「“困る”は聞くのに“ありがとう”は聞かない」梅宮アンナが、乳がんのリアルを発信する意味
LIFESTYLE

2025.09.27

「“困る”は聞くのに“ありがとう”は聞かない」梅宮アンナが、乳がんのリアルを発信する意味

乳がんの一つ「浸潤性小葉がん」に罹り、昨年11月に右胸全摘手術、現在も治療に取り組んでいることを公表しているタレントの梅宮アンナさんが、はなさく生命保険『I’m OK? PROJECT』トークショーに登場。自身の体験や、前向きなマインドでの癌治療についてお話しされました。女性の不調、身体の変化を“身近な人と話す”きっかけ、時間にできるためのトークショーです。

発覚のきっかけは「娘たちの会話」と「今すぐ行って」の声

お風呂で胸が気になったのは、2024年5月、51歳の時。痛みもなく、当時娘さんたちの間で左右の胸の差異について話題になっていたため、娘さんに連絡をすると「すぐに病院に行って」と助言を受けたと言います。

すぐに予約をし、10日後受診、希少がんの一種のため見つかるまで時間がかかったものの、乳がんであることが発覚しました。

故父・梅宮辰夫さんががんを患い、闘病生活を送る様子を早くから目にしていたことで、がんに対してのショックは大きくなかったと言います。

「驚きも落胆も、しなかった。”あ、そっか、がんになったか”程度。だけど、先の見えにくい治療の長さと髪がなくなることはショックだったかな」

偶然が重なった発見ですが、「違和感があればすぐに病院に行く」ことを徹底していたことや、病院へ行くことを躊躇わなかったことが早期発見につながったのでしょう。

「大丈夫」の範囲は、自分で決められるものだけではなく、第三者の判断に委ねることも大切なのかもしれません。

”女性だから”を痛感する、乳がんであることの「リアル」と「発信」の必要性

治療にあたってインターネットで情報収集をし、ネガティヴな意見や症例に飲み込まれてしまうことは、がんに限らず多くの病気で起こりうること。アンナさんも担当医師から止められたんだとか。

「ネットは参考にならなかったし、励ましの言葉に対して複雑な気持ちになった。やっぱり髪(がなくなること)はショックだったから。でも、『じゃあいいウィッグとか探してこういうことができるよ、を発信していこう』と思いました。リアルで標準的な治療の発信が、私の役割だって」

自分の後に続く人たちに、こういう治療、こういう感じになったよ、こういうことが起きたよ、と伝えていきたい気持ちが強かったと言います。

「病院とかで、今日梅宮アンナいたけどすごい派手な服着てた…って話題になると思うんですけど(笑)、気持ちを上げるのも下げるのも自分次第、それでいいと思えたんです」

脱毛や精神面・体調面の不安定さに加え、術後、乳房再建を選択しなかったアンナさん。再建にはリスクも伴います。

「励ましの言葉として、”今は再建があるから”と言われる。でも、なんでそんな思いしてまで再建しなきゃいけないの? と思ったんです。胸で大変なのに、また胸のことで大変な思いするの? って。必ずしも全てが揃っていることがいいことではないし、胸がある・ないで生活に支障ある? って(笑)」

しかし結婚後、夫婦で沖縄に行くことになった際、多少葛藤はあったと言います。

「水着はあるけど片方しかない水着か…って。でも、行ってみたら大丈夫だった。”そのままの私で大丈夫”と思えるための工程としてとても大事だったし、今を大切に生きているって思えた」

ウィッグやパッドのように治療以外にもお金がかかることがあります。現在東京都の一部では「がん患者等アピアランスケア費用助成」として、ウィッグなどの金額の補助をしてくれるサービスもありますが、あまり知られていないのが実情です。

>>渋谷区がん患者等アピアランスケア費用助成

世間と自分と「保険」の距離感を、もう一度見直すのは今なのかも

最も気になるお金のことについても話をしてくれました。

現在の日本でがんの治療には様々な種類があり、一般的な保険内治療は「標準治療」と呼ばれます。アンナさんは、さまざまなお誘いや誘導もあったそうですが、標準治療を選びました。

「保険に入っていたので、お金も助かりました。『がんです』と告げられたらいくら、みたいな保険にも入っていたおかげで、現在の治療や抗がん剤を続けられている」

さらに昨年11月、死と直面するほどの体調不良に見舞われ、2週間入院した際の部屋代などもがん保険のおかげでなんとかなったことを明かしました。

「保険について”自己負担が増えて困る”というニュースは見るのに、それで”助かった””ありがとう”の声は聞こえてこない。だったら、私は発信すべきかな、と」

■大事なのは自分とどう向き合っていくか

アンナさんと同じようにがんと戦う女性から、何が一番辛かったか聞かれると「SNS」と回答。

「(SNSを)開けば、海外などに旅行に行っている友人たち。家と病院の往復ばかりになり、人のSNSが辛かった。普通にやっていたこと・見ていたことが”いいな”になる。でも私が気づかなかっただけで、今までもきっといたんだ、と。視野を広げて誰かのためのSNS作りをしなくちゃ、と思った」と前向きに話してくれました。

この日アンナさんが身につけていた、スタイルの良さが際立つカシミヤのカーディガンは、出会って10日で結婚した夫からのプレゼント。体調面での心配も今はほとんどなく、2人で定期的に沖縄旅行に行くほどなんだとか。「体調がいいのは、間違いなく結婚したから!」とラブラブなエピソードも添えてくれました。

また、「人生で戻りたい瞬間はありますか?」と聞かれ、「どうしよう、ないんです!(笑)」と即答し会場内も笑顔に。

「全てのことに意味があると思っています。病気になったこと、恋愛・結婚・育児…全部自分にとってマイナスなことはない。生死のことも含め自分で考えて生きていく。だから、そう思う場面がないんです!」

「どう生きたいか」は「今どう生きるか」につながる

ついつい「これはそういうものなんだ」と我慢してしまう生理痛やホルモンバランスの乱れ、体調不良。言い出せない、言い出しにくい、違和感を感じても後回しにしてしまうことが多く、中にはその異変にすら気づけないことも。

アンナさんのように、大事にしたい自分と向き合うことで見えてくる「今の自分」と「これからの自分」を考えてみる時間を設けてみましょう。

女性には、多くのライフステージがあります。そのステージをどの速度で上がっていくかは自分次第ですが、ライフステージとともに減っていく自分への心配りをコントロールできるのもまた自分だけです。

違和感があれば病院に行く、自分を犠牲にしない、「大丈夫」を過信しない、を自分の中で大事にしていくことで、これから先の未来を軽視しないことにつながっていくでしょう。

■女性の健康にフォーカス「I’m OK? PROJECT」とは

「自分の変化に向き合うきっかけを、すべての女性に届けたい。」という想いから、はなさく生命が立ち上げたプロジェクト。周囲の無理解、年齢での変化、些細な不調など、自分と向き合うことを後回しにしている人も多くいますが、女性のからだとこころは、ずっと同じではありません。考えておきたい備えも一つではなく、これからの自分のために、少しだけ立ち止まってみるきっかけになるコンテンツやセミナー・イベントを発信していくプロジェクトです。

I’m OK? magazineはこちらから
I’mOK? News/Live 公式instagram:https://www.instagram.com/imok_project8739

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