2025.11.24
北海道在住アナウンサーによる、本当におすすめしたいラーメン店6選
元TBSアナウンサーで、現在は故郷・札幌を拠点にフリーアナウンサーや文筆家としてご活躍のアンヌ遙香さんによる連載「now HOKKAIDO by Anne Haruka」。
今回はアンヌさんが選ぶ「本当におすすめしたいラーメン店6選」! アンヌさんの熱量溢れる文章をお届けします。
第十九回のテーマは…「おすすめのラーメン店6選」
故郷北海道に20年ぶりに拠点を戻して2年目。こちらに帰ってきて、明らかに自分は「ラーメン好き」になりました。
北海道といえばジンギスカン、お寿司、スープカレー、乳製品、そしてラーメン、というイメージをお持ちの方が多いでしょうし、私自身、街を歩いていても「ラーメン屋さんが目立つな!」という印象をいだきます。
2024年6月28日付の「日本経済新聞」によれば、北海道のラーメン店数は東京都に次いで全国2位なんだそう。東京といえば飲食店の密集具合は桁違いとなっていますので、その東京に続いて北海道のラーメン店数が2位と聞けば、相当の数であることが想像に難くないでしょう。
札幌や旭川、函館など地域ごとに特色あるラーメンが根付き、有名店はカップ麺などで商品化され全国で販売される人気ぶり。空港にも、すすきのにも、ショッピングモールにも、「ラーメン横丁」的な場所は欠かせないものとなっています。
そしてこれは私の持論となりますが、北海道はとにかく「どこで何を食べても必ず美味しい」。スーパーのお惣菜ひとつとっても本当に食材が新鮮で、味付けが洗練されていて、「こんなに美味しいの?」とびっくりしたほど。
ラーメン屋さんという観点でも、食材の良さも相まって、とにかくどこのお店も美味しすぎる! これから本格的な雪のシーズンに入りますが、ビールとラーメンだけでも身心ともにあたたまり、とんでもない幸せ感に包まれる…。
私は決してグルメではありませんし、ラーメン評論家でもありません。
でも、そんな私が純粋に「ここはお勧めしたい!」と思えたラーメン店6選を特別にご紹介します。
数ある名店を食べ歩いていますが、選びきれないというのが本音。第二弾を早めにご期待ください(笑)。
■白樺山荘

北海道といえば味噌ラーメン! 道内だけでも何店舗か展開されている「白樺山荘」は、オーソドックスな味噌ラーメンをまずは楽しみたいなら、絶対間違いない名店です。私のおすすめは真駒内本店。山荘を思わせる外観、そして内装が「北海道らしさ」を演出します。
実は、私が北海道に帰ってきて一番最初にひとりラーメンをしたのは、こちらの白樺山荘。一人で噛みしめる味噌ラーメンのおいしさに開眼した、私にとっての記念すべきお店。人気No.1は味噌チャーシュー麺。

白糀味噌と白味噌をブレンドし、ゴマ油、オイスターソース、にんにくなど厳選したさまざまな食材を合わせた奥深いスープにうっとり。「濃厚だがくどくない、極上の一杯」とホームページに記載されていますが、まさしくその通り。
そして私のお気に入りポイントは、「かごに山盛りになったゆで卵がいくつでも食べ放題である」ということ! そんな太っ腹あります?! 私はラーメンが到着する前に、塩を駆使して2つゆで卵を平らげ、ラーメンが到着した後には、美味しいスープにゆで卵を浸してさらに2つ完食。合計4個ものゆで卵を美味しくいただいたのでした! もう最高!
私にとっての「ラーメン魂の故郷」でもある、白樺山荘です。
■らあめん新(あらた)

私が「らあめん新(あらた)」でおすすめなのは、ユッケジャンラーメン。特性味噌黒(ブラック)も美味しいですが、私も友人も、「あそこのユッケジャンラーメンいいよね!」と頷きあったほど。

味のカスタマイズができ、私は溶き卵を入れて少しだけ辛さをマイルドにします。辛みのみではない旨味、不思議な甘味などが詰まった赤い濃厚スープは、食べたそばからもう癖になります。普段から特に辛いもの好き、というわけではない私もあの味が恋しくなるのです。私は狸小路にできた新店舗にお邪魔しましたが、小さなお子さん連れの友人も問題なく入店できました。

美味しい餃子もシェア。辛いラーメンで身体を十分に温めてから、雪まつりにくりだす、なんてプランもよいかも!
辛いラーメンが食べたい、という方にはこちらの一杯をおすすめします。
■らぁめん千寿

札幌のテレビ局員が太鼓判を押す隠れた名店「らぁめん千寿」。ビジネス街のビル地下にあるので店内の雰囲気がどのようなものなのかがわからずドキドキしながら入りましたが、この濃厚味噌ラーメンの満足感はすごい!
実はこちら、札幌のテレビ局STVのすぐ目と鼻の先。私が毎週土曜日に出演している「どさんこweekend」を制作している局でして、STV社員さんやスタッフさんに「おすすめのラーメン屋さんはどちらですか?」と聞いたところ、多くの方が口をそろえて「千寿はいい! 美味しい! でも並ぶかも!」と教えてくれたのです。
ランチ時には並ぶのが当たり前の様子。私は14時くらいにお邪魔したのですんなり入れました。店内のカウンターに座ればとんでもない懐かしさと落ち着く感覚が。

昔ながらの「ザ・濃厚味噌ラーメン」にひたすら向き合いたい! 濃ゆい味わいの濃密スープをしっかり味わって、がっつり味噌ラーメンを食べたい! というあなた、外せないと思います。とろみがあって濃厚なスープは豚骨を中心に豚足や白菜などを煮込んで作るんだそう!
私はかなり満足してごちそうさまをしました。味付けもしっかりしているので、おなかいっぱいの時間が長く続きますよ。観光で訪れた方がこのお店を知っていたら、結構ツウかも!?
■IOrI(いおり)

味噌ラーメンの名店、いわゆる「純すみ(名店純連とすみれをルーツとするラーメン店の総称)」系の行列覚悟の名店「IOrI(いおり)」。札幌市内ではなく、こちらは千歳市内にお店を構えており、新千歳空港からも比較的近い場所にあります。
大変あたらしくキレイな店内で、壁には数々の著名人のサインが!
並ぶことはマスト、と思っていたほうがよいですが、回転はかなりはやい印象。
私も普段ラーメンにはあまり並び慣れてないのですが、すんなり行列が進んで「あっ、このくらいなら全然並んでいいかも!?」と思えました。

濃厚でこく深い味噌ラーメン、私はその香りの良さにとにかくびっくり。
もやしをはじめとした野菜もたっぷりのっていて、「ラーメンってたくさん野菜が摂れるし、ヘルシーかも!?」と思うほど。実際はスープ表面にラードの膜がのっているわけですが、香ばしさに食欲が刺激され、普段食の細い私でも、チャーハンとともに完食! 新千歳空港を利用する前後にチャレンジしてみるのもおすすめ。
■とりたまファーム

まわりには美しい山々、広々とした農場があり、おしゃれな一軒家カフェ風のラーメン店と、「コッコテラス」というスイーツを楽しめる建物があり、とにかく雰囲気が最高の、注目の新店「とりたまファーム」。
この日はラーメンをいただくまでに数十分待つことになりましたが、ポータブル呼び出し機器を貸してくださるので、スイーツを食べながら、車で音楽を聴きながら、のびのびと待たせていただきました。私は「のめるプリン」なるものを楽しみながら待ちましたが、養鶏場ならではの濃い卵の風味とキャラメルのハーモニーが最高。
そうこうしているうちに順番が回ってきました。
明るくおしゃれな店内はカウンターもあればテーブル席もあり、キレイ!

今回私がチョイスしたのは「メレンゲTKM(卵かけ麺)」というインパクト抜群のメニュー! 平太卵麺の上にふわっふわっのメレンゲがこんもり。そしてその上には輝かんばかりの卵黄が載っており、この外観に、もう期待感しかありません。
はやる気持ちを抑えて、「8回混ぜる」のがポイントとのこと。濃いめのたれと、メレンゲのほんわり感がマッチし、一口で「美味しーい!」と感動。途中の味変では「ハラペーニョ酢」なるものをおすすめしていただいたので、それをかけると今度は不思議なさっぱり感。
最後はライスを追加して、残ったタレに混ぜて食べきる、というのもおすすめのようでしたが、私はテーブルの上に置かれた新鮮な生卵をどうしても卵かけご飯にして食べたかったので、卵かけご飯専用醤油と合わせて、養鶏場ならではの、鶏を満喫するメニューにひたりました。

ちなみに、味噌泡鶏白湯と、炙りチャーシュー丼もチェック済み。鶏白湯には蝦ワンタンまで入っている贅沢さ。道外からいらした方が札幌市清田区まで足を延ばすのはなかなかないかもしれませんが、この一杯だけのために向かう価値のあるラーメンです。
■札幌南区役所の食堂

この情報はなかなか道外に出ないのではないでしょうか? 北海道出身、在住の私だからこそおすすめできる特別な一杯といえるでしょう。
実は道内の各お役所の食堂は安く、早く、そして美味しいものが充実していると評判。というのもやはり食材が豊富な土地柄。地産地消の地元グルメを地元のみなさんに還元を、という考え方があるのかもしれません。
札幌南区は、札幌市のなかでも山沿いの、自然豊かな土地柄。定山渓温泉も南区にありますので、私の幼い頃に比べてインバウンドの方が最寄り駅真駒内駅にも増えたなという印象です。
でも! この南区役所の食堂にまでいらっしゃる観光客の方はいないでしょう。

食堂内のこの懐かしい空気感、ガラスのショーケースのノスタルジックな雰囲気。幼い頃の「お役所の食堂」イメージがそのまま息づいていて、それだけでたまらない。
この日の私は味噌ラーメンを選択。食券制ですので券を渡して数分待ち、目の前に現れたのは想像以上に本格的で美味しそうな一杯! ここ区役所だよね!?

濃厚で香ばしいスープの上には大きなチャーシューまで。細麺のちぢれ麺に、しょうがの香りがほんのり香るスープが上手くからまり、まさしく「ラーメン屋さんの味噌ラーメン」! こんなに美味しいのを出してくれるなんてすごくない? 大丈夫? と。しかもなかなかリーズナブルよ!? と無駄な心配をしたくなるほど。

南区役所名物は「ザンタレ定食」というものだそう。食堂の一角に豆板醤やマヨネーズが置いてありすごいなと感心していたのですが、これはザンタレ定食用の調味料とのこと。かなりこだわりがあるメニューらしく、次の楽しみができてしまいました。
といってもなかなかお役所って来ないんだけどね…お役所グルメめぐり、ちょっとやってみたくなった出会いでした。
さて、私の独断と偏見によりますが、札幌にいらっしゃる方には十中八九おすすめラーメン店を聞かれますので、ぜひご参考に! 第二弾、お楽しみに。
Profile
アンヌ遙香
1985年生まれ。北海道出身。2010年より小林悠名義でTBSでアナウンサーに。現在は札幌を拠点にフリーアナウンサー、文筆家、スクール講師などとして活動している。ゴールデンレトリバーの愛犬と仏像をこよなく愛す。
Instagram:@aromatherapyanne
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