【俳優・月城かなと】「ルーティンをつくらず、無理をしない」が美の秘訣
INTERVIEW

2025.11.17

【俳優・月城かなと】「ルーティンをつくらず、無理をしない」が美の秘訣

2024年7月に宝塚歌劇団を退団した月組の元トップスター・月城かなとさん。退団後はドラマ出演や映画の吹き替え、バラエティー番組への出演など、新たな場所で輝き続けています。

現在放送中のドラマ「終幕のロンド-もう二度と、会えないあなたに-」(カンテレ・フジテレビ系)にも出演しており、ストーリーに欠かせない役を演じ話題に。

さらなる活躍が期待される月城さんに、宝塚歌劇団を退団後の新しい生活のことから美容や旅についてお話を伺いました。

急に時間ができたら、短時間でも余暇を楽しみたい

――退団から1年以上が過ぎました。ご自身の生活のなかで、どんなところに1番の変化を感じますか?

そこまで大きくは変わっていませんが、お仕事への向き合い方には変化を感じます。これまでお客さまに最高のパフォーマンスを届けるために、毎日同じ状態をキープすることに集中していました。自分の体調や喉の調子にも敏感でした。でも今は“その日”“その瞬間”によってお仕事の内容が変わるので、以前よりは肩の力を抜いてお仕事に向き合えています。

――生活スタイルの変化は感じていますか?

宝塚時代は、かなり先までスケジュールが決まっていました。でも今は突然スケジュールが変更になることもあるので、そんな時は何をしたらいいのか戸惑います(笑)。

――今後、ぱっと時間ができたらどんな風にして過ごしたいですか?

今までイレギュラーなことはしないようにしてきたので、急にお休みになると「どうしよう…」と本当に考えてしまうんですよね。共演者の方々に急な休みができたらどうしているか聞いてみたところ、1日でも空いたら日帰りで遊びに行く、2日空けば温泉旅行に行くとおっしゃっている方もいました。私もこれからは時間ができたら、さっと動ける行動力を身につけたいなと思っています。

やったことがないことも躊躇せずに「まずはやってみる」

――退団後は映画「白雪姫」の吹き替えや、ドラマ「キャスター」「終幕のロンド」のご出演と、お仕事が続いています。

退団後、これからどんな風に生きていくかを考えた時に今まで自分がやっていない分野にどんどん挑戦したいという気持ちがあったので、毎日楽しく過ごしています。どんなこともお芝居につながるような気がしているので、お仕事の幅を広げる意味でもいろんなジャンルに挑戦していきたいですね。

――宝塚時代と今のお仕事では発声や身体の使い方、また向き合い方も異なるのでは? と想像していますがいかがですか?

たしかに発声方法、身体の使い方、メンタル面などあらゆることがこれまでと違います。やったことがないジャンルのお仕事は結果の想像がつきませんが、だからこそ「まずはやってみる」という感覚を大事にしています。やってみると「なるほど、こういう風になるんだ、じゃあ次はこうしてみよう」と、感覚が少しずつわかってくるので、まずはやってみる、です。

――退団前に思い描いていた退団後の生活と、現在の生活にギャップはありますか?

退団前、退団後どちらがいいということではなく、今は今でとっても楽しい毎日を過ごしているので特にギャップは感じていません。退団前は自分のルーティンがしっかりありましたが、それを崩したくないということも特にないんです。今は新しいことへの挑戦が楽しみで、例えば地方にロケに行くなどこれまではなかったのでワクワクしますし、臨機応変にその場を楽しんでいます。実は今のようなお仕事の形態も自分に合ってると、新たな自分に驚いています。

――今後やってみたいお仕事はどんなことでしょうか。

今回撮影させてもらった「星のや東京」さんのような建物や歴史的建造物、美術館など建築物を見ることが好きなので、さまざまな建築を紹介したり、ファッションとからめてそれぞれの魅力をお伝えするようなことができたらいいなと思っています。

ドラマの現場では、余白と柔軟性を大事に

――この1年でドラマの撮影現場での経験も積まれていますが、どんなことを感じていますか? 

退団後、ドラマは3つの作品に出演しましたが、作品によって現場の雰囲気や空気感が違うということを実感しています。当然ながら作品ごとに一緒にお仕事する人が変化するので、今の現場の空気感は今しかないんだと噛みしめながら、撮影を楽しんでいます。

――現在放送中の「終幕のロンド」の現場の雰囲気はどうでしたか?

ドラマをご覧になってくださっている方は、私が演じる御厨彩芽の家族、御厨家はなかなかクセが強めだなと感じるかもしれません。ヒリヒリとする場面もありますが、草彅剛さんはじめ、中村ゆりさん、みなさん本当に穏やかで優しい方たちでした。

――月城さん演じる彩芽は一見すると中村ゆりさん演じる真琴の味方であるようで、どこかミステリアスな印象も…。

撮影に入る前はどんな風に演じるか考えましたが、逆に決めすぎないほうがいいのかなと思って撮影に臨みました。舞台のように何度も何度もお稽古をして…というわけではないので、監督からの言葉に柔軟に対応できる状態でいようと心がけています。とにかく毎回勉強になることばかりです。

――宝塚の舞台とドラマの役柄には大きな違いがあると思いますが、どんなことを意識して役作りをされましたか?

舞台では演じる自分が結末を知った上で演じていました。有名な作品であればお客様も筋書きをご存じです。でも、ドラマの場合は、結末を知らない状態でご覧になると思うので、余白を持たせて演じられるように努めています。観てくださっている方が毎回ハラハラドキドキしながら、そして想像しながら楽しんでくれていたら嬉しいです。

――これまで演じたドラマでは凛とした女性を演じていらっしゃいます。月城さんの印象からそういった役柄を演じる機会がこれまでも、これからも多いのではないかなと思いますが、ご自身とのギャップはありますか?

たしかに今回の彩芽役も「キャスター」の時の小池奈美役も、凛とした女性のイメージかもしれませんが、実際の私とは違う気がします。周りの方からは、「話すとイメージと違うね」と言われることも多いです。私は決断は早い性格ですが、こだわりは強くないのでこれまでの役とはだいぶ違うかな。

美容と健康の秘訣は自分に縛りをつけず、あくまでも自然体に

――次に美容に関することも聞かせてください。毎日欠かさず行っている美容ルーティンはありますか?

毎日これをしています、あれもしていますと言えればいいのですが、美容に関してのルーティンは特にないです。でも、バスタイムはシャワーで済まさないで湯船につかるようにはしています。単純に身体を温めたいという理由と、昔から湯船に浸からないとその日の疲れが取れない気がしています。一日の疲れをほぐし、リラックスできるので大事な時間です。

――入浴剤は使うタイプですか?

その日の気分ですね。もともとどんなことに対しても「これでないとダメ!」という強いこだわりがないので、あくまでもその日、自分がしたいことに正直に向き合っているタイプです。だから入浴剤もその日の気分で選んでいます。

――健康や体型維持のために気を付けていることがあれば教えてください。

それは必死にやっています(笑)。時間がある時にピラティスに行っています。ジムだと力が入ってしまいますが、ピラティスだといらない力が抜けていくような気がして気に入っています。気分転換を兼ねて、ストレスがない範囲で体力をつけています。

――気分転換という言葉が出ましたが、気分転換に音楽は聴かれますか?

リラックスしたい時に聴きますが、人の声が入っていると気になってしまうので、心地の良い自然音をBGMにすることが多いです。でもそれも気分によりけりですね。ルールに縛られないことが私の気分転換、ストレス解消法かもしれません。

――食事に関してはどうですか?

できる時は自炊で栄養管理もします。その自炊もすごくこだわる時とそうでない時とありますが、ハマると食材選びからこだわって作ります。そしてまた忙しくなると、パタッと止まってしまいますが時間に余裕ができたらまた作る…というふうに、食事に関しても無理はしないスタンスですね。

これからは旅にも貪欲に!いろんなところに行ってみたい

――これまで印象に残っている旅先について教えてください。

小さい頃、家族で訪れたトルコとベトナムですね。きっと両国とも街の雰囲気がすっかり変わっているんだろうなと思います。だからその変化を自分の目で見て確かめてみたいです。昔は見られた遺跡なども、今は制限されてしまって見られない場所もあると聞きました。だから旅は、行けるうちに行っておかないと! と思っています。

――では、これから行ってみたい場所はどこでしょうか?

ヨーロッパです。時間をかけてヨーロッパをまわってみたいです。とくにウィーンに行ってみたいです。行く前にはしっかり歴史の知識を自分の中に落とし込んでからじっくりまわりたいですね。これまで海外でのお仕事はなかったので、いつか海外でもお仕事ができたらいいなと思っています。

――国内で気になるところはありますか?

北海道のニセコに手つかずの大自然の中にひっそりと佇む隠れ家のようなお宿があるんですが、そこに行ってみたいです。雪の時期の北海道に行ったことがないので、思いっきり白銀の世界を満喫したいです。

――宝塚に入ってからは休みごとにあちこち旅行に行けるような環境ではなかったと思うので、旅を満喫されるのはこれからですね。

そうですね。今はお仕事を優先にしていますが、スケジュールを見ながらプライベートでゆっくり旅行に行けたらいいなと思っています。

Profile
月城かなと
1990年12月31日生まれ。神奈川県出身。2009年に宝塚歌劇団に95期生として入団する。2021年に月組トップスターに就任。2024年7月に「ミュージカル・ロマン『Eternal Voice 消え残る想い』」「レビュー・アニバーサリー『Grande TAKARAZUKA 110!』」で宝塚歌劇団を退団。
2025年4月期放送のドラマ「キャスター」で連続ドラマ初出演をはたす。現在は放送中のドラマ「終幕のロンド-もう二度と、会えないあなたに-」に出演中。

■「終幕のロンド-もう二度と、会えないあなたに-」
毎週月曜、夜10時より放送
出演:草彅剛 中村ゆり
八木莉可子 塩野瑛久 長井短 小澤竜心 石山順征 永瀬矢紘 /要潤 国仲涼子 古川雄大 月城かなと / 大島蓉子 小柳ルミ子 村上弘明 中村雅俊 風吹ジュン
主題歌:「幸せってなに?」千葉雄喜(Warner Music Japan)
脚本:高橋美幸
演出:宝来忠昭 洞功二
演出・プロデューサー:三宅喜重

<衣装>
ベスト¥49,500、パンツ¥39,600(muller of yoshiokubo)、ブラウス¥15,400(FOURAM)、イヤーカフ<左>¥29,700、イヤーカフ<右> ¥29,700、ネックレス ¥165,000、リング ¥46,200(carat a/ISETAN SALONE TOKYO)、シューズ¥59,400(PELLICO/AMAN)
お問い合わせ:AMAN 03-6418-5889
FOURAM info@fouram.jp
muller of yoshiokubo 03-3794-4037
ISETAN SALONE TOKYO 03-6434-7975

スタイリスト/青木千加子
ヘアメイク/野田智子
撮影/須田卓馬
取材・文/安田ナナ
撮影協力/星のや東京

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