“本場ヨーロッパの蚤の市”。ベルギー最大のアンティークマーケットの楽しみ方
LIFESTYLE

2025.06.29

“本場ヨーロッパの蚤の市”。ベルギー最大のアンティークマーケットの楽しみ方

日本でも「蚤の市」イベント人気の高まりが年々上昇していますね。

アンティークの本場といえばヨーロッパ! 有名なフランスだけでなく、近隣国でも毎週のように大小様々な規模のマーケットが開かれています。

今回はベルギー最古の街「トンゲレン」で毎週開催されている、アンティークマーケットの様子とともに楽しみ方をご紹介。

ヨーロッパにおける「蚤の市」の存在

ヨーロッパでは蚤の市が様々な場所に存在し、古物やアンティーク、雑貨などが気軽に手に入る場として広く親しまれています。

各地の歴史や文化とも深く結びついており、古いものを大切にする精神や、昔に遡って人々がどんなものを使って生活していたのかも垣間見ることができますよ。

蚤の市・アンティークマーケットの楽しみ方

【楽しみ方その1】マーケットの特徴を知る!

蚤の市はマーケットごとに特色があり、売られている品物や雰囲気も異なるのがおもしろいところ。事前にチェックしてから訪れると更に楽しめますよ。

アンティーク(antique)/ヴィンテージ(vintage)どちらも古いものを指しますが、定義が少し異なることをご存じですか? 違いを知っておくとワンランク上の楽しみ方できるかも。

アンティークとは……製造されてから100年以上が経過、歴史的・美術的価値が高いもの
ヴィンテージとは……製造されてから20~100年以内、高品質で価値のあるもの

蚤の市は広く生活用品など様々な品物が並ぶのに対し、マーケットの名称として「アンティークマーケット」と記載されている場合は、値段と品質が高い年代ものが並ぶことが多いのだとか。

【楽しみ方その2】お目当てはお早めに!

多くのマーケットは早朝からスタート。よい物は早く売れてしまうため、早い時間に訪れるのが吉。

【楽しみ方その3】値段交渉してみよう!

出品者と直接会話できるのも醍醐味。まとめ買いなどで、値段交渉をしてみると少しお得にしてくれる場合も。「少しだけ…お願い!」という会話を楽しんでみては? もちろん売り手側を尊重する気持ちは忘れずに。

ベルギー最大のマーケット「トンゲレン」

ベルギー南東部、オランダ国境近くに位置している「トンゲレン(Tongeren)」。遡ること2000年前、古代ローマからの歴史が残るベルギーで、最も古い都市のひとつと言われています。

ここでは、30年以上前から週に一度、トンゲレンのアンティークマーケット/Antiekmarkt Tongerenが毎週日曜日7:00~13:00開催されています。

約350以上の出店者、40以上もの店舗型アンティークショップも参加し、その規模はベネルクス(ベルギー・オランダ・ルクセンブルクの総称)最大とも。ヨーロッパ中から大勢のコレクターが訪れるのだとか!

中世の雰囲気漂う情緒あふれる街はまるでタイムスリップしたような気持に。中世ローマ時代の城壁、博物館など、トンゲレンにはたくさんの見どころがあります。

出会ったらゲットしたい!一期一会のアイテムたち

私はまだまだ初心者なので、今回は蚤の市やアンティークマーケットに詳しい、私と同じくドイツに住む友人にアドバイスをもらってから訪れることに。

楽しむ心得としてまずは「一期一会の出会いを大切に」「自分の直感を大切に」とのこと。

次にいつ出会えるかわからないような一点ものばかり。素敵な出会いを見逃さないようにじっくり見て回るのがオススメ、との助言を胸に赴きました。

トンゲレンのまわり方のポイントは、路面店だけでなく街中のアンティークショップでもよい出会いがあるので、店舗も周るのがオススメとのこと。

ベルギーといえば! のブランドや、特に気になったもの、購入したものなどご紹介します。

■アンティーク食器

私の一番のお目当てはこちら。クラシカルな雰囲気の繊細な柄が施された食器たちです。ベルギーという土地柄、このお店ではベルギーだけでなく近隣のオランダやフランスのものが多く取り扱われていました。

どの食器も100年以上前のもので、中には1860年代のプレートも…! ヨーロッパでは後の歴史にも影響するような戦争も勃発していた頃。割れることなく数々の戦火をくぐりぬけて来たのだろうか…などと、思わず思いを馳せてしまいます。

ヨーロッパでは、ツバメは幸運の象徴とされて親しまれています。置物にも壁飾りにも使えそうな可愛らしいツバメの陶器を発見。

15世紀にオランダのマーストリヒトという街で作られたというティーセット。16点セットで販売されていましたが、こんなにも数が揃っているケースは稀なのだとか。

■ボッホ(BOCH)

1841年にベルギー創業の陶器メーカー。現在ではベルギー御用達で有名なRoyal BochやVilleroy Bochの前身となった、歴史ある会社です。そんなベルギーならではのアンティーク食器が手に入るのもこのマーケットの魅力。

キャラメルブラウンや深草色を基調とした、職人のハンドメイドが生んだ暖かな色合いがとても素敵。こんなにも多くのボッホが揃っているのは珍しいのだとか。訪れた際はぜひゲットしたいアイテムです。

■デルヴォー(Delvaux)

1829年にベルギーのブリュッセルで世界最古のファインレザーグッズブランドとして生また老舗。ベルギー王国が1830年に誕生する1年前に誕生し、王室だけでなく多くのセレブにも愛されている、手作りにこだわったブランドなのだとか。

■シュタイフ(Steiff)

ドイツ生まれの”世界で初めてぬいぐるみを作ったブランド”。 職人によって一つひとつ丁寧に作られたシュタイフのぬいぐるみは、唯一無二。正規品の証として、ぬいぐるみにボタンとタグが付けられているのはご存じの方も多いはず。時代を超えて誰かのお気に入りだったぬいぐみたちもこうして受け継がれていくのでしょうね。

■家具類

路面店だけでなく、屋根付きの体育館や駐車場を使った会場もあるので雨天時でも問題なく開催されます。

家具はもちろん、シャンデリアなどアンティークマーケットには本当に何でもあります。

心機一転、お家をリフォームする予定があれば、シャンデリアを購入してみるのも良い…かも?

■絵画

立派な額縁も当時のまま。どんな壁に飾られていたのだろう、と想像が膨らみます。お気に入りの画家のものを探したり、直感を信じて選ぶのも楽しいひと時。

こちらはイギリスのアンティーク品。その昔、アウトドアでのガーデンアフタヌーンティーで使用されていたケーキスタンドなのだそう! 持ち運びが簡単で折りたたみ式。迷わず購入しました! お値段35€。こんな掘り出し物もあります。

普段は体育館として使用されている会場。アンティークが並ぶ中、バスケットゴールがあるのがなんともユニークな雰囲気。

■銀食器や真鍮品

ずっと探し求めていたものがこちら。1920年代のペーパークリップを購入。ひとつひとつデザインが異なるので、じっくり選定。悩む時間も至福です。

何に使うのかわからないようなものもチラホラ。用途を限定せず、自分の心の赴くまま自由な使い方をして、そのアイテムに命を吹き込むことができるのもアンティークならではの良さ。手に取って眺めているとアイディアが溢れる時間も楽しみ方のひとつと言えますね。

今回購入したものの一部。まだまだ欲しいものがありましたが、次回のお楽しみに。また各地のマーケットを巡るのが待ち遠しくて仕方ありません!

時を超えて巡り合う素敵な出会い

早朝から始まるマーケットを楽しんだら、その街を散策したり、ランチを食べたり観光する時間もたっぷり取るのがオススメ。

蚤の市は、ヨーロッパ旅行の醍醐味のひとつと言えます。純粋に掘り出し物を探したりお買い物を楽しむだけでなく、その地域の歴史や文化、人々の生活に触れて街の雰囲気に浸る楽しみを体験できる魅力的な場所だと思います。ぜひ訪れた際は、何かひとつ”一期一会の思い出”を持ち帰ってみてはいかがですか?

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