
2025.06.07
精進料理からB級グルメまで。弾丸上海で味わえる絶品グルメ5選
上海といえば、グルメの聖地であり、中国全土の多彩な食文化を体験できる場所。世界の美食家たちをうならせるレストランがたくさんあります。
今回、地元の友人にアテンドしてもらい、人気の精進料理店や話題のレストラン、地元民の食堂として定着している小籠包のお店など、2泊3日で堪能してきました。五感で楽しんで至福に浸る、至高の上海のグルメレポをお届けします!
インテリアが映え!味も本格的な精進料理

仏教徒も多く、国際的な食文化が根付いている上海では、精進料理やベジタリアンレストランも多くあります。上海初日のお昼は、友人が上海人だけでなく外国人にも人気の精進料理のレストラン「若無」に連れて行ってくれました。場所は、上海の都心、静安寺にあります。

お店に一歩足を踏み入れると、そこは外の喧騒から離れた別世界。木のぬくもりを感じる家具や繊細な花々、アンティークの調度品や茶器などに囲まれた、ゆったりと時が流れる空間です。どこを切り取っても素敵。

いただいたのは、精進料理の中国茶つきコース(一人約4,000円)。蜜香紅茶と阿里山烏龍を選びました。電気ポットも各テーブルにあるので、好きなだけ熱々のお茶を飲めるのが嬉しい。

お料理はもちろん肉類ゼロ。エリンギのステーキやきのこソースのルーローハン、里芋のペーストや野菜の煮物、きのこミートボールのスープなど、きのこと野菜が中心。お肉は使っていないのに、どれも美味しくて満足感大! 見た目も美しく、五感で楽しめるお料理でした。
宮廷料理と踊り。皇帝晩餐会を再現したエンタメレストラン

1000年前の歴史書をもとに、中国の宮殿で行われる皇帝晩餐会を再現したというレストラン「宴宮」。中国全土からはもちろん、海外からの観光客にも人気のレストランです。今回は1か月以上前に予約をしました。お店のお掃除をしているスタッフの方も宮廷衣装で、最初からテンション上がります!

宮廷をイメージした建物は中庭から幻想的で、まるで古代にタイムスリップしたよう! こちらにはプロのスタイリストやヘアメイクがいるので、興味のある方は皇帝、将軍、側室に変身することが可能(事前予約が必要です)。きらびやかな衣装が雰囲気をさらに盛り上げます。

会場に入ると、黄金の柱、彫刻、ずらりと並んだテーブルと格式高いテーブルセッティングが。お茶の注ぎ方、礼儀、立ち振る舞いも、当時の作法をそのまま再現。また、お料理をいただきながら鑑賞できるパフォーマンスは、伝統楽器・雑技・京劇と幅広く、観客を飽きさせない構成と演出が圧巻です。中国の美男美女が勢ぞろいでまさに目の保養でした。

パフォーマンスが中心なのかな、とそこまで期待していなかった宮廷料理ですが、こちらの完成度も高い! 煮物、焼き物、スープのどれもがキャンドルホルダーつきの器で、ずっと温かさをキープ。パフォーマンスに夢中になっても、最後まで美味しく食べられる気遣いに感動。次回は変身も体験してみたいです。
※パフォーマンス鑑賞と宮廷料理
一人約15,000円(日本のエージェントを通すと値段が変わります)
コラーゲン凝縮!濃厚鶏スープと鮑の火鍋に舌鼓

話題の商業施設、蟠龍天地の中にあるのが「如一鶏鮑肴」というお店。新鮮な鮑とオーガニックの地鶏、中国四代海味の花膠など、高級食材を使用した贅沢な火鍋が、5,000円前後で楽しめます。

私たちが通された窓際の席からは、運河が望めて風情たっぷり! 午前中にこのエリアをお散歩して、こちらでランチをするのがオススメだと現地の友人が教えてくれました。

さっそく出てきた火鍋には、肉厚の鮑がドーン! 地鶏と花膠を白濁するまで煮込んだスープには、クコの実などの漢方食材も。花膠は魚の浮袋で、コラーゲンがなんとフカヒレの2倍。滋養強壮やアンチエイジング効果が最強なんだそう。

鮑にまるごとかぶりついて食べたのは、これが初めて(笑)。鶏も柔らかく、そしてスープが飲み干せるほど美味しい。鮑と鶏を堪能したら、野菜やきのこ、牡蠣やホタテなどの海鮮を投入します。そして、別で頼んだ上海カニみその炒飯! これが忘れがたいコクと旨味の宝庫。蟠龍天地の観光と合わせてぜひ体験を。
地元民が通う、焼き小籠包と酸辣粉の穴場店

上海で小さな屋台から始まり、今では250店舗を展開する焼き小籠包店「小楊生煎」。上海の友人たちの行きつけが、豫園という観光地の近くにある香港名都店。ここは、他の店舗より空いている穴場なのだとか。

写真左は、野菜の焼き小籠包(4個 280円)。細かく刻んだハコベラとセリ、新鮮な豚肉と豚のゼラチン入りで、シャキッとした触感と肉の旨味がたっぷり。右は、牛肉酸辣粉(350円)。唐辛子や花椒を使ったピリ辛で酸味のあるスープに、ツルツルとしたコシの春雨が入っています。焼き小籠包と春雨のセットが定番なのだとか。

焼き小籠包の他に、友人オススメなのが焼き餃子(4個 200円)。噛むと、中から肉汁がじゅわっとあふれ出てきてジューシー。これ、ハマる人が多いのもうなずけます。朝の6時半から22:00まで営業しているので、朝ごはんやおやつ、夜食にもオススメです。
上海の絶景と生演奏の中でいただく、創作薬膳料理

ノスタルジックな街並みと対岸にある近代化した街、陸家角にある名所ビル、「金茂タワー」6階にあるレストラン「膳道」へ。こちらでは、自家菜園で育てた無農薬野菜や漢方食材を使用した薬膳料理がいただけます。

テラス席に足を踏み入れた途端、「わっ」と歓声が出る景色。今まで何度も上海には来ているけれど、こんなに特等席で東方明珠を見られるなんて最高の贅沢。感動で胸がいっぱいになりました。

お料理は、医食同源にこだわった養生食。夜のコース(約11,000円)では、8種類の漢方を使用した手作りの伝統菓子と薬膳スープの前菜に始まり、アイスプラントのサラダ、滋養強壮や免疫力強化に効果的なキノコの炒め物、さらには、「海の高麗人参」と呼ばれ、腎を強化し、血液循環を改善にも役立つナマコのスープまで、とにかく栄養づくしの内容です。まさに、食べる薬のようなお料理。あっさりとした味わいで、量はたくさんいただいたのに、食後の胃腸はとても軽やかでした。

食事をしている間に日が暮れて、ヴァイオリンの生演奏とともに東方明珠や周辺のビルがライトアップ。映画のワンシーンに迷い込んだような景色を眺めながら、夢のようなひと時を過ごしました。東方明珠やその周辺のビルは風水によって設計されていて、この一帯がパワースポットに。上海へ来たら、ぜひこの特等席を楽しんでほしいです。
2泊3日の弾丸グルメ旅。限られた時間の中で、食も観光もぎっしり詰め込んで大満足。今回、ヘルシーなものが多かったので、お腹はいっぱいなのに旅行中も身体が軽くて罪悪感はゼロ。たくさん歩いたので、帰ってきたら体重が減っていたくらいでした(笑)。ヘルシーと美味しいが共存しているのも中国料理の大きな魅力。飛行機で片道2時間半。みなさんも、ぜひチャイナグルメを味わいに上海へ!

美容・恋愛ライター、美食レシピ研究家。女性誌を中心にライターとして約20年活動。恋愛、美容、食、健康、結婚、出産など女性のライフスタイルに寄り添ったコラム執筆ほかセミナーを随時開催しています。料理家としても活動しておりアンチエイジングを目的とした料理を中心にレシピつきレストラン「Mitsue’s Kitchen」をオープン。
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