【俳優・北香那】自分がどう生きたいかを前向きに考えている人に憧れる
INTERVIEW

2025.07.09

【俳優・北香那】自分がどう生きたいかを前向きに考えている人に憧れる

1970年代に起こった連続企業爆破事件の指名手配犯・桐島聡。桐島氏が約半世紀におよぶ逃亡生活の末に病死したというニュースは記憶に新しいところです。

そんな彼の半生を描いた映画『「桐島です」』が7月4日(金)より公開中です。

内田という偽名を使って生きた彼の心を動かしたのが、ライブハウスで出会った北香那さん演じる歌手・キーナです。フィクションの部分も多い中で、北さんはどのようにキーナを演じたのか、さらに美容についても伺いました。

隠したい過去を背負っている人の対極にいたかった

――今作への出演を決めた理由はどういったところだったのでしょう?

正直、桐島聡という人物が何をして、どういう時代に生きたのかということを全く知らなかったんです。ただ指名手配のポスターを見て、「何か悪いことをした人なんだ」と思っていました。そのぐらいの知識しかない中でいただいたお話だったので、調べたり資料を見たりしました。起きてはいけない事件だったとは思います。

でも、当時、彼らが貫きたかった正義や信念、より良い未来に向けてどうにかしたいという思いに関しては本物だったんだろうな、と。人を巻き込みたくない気持ちも本当はあったでしょうし。彼らもやっぱり人間であったという部分を感じた時に、この人の人生をちょっと見てみたい、と思ったんです。そして、その人生を映画に落とし込んだ時に、自分の役で、少しでも何か力添えできるようなことがあるならと思って、出演を決めました。

――キーナを演じる上ではどういったことを意識されたんですか?

キーナという人物にクローズアップしてどんな人なのか考えたというよりは、隠したい過去を背負っている人の対極にいたいと思いました。キーナは屈託がなくて、未来に向かっている人。彼と別世界というイメージはありました。

キーナは内田さんのことが好きですし、彼もキーナに思いを寄せていたと思いますが、自分と真逆であるキーナと会うと、桐島さんは過去に引き戻されていた気がするんです。

――キーナと向き合う場面では、桐島氏の人柄が表現されてもいますよね。

彼は真面目な人だったと思うんです。キーナは彼を好きだけど、彼を傷つけていたというか、そういう複雑な気持ちで演じていたかもしれません。

歌に影響されて生きている

――印象的なのはやはり弾き語りのシーンです。練習もたくさんされたんですか?

独学ですが、趣味でギターをやっていました。でも、いつもはコードを見て弾いていたので、見ないで弾くのはすごく緊張しました。

――桐島氏はキーナ自身だけではなく、キーナが歌う「時代おくれ」(河島英五)の曲や歌詞にもすごく惹かれたのかな、と思います。北さんご自身が支えになっている楽曲はありますか?

歌に影響されて生きてるというか…でも一番は中島みゆきさんの「ファイト」ですね。なにかあった時は絶対に聴くと決めているんです。かっこいいし、女性の強さを歌っている曲に励まされます。

あとはギターを始めたきっかけにもなったのですが、シンガーソングライターの大森靖子さんが大好きで。励まされるのは、「東京と今日」です。聴いていて歌詞に震えます。

――今回の「時代おくれ」の歌詞は歌われてどうでしたか?

ものすごい歌詞だなぁと思って。現代にあまりない歌詞ですよね。

理想の男性の印象というか、静かに笑って、でしゃばらない、という歌詞がとにかくかっこいいですし、しびれます。

桐島が1人で歌っているシーンがあるのですが、歌詞が相まって、ちょっと涙が出ました。

実は「すごくせっかちで優柔不断なんです」

――キーナもそうですが、北さんは芯のある女性を演じられることが多いのかな、と。ご自身ではどういった性格だと分析されていますか?

すごくせっかちで優柔不断なんです。

――ちょっと意外です。

あとは基本的に頭の中が休まることがなくて、ずっと何か考えています。小さなことで言うと、歌詞がずっと離れなくなったり。一度、目にしたり聞いたりしたものが、ずっと頭の中で残っているんですよね。それでせっかちで優柔不断だから…近頃、本当にそんな自分が嫌で、落ち着きたい気持ちがあるので、迷った時には書き出してみたり、今までにやったことのないことを試したりしています。

――美容についても伺わせてください。普段はどのような肌のお手入れをされているんですか?

皮膚が人より少し薄いので、毛細血管が浮いたりや赤みが出たり、本当にずっと悩んできたんです。でも、やっぱりシンプルイズベストなんだなと思いました。最近はパックをしたり、美容液を塗ったりせず、シンプルに化粧水で平気です。あとは、洗顔は絶対にオールインワンを使うと決めています。摩擦が大敵だと思ったので。

――美容のためにやっていること、やらないようにしていることはありますか?

サウナですね。肌が少し強くなったので入れるようになりました。前は焼けて真っ赤になっちゃって、何日も響いていたんですけど。サウナで汗を流しているとやっぱり肌質は変わりますね。

あと、一番大事だと思っているのがナイトキャップです。寝る時に髪が顔に触れるのが肌にはよくないと思って。

――髪を傷めないためではないんですね。

どんなに疲れていようがどんなに大変な日だろうが、それは必ずやってます。シルクのナイトキャップがおすすめです。それで額のニキビがなくなりました。

――最後に、“キレイな人”と聞いてどんな人を思い浮かべますか?

見た目もひとつの要素だと思うのですが、どちらかというと、心がキレイな人につながると思っています。それより自分がどう生きたいかを前向きに考えている人に憧れるし、かっこいいし、美しいですよね。

…「時代おくれ」の歌詞みたいですね。やっぱり男女、性別、年齢層関係なく響く曲なんだなと改めて気づきました。

Profile
北香那
1997年生まれ、東京都出身。2017年、ドラマ「バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」の出演で注目を集める。主な出演作は、映画『なんのちゃんの第二次世界大戦』『春画先生』『約束』『湖の女たち』『あの人が消えた』、ドラマ「ガンニバル」シリーズ、「インフォーマー」シリーズ、「魔物(마물)」、大河ドラマ「どうする家康」などがある。

■『「桐島です」』作品情報
2025年7月4日(金)より新宿武蔵野館ほかにて公開中
出演:毎熊克哉
奥野瑛太 北香那
高橋惠子
監督:高橋伴明
脚本:梶原阿貴、高橋伴明

©北の丸プロダクション

<衣装協力>Kana

スタイリスト/扇野涼子
ヘアメイク/内藤茉邑
撮影/芝山健太
取材・文/ふくだりょうこ

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