
2025.10.10
【葵わかな&神尾楓珠】俳優モードからオフモードへと切り替える瞬間は?
10月12日(日)より放送開始となるドラマ「すべての恋が終わるとしても」(ABCテレビ・テレビ朝日系)。
本作は、シリーズ累計発行部数55万部を突破した冬野夜空氏による同名の超短編集が原作。高校の卒業式の日に付き合いはじめた同級生の男女を主人公とし、彼らを取り巻く人物たちも含めた8人の男女が織り成す、リアルでちょっぴりほろ苦い恋愛模様が描かれます。
今回は本作でW主演を務める葵わかなさんと神尾楓珠さんにインタビュー。ドラマのお話はもちろん、2人のプライベートにも迫りました。
お互いに惹かれあっていた由宇と真央というキャラクター

――本作への出演が決まった時のお気持ちを教えてください。
神尾:タイトルが強烈なので「どんな話なんだろうな」と思ったのが最初の印象です。
葵:たしかに、タイトルは意味深ですよね。その中で、いろいろなキャラクターたちの話もあるというのを聞いていたので、それぞれがどういう風に絡んでいくのかという点でもすごく楽しみだなと思いましたし、自分たちの関係性だったら、どういう意味を持つタイトルになるのだろうと思ったりしました。
――役柄についても教えてください。それぞれどんなキャラクターですか?
神尾:僕が演じる真央は結構ひょうひょうとして、掴みどころのない役だなと。誰にでも人当たりよく接してるけど、ちょっとミステリアスで、腹の底はわからないキャラクターだなと感じました。高校生から始まって25歳まで演じましたけど、年代によって、演じ分けが難しそうだなと思いました。
葵:私から見た真央は、自由に人生を楽しんで生きている人みたいなイメージがあって。自分の感情に素直な人に見えました。私が演じた由宇にとっては、学生時代、特にそこが眩しくて「自分もそうなりたい!」みたいなところから憧れていったのかな、と。
神尾:一方で、由宇は生きることとか恋愛に対してすごく一生懸命なキャラクターだなと思いました。真央からしたら、そういうところが眩しかったんだろうなって。
葵:でも、由宇は器用じゃないんですよね。他の人がひょいっと乗り越えられる壁とか段差だったとしても、「これはどう乗り越えるか…」みたいなことを考えて、ちゃんとぶつかって落ち込んでしまうような、不器用な子だなと。特別強い力があるのではなく、地道に歩いて、成功体験を重ねて、大人になっていった人という印象を受けました。
初共演、お互いの印象は?

――お芝居をする中で印象的だったことはありますか?
神尾:お芝居をしていて、本当にわかなちゃんは由宇にしか見えなくなっていきましたね。本読みの段階から思ってたんですけど。
葵:ええ!
神尾:わからないことがあったら、自分が納得するまでちゃんと話をして周りの人の意見を聞いているし、そこが由宇と似てるなぁと思いました。
葵:真央は高校時代と大人になってからで、結構印象が変わる役なんですけど、私的には神尾さんは、大人になったクールな真央のイメージに近いなと思いました。高校時代の真央は常に目が輝いている感じで、キラキラした思い出とリンクしているんですけど、普段の楓珠くんと真央になった時の楓珠くんとでは、印象が違って。
神尾:キラキラしてない…ってこと?(笑)
葵:(笑)。そういうつもりではなかったんだけど、そうだよね、今のは良くないね(笑)。

――今回が初共演なんですよね? 最初はどのような印象を持っていましたか?
神尾:もう、すごい真面目な方。
葵:そうですか?(笑)
神尾:出会う前から品があって、一生懸命で、真面目な方だなと思っていました。姿勢が良いし。ただ、思ったよりも、お笑いのセンサーみたいなのがちゃんとあって、それがすごく助かりました。
葵:助かった!?
神尾:しょうもないボケとかにもね、ちゃんと乗ってくれたりツッコんでくれたりするので、話していて、すごい楽でしたね。
葵:それならよかったです。私はクールな印象を持っていたので、一言も喋ってくれなかったらどうしようかなと思っていたんです。でも、実際お会いしたらすごくフランクでおしゃべり好き、気楽にいろいろな話ができたりして、同世代っていいなと思いました。
2人のスイッチを切り替えるアイテム

――作中、由宇にとってはアイスが切り替えスイッチのような役割を果たす描写がありますが、ご自身の中で切り替えになるアイテムはありますか?
葵:お酒を飲むのが好きなのでお酒と、あとお風呂ですかね。お酒は何でも好きで1杯目はビールを飲むし、次の日が仕事の日はノンアルコールとかも飲みます。お風呂は冬でも夏でもわりと熱めのお湯に入るのが好きですね。それで、お風呂の中で本を読む。
神尾:本、濡れないの?
葵:電子タブレットを使っているんだけど、防水機能がついているから大丈夫なんだよ。
神尾:そういうことか。

――(笑)。神尾さんの切り替えアイテムはなんでしょう?
神尾:僕はゲームです。サッカーのゲームなんですけど、毎日帰ったらまず電源を入れて…。
葵:えっ!? 毎日やってるの?
神尾:毎日やってる。今はちょうどアップデートされて、仕様が変わったので、それを把握するのに精いっぱいです。
葵:忙しいね(笑)。
神尾:切り替えになりますね。やっぱり本当に仕事のこととかを考えない時間なんです。
2人の出会いセンサーは?

――由宇にとって真央は出会った瞬間から特別な存在でした。お二人は初対面からビビッときた出会いを経験したことはありますか?
神尾:僕、そういう勘がわりとするどい人間なんだと思います。今、仲が良い友達とかも、初対面で「仲良くなるなぁ」みたいに感じた人ばかりで。今回の現場でいうと、丈くん(=藤原丈一郎さん)は初対面で仲良くなれそうと思いました。
――結果、仲良くなれましたか?
神尾:なれましたね。本当に、初めて会った感じがしないというか。古くからの友達みたいな感覚で最初からしゃべれたので。丈くんの人柄もあると思いますけど。
――葵さんはいかがですか?
葵:どうだろう。私はそういうセンサーがあまりないタイプかもしれません。物事に対しては「あっ、これ絶対やった方がいいな」とか「これ良いかも!」とかはあるんでしょうけど、人に対しては、あまり。

――ありがとうございます。最後に、お二人が考える“キレイな人”とはどんな人でしょう?
葵:“言う・言わない”を、上手に選択出来ている人。
神尾:デリカシー?
葵:そういう根本的な部分もそうだけど、そこの選択のセンスがある人みたいな…。この世の中って、言っても言わなくてもいいことってたくさんあるじゃないですか。普通の会話の中で、その選択が素敵な人っていらっしゃいません? 本当、些細なことでも「あっ、このことは言わなかったんだろうな」と想像したり。「あ、でもこういう時はこういう風に言うんだ」とか「こういうことはこういう風に言うけど、ここは言わないんだ」みたいなのとか、結構グッときちゃうんです。素敵だな、と。そういう人は、空気感がキレイな気がしています。
神尾:それに気付けるのがすごいよ。
葵:えっ、そうかな。
――神尾さんはいかがですか?
神尾:うーん…字がキレイな人とか、素敵だなと思います。
葵:確かに。人となりが現れるしね。(神尾さんにに対して)字、キレイだよね?
神尾:よく見たらキレイじゃないよ、ごまかしてるだけで。でもそれも自分っぽいんですけどね。最近だと、この作品の助監督の方がめっちゃ字がキレイだなと思いました。たぶん本編でも結構映っていると思うので、ぜひ注目してください!

Profile
葵わかな
1998年生まれ、神奈川県出身。2009年に俳優デビュー。映画『陽だまりの彼女』(2013年)、『くちびるに歌を』(2015年)などに出演した後、2017年には連続テレビ小説「わろてんか」のヒロインに抜擢。近作は「おいち不思議がたり」「ホンノウスイッチ」など。2026年2月からシアタークリエにて、舞台「2時22分 ゴーストストーリー」が上演される。
神尾楓珠
1999年生まれ、東京都出身。2015年に俳優デビュー。2019年には「左ききのエレン」で地上波連続ドラマ初主演を務め、以降、「17歳の帝国」(2022年)や「いちばんすきな花」(2023年)、「くるり~誰が私と恋をした?~」(2024年)、映画『パリピ孔明 THE MOVIE』(2025年)など、話題作に多数出演。
■「すべての恋が終わるとしても」
2025年10月12日(日)より、毎週日曜22時15分放送
TVerで見逃し配信 https://tver.jp/series/srrg7urqp3
出演:葵わかな 神尾楓珠
藤原丈一郎 本田望結 山下幸輝 大塚萌香/白洲迅 市川由衣/飯田基祐 西田尚美
原作:冬野夜空「すべての恋が終わるとしても」(スターツ出版)
脚本:三浦希紗
音楽:岩本裕司
監督:松本花奈 今和紀
チーフプロデューサー:辻知奈美
プロデューサー:小森千裕 細野夏希 矢内達也(ABC リブラ) 川西琢(ABC リブラ)
制作協力:ABC リブラ
制作著作:ABC テレビ
公式HP:https://www.asahi.co.jp/subekoi/
ヘアメイク/葵:河嶋希(io)、神尾:奥山 信次(barrel)
スタイリスト/葵:岡本純子、神尾:大内美里(Emina)
撮影/芝山健太
取材・文/於ありさ

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