に取って、その素晴らしさを語ってくれました。
アルバニアで貧困に苦しむ人を一人でも多く助けたいというエレナの夢は、まだ始まったばかりなのかもしれません。
GURI I ZI
Via S. Nicolao 10, Milano http://www.guriizi.com