
2025.08.27
【穴場】バリ島でも珍しい遊歩道!潮風に吹かれながら、サヌールの町をじゃらんじゃらん
日本人がよく知るバリ島のリゾートといえば、デンパサールにある空港近くのクタやスミニャック、西洋系に大人気のチャングーなどが知られています。
これらの地域は、確かにリゾート感たっぷりなのですが近年のオーバーツーリズムの影響を受け、混雑は避けられません。もう少し落ち着いた行き先を探しているなら、サヌールをプランのひとつに加えてみませんか。控え目なリゾート地として知られるサヌールは、朝日のスポットとしても人気です。その素晴らしさを、実際の散歩ルートに沿って紹介します。
ビーチ沿いの道をじゃらんじゃらん(=インドネシア語・マレーシア語で「散歩する」の意味)、落ち着いたリゾートの雰囲気を楽しんで。
サヌールが唯一無二のリゾートである理由

バリ島のサヌールには、ビーチに沿って遊歩道が敷かれており、その距離は数kmから5km以上とも! レンタサイクルで走ったり、ジョギングしたりする人をたくさん目にします。
実はバリ島で、ビーチ沿いの遊歩道がこれほど長いリゾート地はとても珍しいのです。
しかもサヌール海岸のサンゴの保護と減少した砂浜の復元を図るため実施された「バリ海岸保全事業」は、なんと日本が支援しているのだとか。2021年には、デンパサール市によりさらに改良が加えられ、今の整った歩道になったのです。


左:地元の子供たちが遊んでいる凧を売る屋台
右:伝統的な建築物などバリらしさを感じる景色
今回は、ビーチの南側、Pantai Sanur(サヌール ビーチ)を起点に北のPantai Sindhu(シンドゥ ビーチ)まで散歩するコースを紹介します。

サヌール ビーチからスタート

南のスタート地は、町中からアクセスのいいサヌール ビーチから!
町中といっても、サヌールは主にビーチに沿った道と並行して走る数本の道からなっている、全体的にコンパクトな町。その分、遊歩道はいつもにぎわっていてローカルも観光客も、思い思いに楽しんでいます。お隣のメルタルサリ・ビーチも人気です。


今回のコースは気ままに歩いて一時間ほど。もちろん途中で町中に戻る道もあるので、すべて歩き切る必要はありません。
歩かずに海辺のプロムナードを散策したいならレンタサイクルという選択肢も。ショップはいたるところにあり、質問してみると一時間25kルピア、朝から夕方まで50kルピア、24時間75kルピアとのことでした。ちなみに、レンタサイクルがあること自体も、バリ島の観光地では珍しいことです。
潮風を感じながら朝食を
ビーチ沿いにはたくさんのカフェやレストランがどこまでも並んでいます。実際の雰囲気やメニューを見て、ピンとくる店に入ってみましょう。
■「Genius Cafe Sanur(ジーニアス カフェ サヌール)」で栄養をチャージ

ナチュラル素材の建物が目を惹く、オーガニックカフェ。自然素材の大きな屋根がある室内とビーチの上の席があるので、店員さんに一声かけて好きな席に座ります。
ビーチの一列目にあるサンベッドは、150kルピア以上の飲食で利用が可能です。

まずは朝食を食べて、散歩に必要なパワーを補充します。スムージーボウルやフレンチトーストなどの西洋系メニューが多めですが、今回は現地のインドネシア料理を選びます。


ドリンクは「Fresh Ginger Lemon Honey」を注文。ジンジャーをはじめ、素材の味がしっかり抽出されていて一口目から濃くて美味しい! 朝の体を芯から温めてくれました。
リゾート地では冷たいものを摂取しがちなので、一日に一杯は積極的にホットドリンクを摂るようにしたいものですね。


左:Bumbu Bali と Fresh Ginger Lemon Honey 169kルピア
右:丸い野菜はアップル エッグプラントというナス
そして、ヴィーガン仕様のイエローカレー。具材が大きくカットされていて、ゴロゴロ入っています。スープにも野菜の成分が溶け込み、食べ応えも抜群! 辛さはなくココナッツミルクでマイルドな仕上がりになっていて、朝の胃にも優しく染み入るようでした。
腹ごしらえをしたら、さっそく北を目指してじゃらんじゃらん(散歩)スタート!
カヤック、カイトサーフィン、サーフィン、マリンスポーツの宝庫!

散歩していると目にする、マリンスポーツの看板。カヤックやカイトサーフィン、サーフィンが多かったです。いずれも英語対応があるので、気になるものがあれば気軽にスタッフに話かけてみましょう。
もちろん、ビーチで泳ぐだけでも十分リフレッシュになりますよ。サンベッドを借りると、荷物を置いたまま水に飛び込めるので、とても便利です。


ホテルのゲスト専用のサンベッドはユニークな形のものも
レストランやホテル併設のもの以外にも、単体でレンタルできるサンベッドも。だいたい一日借りて70~75kルピアほど。そのあいだは場所を確保しつつ、食事をしたり泳いだりできます。
旅の疲れは海辺で癒やす

「ハロー、マッサージ?」プロムナードを歩いていると、いたるところで声をかけられます。振り返ると、ビーチの上に設置されたマッサージベッドと、マッサージ師の女性たち。西洋系の人たちがベッドの上で施術を受けているのをよく目にします。旅の疲れにぜひ!
ICON BALI MALLに立ち寄りも

ビーチに沿って歩いていると突如出現するのが、巨大なショッピングモール「ICON BALI MALL」。ユニークな外観が目を惹きます。


左:ICON BALIのブランコは、撮影スポット
右:真っ青な海を背景に記念写真はいかが?
ハイブランドのアパレルショップから、日本のユニクロ、バリ生まれのフェアトレードショップ、日本や韓国のグルメまで楽しめます。中には大きいスーパーマーケットやお土産物店もあるため、必要なものがあれば立ち寄ってみるといいかもしれません。
シンドゥ ビーチ辺りをゴールに

サヌール ビーチ沿いのじゃらんじゃらん、ゴールはシンドゥ ビーチ。
ICON BALIより5分ほど歩いた辺りが、シンドゥ ビーチ。ここからPantai Segara Ayu(セガラ アユ ビーチ)までのあいだも、引き続き歩きやすく整備されています。
ビーチシートで優雅な食事タイム
シンドゥ周辺には朝食によさそうなベーカリーから、ブランチメニューが豊富なレストランまで、洗練されたレストランやバーが軒を連ねています。
カクテルがお得になるハッピーアワーは多くのレストランで実施しているため、散歩の最後にゆっくりするにも最適です。
■「Kayumanis Seaside Restaurant(カユマニス シーサイド レストラン)」でバリの伝統料理に舌鼓

スタイリッシュな外観が目を惹く、Kayumanis Restaurant。空いていれば潮風が気持ちのいい、ビーチシートを選びましょう。

サヌールの朝日をイメージした、オレンジからレッドのグラデーションが映えるモクテルと、「混ぜご飯」という意味の国民食「ナシチャンプル」を注文。
少し甘めのフルーティーなモクテルを飲みながら待っていると、バンブーのお皿に乗ってナシチャンプルが到着。卵は珍しいフライ、テンペと豆腐は独特のスパイスを仕込んだソースの味がしみ込んでいて、かみしめるほどに口の中にうまみが広がります。


NASI CAMPUR BALI(右)とSANUR SUNRISE(左) 158.859ルピア
食事のあとは、目の前のビーチへ! 足をつけるだけでもリフレッシュできます。

*****
ビーチに沿って、じゃらんじゃらん。まさにサヌールらしい楽しみ方です。観光客だけでなく、ローカルの憩いの場にもなっていて、どちらもそれぞれの過ごし方を謳歌しているのが印象的でした。
ピンとくる場所に導かれるように、ぜひサヌールの散策を楽しんでください。
※情報は取材時(2025年8月)のものです
※料金はサービス料と税金込

旅するように暮らす自然派ライター/オーガニック料理ソムリエ。
4年に渡る世界一周後、オーストラリアに移住し約7年暮らす。コーヒー好きが高じてオーストラリアではバリスタ業の経験も。今は繊細でフルーティーな浅煎りコーヒーに夢中です。ライターとしては旅行誌の広告制作を経て、雑誌広告や編集ページを主に執筆。現在は自然に沿った生き方、ほどほど丁寧な暮らしを自ら実践しながら発信中。地球にも体にも優しい生き方のヒントをお届けしていきます。
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