
2025.09.19
知る人ぞ知る “砂漠の中の楽園” ダハブで紅海を感じてまったり過ごす日々
エジプトといえば、ピラミッドやナイル川、ルクソール神殿を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。エジプトのリゾートと聞いてピンとこない人がほとんどだと思います。
でも実は、エジプトには紅海に面した美しいリゾートがあります。今回はそのひとつ、ダハブをご紹介。決してアクセスのよい場所ではありませんが、訪れる価値はあります。記事を読んで気になったら、ぜひバケットリストに追加してくださいね。
エジプトの隠れた楽園とは

シャルム エル シェイク、そしてその北東約80kmに位置するダハブ。これらはエジプト東部シナイ半島東部に位置する、アカバ湾に面したリゾートです。
前者はヨーロッパからの旅行者が多いバケーションの地。一方ダハブは、長期的な旅を続けるバックパッカーが好んで訪れる地として、知られてきました。最近では、インターネットで広まった影響もあり、都市部からエジプト人が訪れるリゾート地としてもすっかり人気の地に。

徒歩で移動できる小さな町

紅海に沿って存在する小さな町・ダハブ。町というには小さい、コミュニティのような地域です。もちろん学校やモスクもあり、ローカルが暮らす町としても機能しています。
かつては現地の民族、ベドウィンたちが暮らす漁師村でしたが、今ではリゾート、ダイビングスポットとして名高く、透明度が高く美しい海を目指して世界中から観光客やダイバーが訪れます。また海岸線に沿って歩道があり、自転車は通るものの歩行者天国のようになっているので、気軽に散歩やサイクリングも楽しめます。


グラフィティもそこらじゅうにあり、真っ青な海に生えてとても目を惹きます。フォトジェニックなシーンに何度もシャッターを切ってしまいます。

■マスバトエリア

ダハブのメインストリートが貫く、マスバト地区。ダハブを訪れる旅行者が主に滞在するエリアです。
ホテルやホステル、レストランがどこまでも並び、エジプト国内から、また世界からの旅行者で一日中賑わっています。中心部にはブリッジがあり、そこは特に撮影するために立ち止まる人、絶景を眺めながらおしゃべりを楽しむ人たちで混雑しています。

■ライトハウスからイール ガーデンまで

ダハブにおいてビーチエントリーでダイビング、シュノーケリングが楽しめる人気スポットといえば、今も昔もライトハウス。何軒かレストランがあるので、飲食をして席を確保してから海へ直行するもよし、そのまま道なりにイール ガーデンへ歩き出してもよし。

ライトハウスを曲がると、先ほどまでの賑わいがうそのように静けさに包まれます。少し先に見える砂漠や岩肌の茶色、海の紺碧のコントラストのあまりの美しさに何度も息をのむほど! 砂漠の中のリゾートにいるのだ、と強く実感します。


イールガーデンは、名前の通りイール(ここではチンアナゴを指す)の群れが海底に見られたり、砂地が広がる風景を楽しんだりと、ライトハウスとはまた違う味わいがあります。
ダハブ名物、海上レストラン

ダハブを訪れたら、必ず体験して欲しい海辺のレストラン。
席からは真っ青なクリスタルウォーターを湛えた紅海をすぐ近くで感じられ、向かいにはサウジアラビアの土地まで見渡せます。
ほとんどのレストランには、店内から水辺に降りられる階段があるのも特徴です。

正直なところ、レストランのメニューはどこも似たり寄ったりです。
ピザやパスタ、スープなどがありますが、メインはやはりシーフードで、夕方になると店の前にある氷を敷き詰めた台に、新鮮な魚が並び目を惹きます。まずここから魚介類を選び、フライやグリルなど調理法を選んで、店内へ。もちろん従来のメニューもあるので、まず入ってからメニューを見て決めても大丈夫です。
スープを頼むとバスケットに入ったパンが、カラマリを頼むとスープやサラダ、ブレッドがセットに。全体的に、どこもボリュームは多めです。




また名物はレストランだけではなく、店頭に立つ客引きたち。顔を覚えてもらうと割引をしてくれたり、アイスクリームやドリンクをおまけしてくれたりするので、仲良くしない手はありませんよ!
ダイバビングの聖地で、水の下の世界へ

ダハブでは朝、昼、晩とタンクを乗せた台車を押したダイバーのグループをよく見かけます。
世界中からダイバーが目指す聖地だけあり、ダハブにはダイブショップがたくさんあるのです。経験者だけでなく、初心者向けのお試しダイビングやオープンウォーターのコースもあり、値段も日本よりずっとリーズナブルだというのも人気の理由です。

ライトハウス近くのショップだと、エントリーポイントまで近いためよりハードルが下がります。また、少し内陸に入ったところにあるショップだと、よりリーズナブルなプランが見つけられることも。ニーズに合うショップと出会えるといいですね!


ちなみにわたしはフリーダイビングをするため、こちらでは4回トレーニングを実践。一度はブルーホールまで足を延ばし、ダイバー憧れの地も垣間見ることができました。
そしてもちろん、海の世界をそっと垣間見たいという人にはシュノーケリングでも十分に楽しめます。色とりどり、様々な形のサンゴが茂る様子はまるで、コーラルブッシュ! カラフルな魚たちも集まります。
マスクやフィンは水上レストランなどでレンタルできますよ。
お土産のショップもさまざま

メインストリートから町中のいたるところに、マクラメなどエキゾチックな雑貨やパフューム、お菓子などさまざまなお土産を見つけることができます。
特におすすめしたいのは、こちらのショップ「SECRET OF THE DESERT FOX」。

スパイスやクリスタルなど、エキゾチックな品揃えに惹かれて店内へ。すると、ヘア・ボディオイルから天然素材のソープ、手作りできるパフュームなど、気になるもののオンパレード! 「made in EGYPT」と明記されたものは、お土産にもいいですね。



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エジプトの隠れたオアシス、ダハブを紹介しました。
砂漠を駆け抜けた先に、まるで絵に描いたような真っ青な世界が広がっているなんて! そんな感動とともに過ごすダハブの滞在になりました。
また、大変人懐っこい人が多く、「人々は旅行者としてやってきて、友人として去っていく町」という、現地の人が口にした言葉が、まさにこの地を言い表しているよう。
エジプトに来る機会があれば、この砂漠のオアシスまで足を延ばしてみてはいかがでしょうか。エジプトの旅で疲れた心をも癒やしてくれる、そんなひと時になるはずです。
※情報は取材時(2025年8月)のものです

旅するように暮らす自然派ライター/オーガニック料理ソムリエ。
4年に渡る世界一周後、オーストラリアに移住し約7年暮らす。コーヒー好きが高じてオーストラリアではバリスタ業の経験も。今は繊細でフルーティーな浅煎りコーヒーに夢中です。ライターとしては旅行誌の広告制作を経て、雑誌広告や編集ページを主に執筆。現在は自然に沿った生き方、ほどほど丁寧な暮らしを自ら実践しながら発信中。地球にも体にも優しい生き方のヒントをお届けしていきます。
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