自然と動物園に囲まれた「マンダイ・レインフォレスト・リゾート」がシンガポールに開業

都会の煌めきに触れたあとは、心と身体をやさしく解き放つ“自然の中のラグジュアリー”へ。2025年4月にソフトオープンし、11月にグランドオープンを迎える「マンダイ・レインフォレスト・リゾート by バンヤンツリー（Mandai Rainforest Resort by Banyan Tree）」は、バンヤン・グループホテルの記念すべき100軒目として誕生する最新リゾートです。

シンガポール動物園やナイトサファリに隣接し、熱帯雨林と調和した唯一無二の滞在を叶えるこの場所は、大人の女子旅はもちろん、家族連れにもエコ志向のトラベラーにも最適。サステナブルを本質から追求するバンヤングループらしい取り組みが随所に息づいています。

「シンガポール＝都会」というイメージを超えて、自然とともに過ごす新しい旅のスタイルを体験できる注目エリア「マンダイ」で、心と感性を整える特別なステイをご紹介します。

動物園と自然が共存するシンガポールの注目エリア「マンダイ」

シンガポール北部に位置する「マンダイ・ワイルドライフ・リザーブ（Mandai Wildlife Reserve）」は、近年大規模な再開発が進められている世界的に有名なワイルドライフパークを有するエリア。熱帯雨林の緑豊かな環境を背景に、動物園やエコ観光を軸とした“新しいシンガポール”を象徴するスポットとして注目を集めています。

このエリアには、世界的に知られる動物と自然をテーマにした複合パークが集合。昼間は「シンガポール動物園」で柵を極力使わないオープン・ズー・コンセプトの展示を楽しみ、夜は「ナイトサファリ」で夜行性動物の姿を観察。淡水生態系をテーマにした「リバーワンダー」ではジャイアントパンダが人気を集め、鳥たちの楽園「バードパラダイス」では色鮮やかな羽ばたきに出会えます。さらに最新施設「レインフォレスト・ワイルド・アジア」では、まるで熱帯雨林を探検しているような没入感を味わうことができ、5つのパークを巡ることで地球の多様な生態系を凝縮した旅を体験できます。

アクセスも便利で、シンガポール市内中心部（マリーナベイ周辺）から車で約30分、チャンギ国際空港からは約40分。宿泊者なら朝の開園直後に動物たちの活発な姿を楽しめるのも大きな魅力です。

「マンダイ・レインフォレスト・リゾート」ホテルの魅力

2025年11月にグランドオープンを予定している「マンダイ・レインフォレスト・リゾート by バンヤンツリー」は、バンヤンツリーブランドの記念すべき100軒目。24棟のツリーハウス型スイートを含む、338室の自然と共生するラグジュアリーリゾートです。

館内の設計コンセプトは、豊かな自然とのつながりを重視したバイオフィリックデザイン。アッパー・セレター貯水池を望むロケーションや、熱帯雨林の多層的な植生（地表から高い樹冠まで続く層構造）を客室のデザインに取り入れるなど、空間そのものが自然の生態系を映し出すように構成されています。

緑に囲まれた客室やテラスは、大自然に溶け込むような心地よさを演出。客室ビューは貯水湖ビュー、リゾートビュー、レインフォレストビューの3タイプがあり、湖畔の静けさと、施設全体の豊かな緑、それぞれ異なる癒やしを楽しめます。

料金はスタンダードルームで 1泊SGD500（税サ別）～。おすすめの時期は、比較的湿度が落ち着く11月以降の乾季（11月〜3月）。グランドオープン直後は、新しい施設をもっとも美しい状態で体験できる絶好のタイミングです。

客室細部に感じる自然の息吹

印象的だったのは、細部まで宿泊体験に環境へのメッセージが込められていること。クローゼットに並ぶハンガーは建設時に伐採した木材を再利用。デスクに置かれた鉛筆には小さな種が仕込まれていて、使い終わった後に植えると芽吹く仕組みになっています。バンヤングループの荒れ地を植林によってよみがえらせ、バンヤンツリーの原点となったプーケットでのストーリーを連想するアイテムです。

アップサイクルが生む、自然に溶け込むデザイン

リゾートの建設過程では、樹齢100年を越える木は伐採せず保護。伐採された木は、リゾート内の壁として、その樹皮をアップサイクルし、テクスチャーを生かしたパターンウォールが設けられています。光と影が柔らかく揺れ、まるで森そのものに包まれているような風合いを演出。装飾的であるだけでなく、地元資源を循環させるサステナブルなデザインの一例と言えるでしょう。

また、BCA（シンガポール建築建設庁）の「プラチナランク」認証を取得したこのホテルは、持続可能性と快適性を高いレベルで両立。客室内には電気や水の使用状況をリアルタイムで確認できるディスプレイを導入。宿泊者が自ら環境への負荷を意識し、能動的にサステナブルな滞在を実践できる仕掛けが用意されています。

エコを感じる客室＆大人やカップル向け「Treehouse」

スタンダードな客室の満足度も高いものの、特におすすめの客室は「マンダイ・レインフォレスト・ツリーハウス（Mandai Rainforest Treehouse）」。木々に囲まれたツリーハウスは、パティオからは熱帯雨林が広がり、プライベート感抜群です。都会では気づかない「静けさ」がご褒美そのもの。朝目覚めてすぐに緑を眺める時間は、心の深呼吸になることでしょう。

森と調和するレストラン＆サステナブルな味わい

趣の異なる2つのダイニングが、リゾートの食体験を彩ります。

「プランターズシェッド（Planter’s Shed）」は、ビュッフェスタイルのオールデイダイニング。朝食（6:30～11:00）、ランチ（12:00～18:00）、ディナービュッフェ（18:00～21:30）と一日を通して利用でき、ヌードルバーではラクサなどローカルフードも提供。ベジタリアンやヴィーガン向けのメニューも揃い、幅広いゲストが安心して楽しめます。

一方、「フォレージュ（Forage）」は屋上ガーデンのハーブや旬の食材を活かしたコースディナーを楽しめるメインダイニング。“Trust the Chef”スタイルで構成される5コース（SGD138++）と8コース（SGD198++）は、その日だけのオリジナル。シェフのインスピレーションに導かれるようなサプライズに満ちたひと皿が、記念日のディナーや大人の女子会にふさわしい特別感を演出してくれます。

ディナーは18:00～21:30、朝食は7:30～10:30に営業。ツリーハウス宿泊ゲスト専用のシャンパン付き朝食もあり、静かで贅沢な時間を過ごすのにぴったり。森の気配を感じる空間で味わう食事は、自然と調和しながら“自分を解き放つ時間”を与えてくれるでしょう。

プールやスパなど館内でのウェルネス体験

バンヤングループを語るうえで欠かせないキーワードが「ウェルネス」。マンダイ・レインフォレスト・リゾートでもその精神は色濃く受け継がれています。

中心となるのは「バンヤンツリー・スパ」。セラピストは全員、ブランド独自の「バンヤンツリー・スパ・アカデミー」で専門的な研修を受けており、その確かな技術力とホスピタリティが世界的に評価されています。

代表的なメニューのひとつが、シグネチャーの「Royal Banyan」。東洋と西洋の技術を融合させた150分のコース（SGD 450++）で、ゴマ油に浸した温かいハーバルポーチを用いて血行を促し、深いリラクゼーションへと導きます。贅沢な時間を堪能したい特別な日のための一択です。

より気軽に体験できるのがボディワークマッサージ。60分（SGD 210++）、90分（SGD 290++）から選べ、内容も「Balinese」「Deep Tissue」「Gentle Touch」「Thai Classic」「Thai Essence」と幅広くラインナップ。私は60分のバリニーズを選びましたが、リズミカルで力強い指圧と手のひらのストロークが絶妙で、凝り固まった筋肉がほどけていく感覚に思わずうっとり。短時間でもしっかりと疲労感が抜ける実感がありました。

さらに宿泊者向けに行われる無料のピラティスレッスンやヨガ、熱帯雨林と空が溶け合う景色を楽しめるインフィニティプールも、滞在を彩るウェルネス体験。スパを中心に据えながらも、多角的に身体と心を整えられるのが、このリゾートの大きな魅力です。