2026.06.17
【俳優・南沙良】「誰かのため」から「自分のため」に生きる女性を演じて。金髪で挑んだ新境地
2017年のスクリーンデビュー以来、数々の話題作に出演し続けている俳優の南沙良さん。
2026年6月19日(金)に公開される映画『マジカル・シークレット・ツアー』では、貧困家庭で育ち、キャバクラで働く未婚の妊婦という役どころに挑戦しました。
生きづらさを抱えた女性を南さんはどんな風に捉え、演じたのでしょうか。インタビューの後半では休日の過ごし方、今行ってみたい場所についても伺いました。
金密輸事件をモチーフに描く女性たちの逃走劇

——作品は金の密輸で逮捕された実際の事件をもとにオリジナルストーリーで映画化されました。脚本を読んだ段階ではどんなことを感じましたか?
作品に触れるまで事件のことを知らなかったのでこんなことが実際に起こったのかと驚きましたが、どんな作品になるんだろう、という期待感がありました。脚本からも3人の女性がそれぞれの人生を取り戻そうとする疾走感みたいなものを感じました。
——南さんが演じた麻由という人物はキャバクラで働く未婚の妊婦ですが、どんな女性だと捉えましたか?
麻由という女性は毒母に育てられたためか、自分のためではなく、無意識の中で誰かのために生きてきた女性という印象です。でも、有村架純さん演じる和歌子と黒木華さん演じる清恵と出会い、旅をしていく中で自分にも自分の人生があること、自分の人生を生きる大切さに気づいたように感じました。

——麻由を演じる上でどんなことを準備しましたか?
撮影に入る前の台本読みの時、天野千尋監督からそれぞれの役の自己紹介文みたいなものをいただきました。その資料が役を理解する上でかなりのヒントにもなり、助けにもなりました。髪の毛を金髪にすることも監督からのリクエストだったので、形からも麻由になりきることができました。
——ほかに監督からはどんなアドバイスやリクエストがありましたか?
基本的には自由に演じさせていただきました。でも、家族といる時と、和歌子たち仲間といる時の麻由の違いは表現すること、テンションの上げ下げに関しても具体的なアドバイスをもらい、3人のシーンはバランスを見ながら演じることができました。
初めての妊婦役。疑似体験を通して感じたことは?

——3人の中で麻由はどんな存在だと感じましたか?
麻由は私とは違い、3人の中では度胸のある女性だと感じました。自分から進んで行動を起こし、積極的に発言をするタイプです。
——自分とは違うとのことですが、南さん自身はあまり度胸がない?
ないです(笑)。だから登場人物の3人のように、自分で人生を選択して歩んでいくという術を身に付けていきたいです。

——妊婦役は初めてだそうですが、演じてみてどんなことを感じましたか?
わからないことだらけだったのでまずは妊婦さんの疑似体験ができるジャケットのようなものを借りて、自宅でもそれを着けながら生活をしました。お腹が大きいと、何気ない動作も本当に大変なんだと実感しました。
——麻由は貯金ゼロな上に妊娠中と不安でいっぱいだったと思いますが、将来をただただ悲観するわけではなく、明るさと強さも感じました。南さんの中に麻由と同じような感覚はありましたか?
今の世の中は不条理で不平等だと感じています。「正しさ」と「生きること」の間で悩み、気持ちが揺れる一方で、力強く生きていこうとする麻由には共感できる部分が多かったです。
撮影後もシンガポールを堪能。お気に入りのグルメは「ラクサ」

——共演された有村架純さん、黒木華さんの印象も聞かせてください。
有村さんはとにかく穏やかで優しい空気をまとった印象があります。でも芯があり、凛とした雰囲気も持ち合わせているのでその人間性に引き込まれました。黒木さんは姉御肌でかっこいい方という印象です。お芝居中も引っ張ってくれて、頼りになる存在でした。
——シンガポールの撮影でお2人との距離は縮まりましたか?
撮影の前半は国内でのそれぞれの撮影が続いていたので食事に行くタイミングがありませんでした。でも、後半のシンガポールでの撮影では有村さんや黒木さん、スタッフの皆さんと屋台に行ったり、現地の美味しい料理やお酒をご一緒したりできたので楽しかったです。
——シンガポールでのロケで印象に残っているエピソードを教えてください。
実は撮影が終わった後にお休みをもらっていたので、数日間シンガポールを満喫することができたんです。一番印象に残っているのはナイトサファリですね。日中、ユニバーサルスタジオにも行きましたが、もう暑くて暑くて…。滞在中はシンガポールグルメも堪能しました。
——どんな料理が気に入りましたか?
マレーシアやシンガポールを代表する麺料理の「ラクサ」を本場で食べて感動しました。香辛料や果物の酸味が効いたスープが本当に美味しかったです。ますます好きになりました。
フィルムカメラを持って行ってみたい場所とは?

——お休みの日はどんなことをして過ごしていますか?
インドア派ですが、友だちに誘われたら日帰りで出かけたりもします。でも基本はだらんと屍(しかばね)のような感じで過ごすことが多いかもしれません(笑)。
——休日でもセリフを覚えたり、役の準備をしたりと忙しい印象ですが…。
そんな日もありますが、「あぁ、今日も何もできずに終わった…」と悲しみながら一日を終えることが多いです(笑)。

——もし休暇が取れるとしたら国内、国外問わず、どんなところへ行きたいですか?
瀬戸内海にある香川県の「直島」に行きたいです。昔から行きたいと思っているんですが、なかなか行く機会がなくて憧れの地です。
——なぜ直島に行きたいのでしょうか。
幼少期から絵を描くことが好きで、学生時代は美術部に所属していました。直島はアートの島としても有名なのでいろんな作品を見てまわりたいです。フィルムカメラで撮影することが好きなので、島内のアート作品や風景も撮影したいです。
南沙良さんの考える“キレイな人”の条件

——シンガポールにもカメラは持参して共演者さんを撮影したりもしましたか?
カメラは私にとって旅の必需品なので持って行きました。でも、有村さんや黒木さんに声をかけて撮影する勇気はなかったです…。
——今後、海外でフィルムカメラを持って行ってみたい場所はどこでしょう。
トルコの「カッパドキア」に行ってみたいです。熱気球の風景も見てみたいですし、世界遺産になっている国立公園や幻想的な岩石や洞窟の風景を一度見てみたいです。
——最後になりますが、南さんの思う“キレイな人”はどんな人ですか?
そうですね、所作が丁寧な方や、指先がキレイな方を見ると「この方、キレイで素敵だな」と感じます。言葉遣いもキレイで丁寧に過ごしている方にも魅かれますね。

Profile
南沙良
2002年生まれ、東京都出身。2017年に映画『幼な子われらに生まれ』で俳優デビュー。初主演映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(2018年)では、報知映画賞、ブルーリボン賞ほか数々の映画賞を受賞した。近年の出演作に、映画『愛されなくても別に』(主演)、映画『この子は邪悪』(主演)、NHK大河ドラマ『光る君へ』、DMM TVオリジナルドラマ『外道の歌』、ABEMA×Netflixドラマ『わかっていても the shapes of love』などがある。2026年は映画『万事快調<オール・グリーンズ>』、映画『禍禍女』(ゆりやんレトリィバァ監督作品)でともに主演を務める。2026年6月19日(金)に公開される映画『マジカル・シークレット・ツアー』では、貧困家庭で育ち、キャバクラで働く未婚の妊婦という難役に挑戦した。
■映画『マジカル・シークレット・ツアー』作品情報
6月19日(金)より公開。
出演:有村架純 黒木 華 南 沙良 塩野瑛久 青木 柚 斎藤 工
監督:天野千尋
脚本:天野千尋 熊谷まどか
主題歌:椎名林檎「ありあまる富」
公式サイト:https://magicalsecrettour.asmik-ace.co.jp/
スタイリスト/藤井希恵
ヘアメイク/坂本志穂
撮影/渡会春加
取材・文/安田ナナ
<衣装協力>
ジャケット ¥104,500 / IRENISA(イレニサ)
ニット ¥26,400
コードハーネス ¥29,700
スカート ¥52,800 / 共に AOIWANAKA(アオイワナカ)
ネックレス ¥36,300
右耳に付けたイヤーカフ ¥12,100
右手中指に付けたリング ¥11,000 / 共に JUSTINE CLENQUET(ジュスティーヌ クランケ)
ニットの下に着たインナーキャミソール
シューズ / 共にスタイリスト私物
AOIWANAKA / info@aoiwanaka.com
IRENISA、JUSTINE CLENQUET / THE WALL SHOWROOM 050-3802-5577
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