2021.03.20
写真で旅するイタリア。大自然の恵みを全身で味わう東部・マルケ州の贅沢旅
イタリア マルケ州
マルケ州の大自然を満喫する旅
今回はアドリア海沿いに位置する、マルケ州の大地の魅力を発掘していきたいと思います。
海、山、谷、丘。手つかずの大自然が豊かなマルケの大地を巡るには、車での旅が最適です。谷合いの町からカーブだらけの山道を走ると、標高はあっという間に1000mを越え、自然も表情を変えていきます。
2000メートル級の山が連なるシビッリーニ山地の入り口に到着。車を停め斜面を徒歩で登ると、360度大パノラマの絶景が待っていました。遠い地平線は、アドリア海です。
山頂で深呼吸をして、山のエネルギーをたっぷりと享受。本格的な登山コースも豊富に揃い、山好きにはたまらないエリアです。
再び谷へと下ると、エメラルドグリーンの澄みきった川に遭遇しました。
冷たい水に思い切って入ってみると、心身ともに総リフレッシュ。魚がたくさん泳いでいました。
水から上がったら、陽の当たる岩に横たわり体を温めます。大自然の岩盤浴といったところです。
雄雄しい岩山に覆われた渓谷エリア。実はここに、140万年前に誕生したヨーロッパ最大の鍾乳洞があるのです。
1971年、十代から二十歳のグループが偶然発見したフラサッシ鍾乳洞は、まだ全容が明らかになっていません。私が訪れた前日にも、新たな洞窟が発見されていました。
ガイドさんに誘導され、まず出迎えてくれるのが壮大な「アンコーナの深淵」と呼ばれる空間。クリスタルのような鍾乳石の美しさに感動。
写真では全く奥行きが伝らないのですが、天井が200メートル、60階の建物がすっぽり収まる大空間は、圧巻の一言です。日光が入らない洞窟内は遠近感を失うそうですが、それでも途方もなく広い空間ということはわかります。
洞窟内に点在する、造形が特徴的な鍾乳石には「自由の女神」「サンタクロース」「魔女のお城」など名前がつけられ、童心に帰って楽しめるツアーでした。
日本では大学の先輩たちと、ヘッドライトを装着して全国の鍾乳洞を巡っていた私。このフラサッシ鍾乳洞でも、アドベンチャー好きな大人に持ってこいの本格ツアーも行われています。鍾乳洞好きの人に、自信を持っておすすめします!
山の自産自消グルメを味わい尽くす
変化に富む大地が生んだ豊かな食文化も、マルケの旅の醍醐味です。オリーブやワイン、野菜栽培、家畜の飼育に適し、トリュフの産地としても有名なエリアなのです。
丘陵地帯にある「GELSO」は、敷地内でオーガニック栽培した野菜を使ったシンプルで美味しい料理が自慢。地元の人にも人気のレストランです。
無造作に盛り付けられた料理。手前の豚肉のクリーム煮(11ユーロ/約1,400円)からは、黒トリュフが香ります。さすがトリュフの産地、イタリアでも、ここまで適当にトリュフがかかっているのを初めて見ました。
白ラグーソースの自家製パスタも、ポルチーニのパスタも、野菜のトマト煮も、素材の味が濃くどれも美味しかったです。
夜は、「悪魔のカルボナーラ」が有名なレストラン「DA LORE」へ。
目当てはもちろん、ほぼ全員のお客さんがオーダーするカルボナーラ(9ユーロ/約1,200円)です!
思わず唸ってしまう美味しさ。今まで食べたどのカルボナーラよりも濃厚な奥行きのある味わいです。旨味たっぷりのパンチェッタ以外にも隠し味があるはずですが、レシピは秘密だそうです。
日本で運転していても、今まで海外旅行は電車やツアーだったという方も多いと思います。次はぜひ国際免許を取って、ドライブにも挑戦してみてください。田舎や高速の運転は簡単ですし、きっと、世界が変わります!
※この記事は昨年夏の時期に感染症対策を十分に行った上で取材をしました。
映像ディレクターなどを経験し、ヨーロッパなどを旅した後に、NYに留学。そこで出会ったイタリア人の旦那さんとの結婚を機にミラノに。現在は育児の傍ら、通訳や日本食ケータリングのお仕事もしています。人との距離感やテンション、センスなどミラノの全てが大好き! 記事では街やそこに住む人々の魅力も伝えていきたいです。様々な形で日本とイタリアの橋渡しができればと思っています!
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