2026.01.16
バレンシアのソーホー!?地元民が愛するルサファ地区で旅暮らし
スペイン南部にある、第三の都市・バレンシア。ルサファ(Russafa)は、アーティスティックでヒップな雰囲気が漂う、バレンシアの中でも特に注目されている地区。「バレンシアのソーホー」とも呼ばれています。
日中はのんびり、夜は活気づくので一日かけてゆっくり回るのも、また滞在の拠点にするのもおすすめです。歴史と現代が融合した、独特のバイブに心地よさを感じるはず!
今回は、そんなルサファで暮らすように旅した筆者が、見どころを紹介します。
今一番気になる地区、ルサファとは

バレンシアは8世紀から13世紀まで、約500年以上ものあいだイスラム教徒の支配下にありました。
現在のルサファ地区はイスラム教徒の貴族たちが、郊外に別荘と美しい庭園をいくつも作った場所。ルサファという名前は、それらの庭園を意味するアラビア語「ラハル(raḥal)」が由来です。
今ではバレンシアでもっともホットな地区となり、現代のストリートアート、ヴィンテージショップ、カフェ、バーやナイトライフの中心地として知られています。バレンシアの中心部からも徒歩圏内、さらにコンパクトなので徒歩や自転車で回りやすいのも特徴です。
観光客向けというより、移民や長期滞在者とローカルが暮らす、国際色豊かでボヘミアンな雰囲気です。
華やかな街の入口「ノルテ駅 」から

ルサファを訪れるなら、近郊線や中距離線が主に発着する「バレンシア・ノルテ駅(Estació del Nord de València)」からスタートしましょう。
厳密には、駅はルサファの北隣にあるExtramurs地区に位置しますが、地元の人や観光客から「ルサファの玄関口」と呼ばれ、見逃せない観光スポットとなっています。
というのもこの駅自体が、1917年に完成したバレンシアを代表するモダニズム建築の傑作。オレンジや陶器の装飾、ワシの彫刻など、到着した瞬間から気分が上がること間違いありません。


ホールから構内までも美しいのですが、駅に向かって右手にある「モザイクの間(Sala de Mosaicos)」は必見です。かつて高級待合室やカフェテリアとして使われていたスペースで、バレンシアらしいモザイクと陶器の装飾が圧巻です。
今は一般公開され、誰でも自由に入れる展示スペースになっています。

さて駅を出たら、南へまっすぐ歩くこと5~10分。いつの間にかルサファの空気に包まれているのに気づくはずです。
地元の鼓動を感じる「ルサファ市場 」

1950年代に建てられた、活気のある伝統的な市場。街の中心にあり、そのユニークな外観は地域のランドマークです。中には新鮮な野菜・果物・魚・肉はもちろん、ハモン・イベリコの香りが漂う生ハム屋さんなど、160軒以上の店が並んでいます。
バレンシア市場が観光客向けだとすると、ルサファ市場は地元民向け。彼らの生活の中心にあり、交流の場でもあるようです。常連さんらしき人がおしゃべりをしながら野菜や果物を買う姿など、日常生活が垣間見えます。彼らに混ざって、ローカル気分を味わいながら買い物してみては。


右:ステンドグラスでルサファの文字が
ストリートアートとカラフルな街並み

ルサファを歩いていると、突然視界に飛び込んでくるのが地元アーティストや海外クリエイターによる色鮮やかな壁画。まるで街全体が巨大な野外ギャラリーのよう! ストリートアートには社会風刺や女性へのエンパワーメントを込めて描かれたものが多く、興味深いですね。
散策するなら、日曜の午前中が狙いめです。シャッターが閉まっている店も多いため、よりたくさんのアートを目にすることができますよ。


右:アートに混ざって、アンダーグラウンドなグラフィティも混在するのがルサファらしさ
国や地域によっては治安の悪化を示唆するグラフィティですが、ルサファだとなぜかアート作品に見えてくるから不思議です。
ヴィンテージショップは個性の宝庫
ルサファ地区を歩いていて、特に多いのがヴィンテージショップ。地元デザイナーの一点物に出会えるのも、ヴィンテージショップの魅力。古着やそれらを使ってアレンジされた個性的なファッションが、ショーウィンドーを飾っています。


キロ売りのヴィンテージ服やファッション雑貨がところ狭しと並ぶFlamingos Vintage Kiloや、アップサイクルファッションやレトロアイテムに力を入れるReborn Vintage Boutiqueなど、個性豊かな店がたくさんあるので好みの店を見つけてみて。
●bobbin circular

「循環型ワードローブ」をコンセプトにした、ルサファの新星。古着の販売・買取り・交換ができ、まさにこれからの古着店の新しいカタチを表現したサステナブルなショップです。
店内は洗練されたセレクトが多く、古着に慣れていない人でも買い物を楽しめます。


右:じっくり買い物ができる落ち着いた店内
実際、筆者もここでグリーンのシャツと、グレーの鍵あみニットを購入。秋冬に入ったバレンシアの街で重宝しました。
カフェ好きにはたまらない競合地区
ルサファはバレンシア随一のカフェ激戦区。スペシャルティコーヒー、ブランチ、アートな内装と、それぞれの強みを生かしたカフェがそこかしこに存在。カフェ好きにはたまらない環境です。
そのなかから、特におすすめのカフェがこちらです。
●BLUEBELL Coffee

2015年にオープンした、スペシャリティコーヒーのパイオニア。バレンシアにて女性ロースターが手がける豆としても知られています。またコロンビアやエチオピアなどの豆を、トレーサブルかつフェアな価格で買いつけるなど、環境に優しい栽培を支え続けているのです。


右:TOSTADA DE TOMATE 3.5EUR にJAMÓN 3EUR を追加
今回はカプチーノとハモンセラーノのトーストで、ブランチに。
さすが豆と焙煎にこだわっているだけあり、ブルーベルのカプチーノは豆の風味がミルクのなかでもしっかり感じられて美味しい。ハモンセラーノの乗ったトーストには、ベースにバレンシアらしくすり下ろしたトマトがたっぷり! ハモンは脂っこさもなく、噛み締めるほど口の中に旨みが広まります。
スタッフの方の対応もとても温かく、印象に残るカフェ時間になりました。
>>BLUEBELL Coffee
●Ubik Café Ruzafa

書店、カフェ、ギャラリー、音楽会場が融合した、ルサファのカフェを代表する人気スポット。
クリエイティブな人々が集う「サードプレイス」で、ルサファの社交場でもあります。アカデミックな雰囲気も心地よく、コーヒーと本をお供に過ごしたくなるはず。
ウビク・カフェは夜まで賑わうのですが、ブランチもおすすめです。


メイン、マフィン、ドリンクとオレンジジュースがセットで、10EURとリーズナブル!
伝統的なメニューにアレンジを加えたメインの中から、今回はハモンがメインのグリルされたズッキーニとチーズ入りクロワッサン(トーストも選択可)、そしてマフィンはジャム(チョコレートも選択可)を選びました。
バレンシア名物のオレンジジュースはキリッと酸味が効いた、素朴でフレッシュな一杯。
クロワッサンはズッキーニの甘みとハモンの塩気、チーズのコクが絶妙にマッチして、一口ごとに幸せが広がります。マフィンはジャムの甘さがちょうどいいアクセントに。
素材の良さ、調味料の繊細さ、盛り付けのセンス…全てが洗練されていて、10EURとは思えない満足感でした。
>>Ubik Café
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バレンシアのルサファ地区を、一か月弱滞在した筆者の視点から紹介しました。
拠点として何日か滞在すると、今回紹介し切れなかったナイトライフと昼の静けさのギャップや、現地の人の日常も垣間見ることができるはず。ルサファで、ローカルに溶け込むような旅を!
※情報は取材時(2025年11月)のものです

暮らすように旅する、自然派ライター。世界一周を含む4年の旅の後、オーストラリアに移住し、約7年暮らす。2023年、東南アジア中心のノマド暮らしを経て、2025年よりフリーダイビングをしつつ、世界二週目中。ライターとしては旅行誌の広告制作を経て、雑誌広告や編集ページを執筆。そして現在は主にwebメディアで、旅はもちろん自然に沿った生き方を実践し、地球と体に優しい生き方のヒントを発信しています。
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