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2025.08.04

ドイツに住んで8年。佐藤ありささんが日常で見つけたフランクフルトの魅力

10代からモデルとして活躍し、結婚・出産を経て2017年からドイツで生活をしている佐藤ありささん。「“Foto”Journal」は、そんな佐藤さんのドイツでの生活を覗かせていただく連載です。ご自身で撮られたお写真とともに、エピソードをお話しいただきます。

第四回は、歴史と文化が融合した国際都市、「フランクフルトの魅力」について。中世ヨーロッパの面影を残しつつも、ドイツの金融と交通の中心地であるフランクフルトは、どんな街なのでしょうか。

今回は、私が住んでいるフランクフルト市街地の魅力をご紹介します。

フランクフルトの正式名称は「フランクフルト・アム・マイン」といい、ベルリン、ハンブルク、ミュンヘン、ケルンに続きドイツ国内では5番目に大きな都市です。気候は夏季と冬季で気温差が大きいのが特徴。旅行時期によっては服装に困ることがあるかもしれないので、しっかり準備することをおすすめします。

まず、フランクフルト市内の観光で外せないのが「レーマー」と呼ばれる旧市庁舎です。

街のランドマーク的な存在のレーマーは、階段状の屋根がとってもかわいいんです。そして、この旧市庁舎を囲む広場一帯を「レーマー広場」といいます。フランクフルトは近代的な建物も多いですが、このレーマー広場一帯は古き良き雰囲気が残っているので、どこで撮影しても絵になりますよ。

この日は快晴だったので、青い空と歴史的な建物のコントラストが特に見事でした。この場所に来ると毎回、中世ヨーロッパの世界にタイムスリップしたような気分になります。

このレーマー広場は12月になるとドイツ最大級のクリスマスマーケットが開催されることでもお馴染み。巨大なクリスマスツリーや、美しいイルミネーションのお店がずらりと並ぶので、クリスマスシーズンは圧巻ですよ。

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続いて、週末と祝日だけ街中を走り回るカラフルな路面電車「エッベルヴァイ エクスプレス(Ebbelwei Express)」をご紹介します。

通称「アップルワイン電車」と呼ばれているこの赤い路面電車は、フランクフルト市内を約1時間で1周します(途中下車も可)。内装がカラフルでとにかくかわいい。天井や窓までペイントしてあるので見ているだけで楽しく、日本ではない色彩に目を奪われます。

運賃は1人8€(2025年7月現在)。乗車するとアップルワイン、アップルジュース、ミネラルウォーターから飲み物を1本選べます。さらにプレッツェルも1人1袋分が運賃に含まれているので、飲んだり食べたりしながら、車窓からの景色を楽しむことができます。初めてフランクフルトを観光する方におすすめ。

ドイツに住んで8年目の私ですが、実はこの日が初めての乗車。私もこの日は名物のアップルワインを飲みながら、旅行者気分で小一時間の電車の旅を楽しみました。

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そして、旅で欠かせないのはなんといってもグルメ!

まずはレーマー広場からほど近く、新鮮なお肉やお魚、パンやチーズなどが売られている「クラインマルクトハレ市場」をご紹介しましょう。

ここでは「メットブロートヒェン(Mettbrötchen)」という、豚の生挽肉のオープンサンドイッチをいただきました。日本では生の豚肉を食べることはできませんが、ドイツでは豚肉も生でも食べられるよう食品管理が徹底されています。

牛や豚肉のミンチにたまねぎやハーブ、塩を混ぜたものをパンにトッピング。牛のタルタルは日本でもユッケのイメージがあるので抵抗はありませんが、豚の生肉は最初口に入れるまで少しためらってしまいました。でも、今では抵抗なくおいしくいただいています。香辛料やハーブが効いているのでお酒にもとっても合います。ぜひチャレンジしてみてくださいね。

市場には飲食スペースもあり、天気の良い日はテラス席で食べることもできます。私もお気に入りのワインと一緒に、お友だちとランチを楽しみました。

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次は、フランクフルトの定番のスイーツ「フランクフルタークランツ(Frankfurter Kranz)」を食べに。

「Goldene Waage(ゴールデネ・ヴァーゲ)」という17世紀初頭に建てられたルネッサンス様式の建物の中にあるカフェがわたしのお気に入りです。歴史的建造物にも触れることができるので、ちょっと特別なティータイムを過ごすこともできます。

このお店では1人用に作られていますが、通常はもっと大きく丸いリング状になっています。ケーキの中心部はバタークリームがふんだんに使われていて、まわりはナッツでコーティングされています。そして、トッピングは砂糖漬けのチェリー。

私はバタークリームが好きなので、このお店に行くとよくこのケーキをいただきます。一見、とっても甘そう! と思うかもしれませんが、コーヒーや紅茶、ハーブティーと一緒に食べるとちょうどいい甘さですよ。

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そしてドイツといえば、やっぱりビールとフランクフルト! 日本人に馴染み深いあの“フランクフルト”はここ、ドイツのフランクフルトが発祥の地です。ドイツに来たら、本場のビールとフランクフルトは絶対に味わってほしいです。

「シュニッツェル(Schnitzel)」という豚肉のカツレツも、フランクフルトでは有名です。マヨネーズベースのソースに数種類のハーブが入ったソースをかけて食べますが、このソースが絶品!

フランクフルト、シュニッツェル、そして付け合わせのポテトを食べながら、この日は初めて「マース(1リットル)ビール」にも挑戦。お料理が美味しすぎてビールが進みました(笑)。

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最後にご紹介するのはマイン川です。

マイン川には、ドイツ語で「鉄の橋」という意味の「アイゼルナー・シュテグ(Eiserner Steg)」という歩行者専用の橋がかかっています。ここは恋人たちの橋として有名なので、橋の両サイドにカップルの名前が書かれた南京錠がずらり。

橋に上がるまでに階段がありますが、両側にエレベーターもあるのでベビーカーや車いすの方も安心して渡ることができます。橋の長さは170m。車が通らないので安心して景色を楽しむことができますよ。

この日は人が多くなかったので、橋の上からゆっくりフランクフルトの街並みを一望することができました。

フランクフルトは鉄道やバスでの移動が非常に便利な街なので、ヨーロッパ中から人が集まります。

しかし、ドイツは国をあげての政策で、日曜日はスーパーやショッピングモールなどのお店が閉まっています。この法に慣れるまでは大変でしたが、今は家族で市内をゆっくりお散歩したり、公園で過ごしたり、落ち着いた時間の過ごし方を楽しんでいます。

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今回ご紹介したフランクフルトのスポットはほんの一部にすぎませんが、旅を計画中の方にとって参考になったら嬉しいです。市内は高層ビルが立ち並んでいますが、歴史的な建造物や美術館、博物館など、おとぎ話に出てきそうな建物も健在です。魅力的なところがまだまだたくさんあるので、フランクフルトにお越しの際はぜひ楽しんでくださいね。

Profile
佐藤ありさ
1988年生まれ。北海道出身。ファッション誌「Seventeen」のモデルオーディション「ミスセブンティーン2005」に選出され、専属モデルとしてデビュー。その後、「non-no」「MORE」「VERY」などでモデルを務める傍ら、映画などでも活躍。また、「Going!Sports&News」(日本テレビ系)ではお天気キャスターとしてレギュラー出演をはたし、活躍の幅を広げる。2016年に結婚、2017年に出産し、現在はドイツで暮らしている。

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語り/佐藤ありさ
文/安田ナナ

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