
2025.08.14
【絶景!】夕暮れ時にフェリーから眺める、シカゴの建築美ツアー
高層ビルが立ち並ぶ、アメリカの大都市・シカゴ。アメリカの中でも美しい建築が有名な都市ですが、シカゴは単に“高い建物が多い”というだけではありません。
この街のスカイラインは、20世紀以降のアメリカ建築の変遷を映し出す、まさに“生きた博物館”とも言える存在です。
そんなシカゴの建築をじっくり楽しむために、ぜひ体験したいのが「建築リバークルーズ」。

水上から見上げる“建築ミュージアム”
建築リバークルーズは、シカゴ川をゆっくりと進みながら、川沿いに立ち並ぶ建築物をガイドと共に巡る約90分のツアー。
いくつかのクルーズ会社が運航していますが、今回利用した「シカゴズ・ファースト・レディ・クルーズ(Chicago’s First Lady Cruises)」は、「シカゴ建築財団(Chicago Architecture Center)」が監修しているのが特徴です。
知識豊富なボランティアガイドによる解説を聞きながら建築を眺めることができ、建築に詳しくない方でも満喫できる工夫がなされています。

特におすすめしたいのが、夕暮れ〜夜景の時間帯。空の色が刻々と変化し、ビルの窓ガラスに夕陽が映る様子はまるで絵画のよう! 夜になるとライトアップされた街の景色が幻想的に広がり、昼とはまったく違う表情を見せています。

クルーズに乗船して、数々の名建築を眺めて
船上からは、近代建築の巨匠たちの作品を、間近に眺めることができます。
まずは1964年に建てられた複合施設「マリーナ・シティ(Marina City)」。その中にあるトウモロコシのような形が印象的なツインタワー「マリーナタワー(Marina Towers)」は、コーンコブ(トウモロコシの穂軸)の愛称で知られる、高さ168メートル、65階建ての高層タワーマンションです。
建築家バートランド・ゴールドバーグによるもので、当時の都市生活の新しいあり方を提案した革新的なプロジェクトでした。

「333ウエスト・ワッカー・ドライブ(333 West Wacker Drive)」は、シカゴ建築の中でも特にフォトジェニックな存在。カーブを描いたガラス張りの外壁が川の流れを映し出す美しいオフィスビルで、1980年代の建築ですが古さを感じさせません。
ミラーのようにリバーの水面や空を映し出す洗練されたデザインは、時間帯によって表情を変え、建築ファンのみならず旅人の心も惹きつけます。

湖側にそびえる、海や波を連想させる建築にも注目を!
さらに、リバークルーズに乗船すると、ウォーターフロントのビル群も間近に見られるのが大きな魅力。特に注目したいのが、湖側にそびえる名建築たちです。
たとえば「レイク・ポイント・タワー(Lake Point Tower)」はミシガン湖の岸辺に建つユニークな高層住宅で、柔らかな三葉型の曲線が特徴的。空や湖面を映す姿は、都市の中に佇むオブジェのよう。

「セントレジス・シカゴ(St. Regis Chicago)」は、女性建築家ジーン・ギャングによる超高層ビルで、ガラスのタワーが複雑に連なる構造はまるで水面のきらめきを彷彿とさせます。

この他にも、アールデコ様式の名残を感じる歴史的ビルや、持続可能性を意識した近年のグリーン建築まで、あらゆる時代の建物が混在しています。しかもそれが“水の上から”一望できるという体験は、やはりシカゴならでは!

私は午後7:15にリバーウォーク沿いの乗船場から出航する船を利用しましたが、ちょうど日没の時間と重なり、空のグラデーションが本当に美しかったのが印象深かったです。シカゴの建築は下から見上げることで、スケール感やデザインの力強さがより一層際立つことを実感しました。
チケットの購入は、公式サイトから事前予約がおすすめ。特に夕方や週末の便は人気が高く、早めの手配が安心です。
シカゴを訪れたら、陸の観光だけではなく、水上から眺める“建築の旅”もぜひ計画に入れてみてください。夕陽に染まる街のシルエットと、静かに流れる川の上で過ごすひと時は、心に残る旅のハイライトになるでしょう。

ビューティ・スパ&トラベルライター/Yuki Link Pte.Ltd.代表(シンガポール法人)大学卒業後、女性誌・書籍・ウェブなどで取材・執筆を行うほか、TV・ラジオ出演、美容イベントMC、美容セミナー・ライター講座の講師など、美&旅を軸に15年以上活動中。アメリカN.Yなどへの留学経験があり、コロナ禍前の数年間は毎月、飛行機・ホテル・観光などのトラベル取材で国内外を巡ってきたジェットセッター。“旅=美を磨くためのエッセンス”と捉え、旅先で美容スポットを体当たりで巡る取材も多く行う。■Coffret web:https://coffretweb.net/
■Instagram:@yukiishihara1112
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