SERIAL STORY
2020.11.12
コリコリの季節に「秋鮭」
鮭と長芋の豆乳グラタン
仕事を休むほどではないけど、体がだるい、気持ちがスッキリしない、“なんとなくの不調”ってありますよね。
それ実は、季節や気候の変化が影響しているのかも。 「季節の症状の改善には季節の食材が効果的」という 東洋医学の知恵に基づき、
旬をおいしくとり入れた献立=食養膳をお届けします。 カラダとココロをセルフメンテナンスしていきましょう!
11月後期のカラダとココロ
次第に冷え込みが厳しくなるこの季節は、血液の循環が悪くなり、筋肉も強ばりやすく、腰痛やコリ、月経痛などの痛みが起こりやすくなります。東洋医学では「寒邪(かんじゃ/寒さのこと)」が影響して起こる腰痛は、寝返りができないほど痛みや冷えが強く、温めると楽になり、冷えると悪化する特徴が。「湿邪(しつじゃ/湿気のこと)」が影響した腰痛は重だるい痛みで、雨天時に悪化するなどの特徴があるといわれています。
もともと気血(きけつ)のめぐりが悪い人、足りない人は、さらにめぐりが悪くなって、痛みが起こりやすくなったり、ひどくなったりすることも。この時期から体を温め、気血を補充して流れをよくしておくことが、来るべき冬を元気に過ごす秘訣です。気持ちをリラックスさせて、栄養を補給し、寒さや湿気の影響を受けない体づくりを心がけましょう。
この季節になるべく避けたいもの
コリコリの季節に「秋鮭」
秋の産卵シーズンに東北や北海道沿岸で捕れる白鮭のことを「秋鮭」と呼びます。鮭は、美容と健康に効果的といわれているビタミン類やアスタキサンチン、DHAなどの栄養成分を豊富に含む食材。お腹を温め、胃腸を元気にし、気血の巡りをよくする働きがあるといわれているので、寒さで血流が悪くなりやすい時期の養生にぴったりです。この季節の献立では、気血の巡りを整え、冷えや湿気を追い払う生姜や長ネギを一緒に摂ることをおすすめします。
鮭を使った主菜
鮭と長芋の豆乳グラタン
材料(2人分)
- 生鮭 2切れ
- 塩 少々
- こしょう 少々
- 白ワイン 小さじ2
- 長芋 150g
- 長ネギ 60g
- 油 小さじ1
- 無調整豆乳 140ml
- 味噌 大さじ1/2
- シュレッドチーズ 適宜
冷えた体を温めるように、旬の秋鮭をつかった熱々のレシピです。脂控えめであっさりとした秋鮭の特徴を活かして、こっくりととろみのあるグラタンに仕立てました。滋養強壮作用のある長芋、それから気血の巡りをよくする長ネギを合わせています。牛乳や生クリームの代わりに豆乳を使用、小麦粉の代わりに長芋でとろみがつくので、ヘルシー&低カロリー&グルテンフリー。かくし味に味噌を入れるので、ごはんとの相性もバッチリです。
(カラダとココロ担当) 飛奈光重 Mitsue Tobina
漢方家。大学の薬学部在学中、医療ミスで祖母を亡くした経験から東洋医学と漢方の道へ。卒業後は漢方専門薬局に勤務し、数多くの漢方相談を受けることで臨床経験を積む。2019年「漢方専門 横浜梅桜堂薬局」を開業。婦人病、皮膚病、目の病気の研究に特に力を入れている。漢方歴25年、薬剤師と国際中医師の資格を持つ。
横浜梅桜堂薬局