
2025.08.06
日本の伝統 麻の農家を訪ねた特別な1日
by Kana Sato vol.16
ブランディングディレクター、コンサルタントとして活躍する佐藤香菜さん。世界各国を旅して見つけた“本当にいいモノ”を見極める審美眼を持ち、SNSで発信する丁寧な暮らしが同世代から熱い支持を集めています。
そんな佐藤さんが、普段愛用しているコスメやいま気になっているモノ、旅先でのエピソードなど、美容からライフスタイルまで赤裸々に語ってくれる本連載。
第十六回は、「日本の伝統 麻の農家を訪ねた特別な1日」についてお話いただきました。
16回目のコラムは、6月下旬に訪れた栃木県にある麻農家での体験をお届けします。
皆さんは麻というと、何をイメージされますか? 昔はもっと身近なものであった麻という植物。
太古の昔から生活に欠かせないものであり、日本の神事ではその清らかな繊維が穢れを祓う力を持つとされ、しめ縄や神職の装束、お守りをはじめあらゆる場面で用いられています。
産業用としてのロープにもなり、例えば巨大な凧揚げの際のロープは麻を使ったものが強度の点でも一番良いのだとか。麻の殻や炭は多孔質で湿気や音を吸収する特徴を持ち、家を立てる時に壁面素材に配合することで住みやすい環境を作ることもできます。
麻を原料として使ったスキンケアブランドのお仕事で中欧ヨーロッパの自然豊かな国スロベニアに行ったことがあるのですが、その時期はちょうど冬。畑には何も生えていないときだったので、麻畑を見ることはわたしの念願でもありました。
日本で麻を栽培することは許可が必要であり、その農家の戸数も減り続けているためとても貴重でなかなかお目にかかれない植物、麻。
なんと先日、この目で見る機会をいただきました! 向かったのは栃木県鹿沼市。

わたしの身長(174cm)と比較してもこんなに背が高い麻! ヨーロッパのことわざでは成長の早い子供を「ヘンプのように育つ」と表すほど、麻は種まき~収穫までのスピードが早いのです。
さぞ栽培は簡単かと思いきや、種を撒いた時からまず格闘するのは集まってくる鳥だそうで。そう、麻の種は鳥の大好物! 大型インコを飼ったことのある方はエサで麻の実をあげたことがあるかもしれません。上質な脂質を含め栄養バランスが完璧なのだとか。


鹿沼市で約400年前から続く麻農家の8代目、大森さんが、麻の栽培や繊維の用途を説明してくださいます。乳白色の輝きを放つ繊維は「精麻」と呼ばれる麻の茎を剥いで削ったもの。主に神事用として神社や、歌舞伎衣装などの伝統工芸に出荷されるそうです。
特別なディナー






今回の日帰り旅は食品ブランド「HEMPS」チームの主催で、夜は長テーブルを囲んでのギャザリングディナーに参加。ヘンプシードや麻炭を用いた料理やお酒を堪能。

今回のディナーでもたくさん使われていた食材、ヘンプシードオイル、ヘンプシード、麻炭、ヘンププロテインは、自宅での料理でもとっても使いやすいのでおすすめです。
その中でもわたしがよく使うのはHEMPSのヘンプシード! クセのない味で料理にもデザートにも合わせやすく、よくやるのは納豆に混ぜること。最近は素麺の出番が多いので、その付け合わせを考えるのにハマっていますが、この日はひきわり納豆+キムチ+ヘンプシードを。

また、ヨーグルトにグラノーラ、バナナとヘンプシードを入れてハチミツをかければ朝ごはんにも。とにかく万能なヘンプシード、ぜひ取り入れてみてほしいです。
疲れをとるコスメならCBD配合のものを
繊維や食材としても欠かせない麻ですが、その茎からはCBD(カンナビジオール)が抽出でき、これが肌を整えたり、首肩腰のコリや運動後のケアにも取り入れたい成分なのです。

goodnight ビューティーオイル(左)は、吸収率の良いセサミオイルをベースにCBDや厳選した精油を配合し、全身のマッサージはこれ1本で叶います。顔も髪もデリケートゾーンにも、本当にどこでも使えるのですが、わたしがおすすめしたいのはこれを指先につけて耳をマッサージすること!耳がほぐれると頭やフェイスラインまでスッキリ、めぐりも良くなりポカポカに。
睡眠の質を上げることを目的に神戸在住のご夫婦が立ち上げたブランドで、そのストーリーも含めて応援しているブランドです。
スペインのブランドBeemineのリカバリーCBDバームは、ハチミツの保湿成分たっぷりのクリーム状でメントールを配合しているため暑い夏の時期に使うととにかく気持ちいい! 運動したあとの熱くなった体をクールダウンしてくれます。
右側の緑色のチューブタイプも同じBeemineの新製品で、この秋から発売予定のもの。発売に先駆けて使っているのですが、CBDが高配合でよりしっかりほぐしたい人に最適。
繊維としても、食品としても、化粧品としても、活用方法は様々な麻という植物。快適に暮らすための贈り物のような素材なだけに、創設者の届けたい目的や理念がしっかりしたブランドにこそ配合されている気がしています。
ご紹介した製品が気になった方はぜひ試してみてくださいね。

Branding Director 佐藤香菜
株式会社マッシュビューティーラボにて、オーガニックのコスメとインナーケア製品のセレクトショップ「Biople by CosmeKitchen」の立ち上げとディレクションを行ったのち、独立。ブランディングディレクター・コンサルタントとして多数の企業の製品企画立案、製品プロデュースから販路拡大に携わる。オーガニックコスメを巡る旅の様子はNHK「世界はほしいモノにあふれてる」への2度の出演や、Instagramアカウント @kana__sato622 で発信している。
>>vol.11 情報との付き合い方と本当のフェミニズムを考る
>>Vol.12 初めての韓国・ソウル 2泊3日の旅
>>Vol.13 仕事におけるキャリアの作り方
>>vol.14 香りの物語と忘れられない記憶、わたしらしさ
>>vol.15 体を動かすこと 自分を育てること
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A Journey to find my selfーわたしを見つける旅ー