東京で、ローカル香港飲茶を味わえる茶餐廳2選
FOOD

2025.10.22

東京で、ローカル香港飲茶を味わえる茶餐廳2選

香港の名物といえば、飲茶文化。旅人や商人の休憩所として唐代に広東地方で始まり、香港では20世紀初頭のイギリス統治時代に発展。飲茶が提供される茶餐廳(チャーチャンテン)は、朝から晩まで多くの人が集う、憩いの場となったそう。中国の点心とイギリスのアフタヌーンティーが融合した「飲茶」は、新な食文化を生み出し、その多様性と美味しさは香港人のソウルフードとして根付いています。

そんな香港のローカル飲茶を東京で楽しめる茶餐廳を発見。雰囲気も味も本格派のお店で、香港へトリップした気分を味わえる2店舗をご紹介します。

【香港傳奇】レトロなカップやグッズも。香港ファンが集う湯島の名店

まず最初に訪れたのは、本格的な飲茶が食べられると評判の、「香港傳奇(ホンコンチャンキ)湯島店」。香港や中国の方はもちろん、全国から香港ファンが訪れることでも有名です。

店内は清潔感があり、家庭的な雰囲気。大型テレビでは、中国のテレビ番組が流れていてローカル感たっぷり。

厨房の前に飾ってあるのは、1940年から香港で販売されている、「黒白淡奶(BLACK & WHITE)」のエバミルクとティーカップ&ソーサー。伝統的な香港式ミルクティーには欠かせないセットで、こちらのお店では現地と同じく、このカップでミルクティーが飲めるということで期待が高まります。

「點心紙」使用のオーダー方法も香港式

料理のオーダーは、「點心紙」(ディムサム紙)と呼ばれるオーダーシートで。點心紙は、香港の飲茶を効率的に楽しむためのシンプルなツールとして生まれ、今でも伝統的な飲茶を提供するお店では使用されています。

腸粉、海老蒸し餃子、蜜汁叉焼麺など本格飲茶に感動!

こちらは、大人気の「黄ニラ海老腸粉」(870円)。腸粉とは、米粉の生地を蒸して作る、蒸しクレープのようなもの。プルプルとしたもちもち食感の皮に、黄ニラの独特な甘みとシャキシャキ感、海老のプリプリした食感が加わり絶品! 

海鮮豊富な広東から発祥した「海老入り蒸し餃子」(750円)も、飲茶の人気メニューのひとつ。本格的な蒸篭で蒸された熱々の蒸し餃子はぷるっとした弾力が魅力です。

香港の麺といえば、細く縮れた卵麺。この麺に甘い叉焼を乗せたものが「蜜汁叉焼麺」(1220円)。透き通ったスープはあっさりしていて、麺も軽く、叉焼の食べ応えがありながらもペロリと食べられます。

香港無形文化遺産にも登録された、港式ミルクティー

そして、ぜひ一度は試してほしいのが港式ミルクティー(ホット 430円)。香港のミルクティーは、イギリス統治時代の食文化の象徴として、2014年に香港の無形文化遺産に登録。牛乳ではなく、エバミルクやコンデンスミルクを使用した濃厚な味わいが特徴です。私が数十年前、香港の茶餐廳で朝食を食べたときに、新聞を読みながら出勤前のおじさんたちがコーヒーではなく全員ミルクティーを飲んでいたのが印象深い光景でした。

あつあつパンに冷たいバターがとろける菠蘿包

港式ミルクティーに合わせて食べたいのが、香港人の代表的なおやつ、菠蘿包(ポーローパウ )(440円)。ふわっとした柔らかいパン生地の上に、ザクザクとしたクッキー生地が乗った二層構造で、日本のメロンパンのよう。やさしい甘さの焼き立てパンの中には、冷たいバターがたっぷり。ほどよくとろけたバターとふわふわしっとり生地のマリアージュがたまらない美味しさ! 濃厚な苦みのミルクティーと相性ぴったりなのです。

お食事系飲茶から、伝統的なカップに入った港式ミルクティーなど、香港ムードをディープに楽しめるお店。販売しているオリジナルグッズも要チェックです!

■香港傳奇 湯島店 (ホンコンデンキ)
所在地:住所東京都文京区湯島3-34-8 1F
電話番号:03-6806-0157
アクセス:湯島駅から徒歩2分、上野御徒町駅・仲御徒町駅から徒歩7分
営業時間:11:00~21:00(LO 20:25)

【香港贊記茶餐廳】本場の香港式フレンチトーストを食べるならここ!

次に訪れたのは、赤坂駅から徒歩2分のところにある「香港贊記茶餐廳 赤坂店(ホンコンチャンキーチャチャンテン)」。クラシカルな石造りのビルに、ローカル感あふれる赤が基調の外観です。

こじんまりとしながらも、清潔感のある店内。11時半の開店と同時に来ましたが、12時にはいっぱいに。人気店なので、予約をしておくと安心です。

懐かしき香港を映した壁紙が雰囲気満点!

奥のソファー席の上にある壁には、70年代~90年代の香港の街並みを映した写真が。ビルからせり出た看板は、数年前にほぼすべて取り壊され、今は無き光景。料理をいただきながら、古き良き香港に想いをはせるのも楽しい!

香港で長年愛されるインスタントラーメン「出前一丁」

メニューを見ていたら、発見したのが「出前一丁」を使用した焼きそば。(汁なし麺 1100円)。なんと、香港の国民食の一つであるのが、日本でおなじみ「出前一丁」のインスタントラーメン。1970年代に香港に登場してから、家庭でも飲食店でも親しまれてきたそう。ハムやパプリカ、ピーマン、もやしを入れて炒めた焼きそばは、どこか懐かしい味わい。

ドリンク付きの飲茶セットはたっぷりのボリューム!

メニューが豊富で迷ってしまう! という方は、ドリンクつきの飲茶セット(1630円)もオススメ。その時々で内容は違うのですが、今回は4種の点心、湯葉巻き、スープがセットでした。ボリュームたっぷりで、ランチにぴったり。

ドリンクは、港式ミルクティーとレモンティーを

セットドリンクは、アイスの港式ミルクティーをセレクト。くまの形の氷にキュン♡ 追加で港式レモンティーも注文。こちらは、濃い紅茶に新鮮なレモンスライスと砂糖を加え、氷で冷やしたスタイル。さっぱりとした爽快感のある味わいが、油を多く使った中華料理にベストマッチ。

外カリカリ、中しっとりの香港風フレンチトースト

そして、今回の一番のお目当てが、香港式フレンチトースト(港式法蘭西多士)。一般的なフレンチトーストは、卵液につけた食パンを焼くのですが、香港式は油で揚げるのが特徴。外側はカリカリで黄金色の食感に仕上がります。フィリングはピーナッツトーストと自家製カヤジャムの2種類があり、カヤジャムをセレクト。

こちらの自家製カヤジャムは、パンダリーフとココナッツミルクを煮詰めて作ったもので、バニラのようなやさしい風味。じゅわっと蜜がかかったカリカリのトーストと、とろけるミルキーなジャムのハーモニーがたまらない! 幸せな背徳の味です。

■香港贊記茶餐廳 赤坂店(ホンコンチャンキーチャチャンテン)
住所:東京都港区赤坂3-9-12 メトロビル 1F
電話番号:03-5561-8680
アクセス:赤坂見附駅 徒歩1分
営業時間:11:00~22:30(LO 21:30)

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香港ファンの方も、まだ訪れたことがない方も、本場の味を楽しめる茶餐廳。気軽に香港へトリップしたような気分に浸れます。今回ご紹介していないお食事メニューやデザートも、まだまだ美味しいものがたくさんあるので、ぜひお気に入りの味を見つけてみてください!

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