2025.10.26
【トルコの穴場】水中で自分とつながる!?フリーダイビングと出会い、街並みに心躍るカシュの町
エキゾチックな魅力溢れるトルコは、日本人にも人気の旅先です。イスタンブールやカッパドキアなど、人気の観光地にはすでに行ったことがある人も多いかもしれません。
今回はトルコの南にある小さなリゾート・カシュの街を紹介します。
陸から比較的近い場所に、深度100mの海が広がっているため、フリーダイバーなど海を愛する人たちが集まる場所。またそれだけではなく、歩いて回れるコンパクトでフォトジェニックな街並みも人気の理由です。海と街をまとめて楽しめる、カシュの魅力を詳しく掘り下げます。
新たなトルコの旅先として、選択肢のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
トルコの南に位置する小さな街、カシュ

カシュはトルコ南部に位置する、地中海沿岸リゾートの魅力をぎゅっと凝縮したような街であり、世界有数のダイビングスポットとしても知られています。
いつ歩いても心が躍る可愛い街は、徒歩で回ることができるコンパクトさ。そしてその前に広がる、抜けるように真っ青な海。透明度と深度、どちらも優れているためフリーダイビングやダイビングを目的に訪れる人も多いのです。

港にはたくさんのボートが止まっており、シュノーケルやセーリング、サンセットクルーズなど海を楽しむための豊富な選択肢がそろっています。
フリーダイビングって?

フリーダイビングは日本ではまだあまり知られていませんが、簡単に表現すると「一息で海(や湖)へ潜るスポーツ」です。
スキューバダイビングとの大きな違いは、タンクやレギュレーターといった水中で呼吸するための装具を着けず、アイテムは最小限に一息で潜るという点。マリンライフを楽しむというより、自然に抱かれて自分自身と向き合うというイメージです。
これらの要素はどこかヨガや瞑想に精通するところがあり、実際、それらのクラスを開催しているフリーダイビングショップも多いのです。


海が好き、またヨガを習慣として取り入れている人なら、フリーダイビングとは親和性があるかもしれませんよ。
またフリーダイビングはスポーツですが、より海を身近に感じたい、イルカやクジラと泳いでみたいという目的で始める人もいます。自然とつながる手段のひとつでもあるのですね。
カシュでフリーダイビングをしたい理由

カシュは海が穏やかで、陸から比較的近い場所に深度60mレベルの海が広がっているため(Life Aquatic Freediving and Yoga School 公式サイトより)、ビーチから入水して気軽にフリーダイビングができる点が魅力です。さらに最大約40mという透明度も、近郊に30以上もあるダイビングスポットも、その全てがフリーダイビングに適した地として一役買っているのです。
海の色はターコイズブルーから紺碧まで、深さによってさまざまな青のグラデーションを楽しむことができます。ダイバーに限らず、この海に惹かれて毎年リピートする人が多いというのも納得です。
おすすめは「Life Aquatic Freediving and Yoga School」

カシュには複数のフリーダイビングスクールがありますが、ボートに乗る必要なく施設からすぐビーチエントリー(入水)できるLife Aquatic Freediving and Yoga Schoolがおすすめです。
人気のリゾート「Kas Kamping」内という立地のよさだけでなく、オーナーの人柄や集まる人たちがとても温かいのも魅力! フリーダイビングはリスクも伴うため、信頼が置けるインストラクターさんがいるスクールで申し込みたいですよね。
「いつでも帰ってきてもらえる場所でありたい」と話す、オーナーのAdnanさん。そして「その時だけ潜れるように、ではなく、生徒さんが自信を持って自分で潜れるようにサポートするのが目標」だと話してくれました。言葉一つひとつから、彼の誠実さが感じられます。



右:インストラクターも生徒も混ざって、トレーニング終わりに談笑を楽しむ
下:ウェットスーツやマスクを装着し、ここから海へ!
同スクールでは一日体験も可能。「気にはなるけれど、まだ本当にしたいかわからない」なら、まずはこの体験をおすすめします。フリーダイビングの基礎学習、プール実習、海洋実習を通してフリーダイビングに触れることができます。自分の身体ひとつで海に潜るので、知識があると自信と安心にもつながりますよ。
また、フリーダイビングを続けたいと思えば、一日体験のあとにコースを続けて初級レベルの資格を取得することも可能です。
またわかりやすい言葉を選んで話してくれますが、英語力は中級程度必要です。



>>Life Aquatic Freediving and Yoga School
石畳の坂の街、カシュを散歩

カシュといえば、絵本の世界のような街並みも特徴的! 石畳の小道、坂道には洗練されたアパレルやジュエリーショップが立ち並び、次々と目を楽しませてくれます。




コンパクトな中心地には、たくさんのカフェやレストランが軒を連ね、夕方以降はさらに賑わいを見せます。小道に広がる席でワインを片手に、楽しそうに寛ぐ人々を横目に歩くのも楽しいですよ。


また王の墓(ライオンの石棺)など、アンティフェロス遺跡が点在するカシュ。なかでも円形劇場は、その堂々とした姿に思わず息を飲んでしまいます。夕暮れにはたくさんの人が夕日に染まる遺跡を一目見ようと集まる、絶景スポットです。タイミングが良ければ生演奏も楽しめるかも!

カフェから眺める、風光明媚な街並み
■非日常感たっぷりのカフェ「Mira Cafe&Bar」

街中を散策するなら、休憩はぜひMira Cafe&Barで。丘の上にあるため席からは港が眺められます。またここはカシュ最古の建物のひとつだそうで「1058年に建てられたのよ」とスタッフの女性が教えてくれました。
歴史的建造物の席に座り、潮風に吹かれながらエスプレッソ トニックをいただくひと時はとても贅沢に感じられます。
夜はバーになるので、カシュのナイトライフスポットとしてもぜひ。


右:Espresso Tonik(エスプレッソ トニック) 200TL
■穴場ビーチを見下ろす「Spoon Coffee Co.」

街の中にある穴場ビーチ、Küçük Çakıl Plajı(英語の通称、small pebbles beach)。
レストランやリゾートに囲まれて存在する、本当に小さなビーチで、知らなければ通り過ぎてしまいます。ビーチでひと泳ぎするもよし、真っ青な海を囲むように建つ飲食店でゆったりと過ごすもよし…。


右:Cappuccino 190TL、ブラウニー 220TL
Spoon Coffee Co.からも秘境ビーチが臨めます。その周りにはたくさんのパラソルが咲き、ビーチを守っているようにも見えます。朝早くから開いているので、まだ静かな海を見下ろしながら一杯のコーヒーを楽しむにも最適です。
>>Spoon Coffee Co.
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カシュの町は夕暮れからさらに賑わうため、昼は海、夕方からは街と、どちらも存分に満喫できます。
自然に抱かれて静かに自分と向き合う時間、心ときめかせて街を散策する時間。そのどちらも叶えられるカシュを、次の旅の目的地に検討してみてはいかがでしょうか。
※情報は取材時(2025年9月)のものです

暮らすように旅する、自然派ライター。世界一周を含む4年の旅の後、オーストラリアに移住し、約7年暮らす。2023年、東南アジア中心のノマド暮らしを経て、2025年よりフリーダイビングをしつつ、世界二週目中。ライターとしては旅行誌の広告制作を経て、雑誌広告や編集ページを執筆。そして現在は主にwebメディアで、旅はもちろん自然に沿った生き方を実践し、地球と体に優しい生き方のヒントを発信しています。
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