モダンと歴史が融合した上海へ、2泊3日の弾丸旅を楽しむ
LIFESTYLE

2025.05.27

モダンと歴史が融合した上海へ、2泊3日の弾丸旅を楽しむ

2024年11月30日よりビザが免除になり、以前と同じく自由に旅行へ行けるようになった上海。この時を待ちわびて、ついに2泊3日で訪れてきました。「上海はすごく変わった」と各方面から聞くのでドキドキでしたが、私が感じたことは、商店が減ったこと(みなさんネットで買い物をするので)、支払いはすべてオンライン決済になったこと、電気自動車が多く走っていること、街がきれいになり、治安が良くなったこと。心配していた古き良きノスタルジックな建物や街並みはそのまま残っていてホッとしました。

羽田から飛行機で約2時間半。実は、日帰りでも気軽に行ける上海の魅力をご紹介します。

上海に新オープンの観光名所、「蟠龍天地」へ

2024年にオープンしたばかりの新名所「蟠龍天地(パンロンティエンディ)」へ。虹橋空港からタクシーで約20分(約1,200円)、都心からも約30分と好立地なので、空港への行きや帰りに寄るのもおすすめです。

千年以上の歴史を持つ江南水郷「蟠龍古鎮」をイメージしてできた商業施設。お店のほかに、住宅、ホテル、広大な緑地が融合して街全体が映えスポットになっています。

杭州発の人気のティーショップ、「BLAN BUNNY(ブランバニー)」も発見。ブランドのイメージキャラクターの兎さんが出迎えてくれます。店内にはオリジナルのお茶や、兎モチーフの可愛いティーカップやティーポットが並んでいて、見ているだけでも楽しい空間。

施設内は、ブルーボトルコーヒーをはじめとした人気のカフェやレストランが軒を連ねます。どのお店も街の雰囲気に合わせたデザインで素敵。

約1000年以上の歴史を持つ水郷古鎮、「七宝老街」

上海都心から電車かタクシーで約30分。弾丸旅行の半日にぜひ入れ込んでほしいのが、「ミニ水郷」と呼ばれる七宝(チーバオ)。約1000年以上の歴史を持ち宋代に形成された街で、まるで昔にタイムスリップしたかのような雰囲気が味わえます。

観光用に整備されつつも、住民の方は日常生活を送っていて、観光客をよそ目にゆったりとした時間が流れています。何度来ても飽きなくて、上海に留学していたころはよく散歩に来ていました。

商店がたくさん立ち並び、B級グルメが食べ歩きで楽しめるのも魅力のひとつ。朝9時にはすでに地元の人々や観光客でにぎわっています。

そして、七宝に行ったらぜひ立ち寄ってほしいのが、茶館。水郷の周りには中国茶を楽しめるお店がたくさんあります。この日訪れたのは、友人の行きつけである「賞心院茶館」。入口にある瓶の中から好きなお茶を選びます。価格はお茶の値段によって変わりますが、フルーツやお茶菓子がたっぷりついてきて、ひとり3,000円前後。お腹いっぱいになるので、朝ごはん替わりにいただきました。

水郷を眺めて鳥の声をBGMに、そよ風を感じながらいただく美味しいお茶はまさに至福。あまりに心地よくて、気づけば2時間も経っていました。友人はここでよく仕事の打ち合わせをするのだそう。うらやましすぎます!

フランス疎開地を歩いて「東洋のパリ」を体感

上海へ行ったら、ぜひ訪れてほしいのが旧フランス租界エリア。プラタナスの並木道、洋館やアールデコ様式のヴィラ、路地裏の小さなカフェが作り出す風景はまさに「東洋のパリ」。散歩するだけで、西洋文化と東洋文化が交錯した独特の空気を感じることができます。写真は宛平路。高級住宅地でもあり、素敵な邸宅が立ち並びます。

中でも、ここ数年前から注目されているのが、上海初の「永久景観保存地区」に指定された武康路にある「武康大楼」。上海で数多くの名建築を手がけた巨匠、ヒューデックの設計で彼の代表作の一つです。第一次世界大戦時のフランス戦艦をイメージしたデザインが特徴で、多くの観光客が写真を撮っていました。一階には建物の歴史がわかるギャラリーやショップがあります。

そして、このビルの並びには話題の書籍がセレクトされた書店が。可愛い中国コスメやお洒落な雑貨が売っていて、私はここでハンドクリームやフレグランスをお土産に買いました。こちらの隣には、中国映画の女優さんが着ているようなチャイナドレスを販売するお店もあります。

古い洋館をリノベーションしたカフェで美味しい珈琲を

武康大寓から徒歩約20分の場所にあるのが、復興中路沿いの「黒石公寓(Blackstone Apartment)」。1929年に建てられたアールデコ様式のアパートメントです。実は、私は以前ここに住んでいました。街を歩いている時にこの建物に一目ぼれし、不動産屋さんに立ち寄ったらちょうど空室があって、即決。当時の家賃は、日本円で月約5万円ほど。今ではかなり値上がりしているはず…。100年以上前からの猫脚のバスタブもあってワクワクしましたが、住むとネズミが出たり排水溝から草が生えてきたり大変なこともありました(笑)。でも、なかなか経験できない体験で、上海の思い出の大部分をここでの暮らしが占めています。

しばらく来ない間に一階がリノベーションされて複合施設になっていました。敷地内には、セレクト書店、ショップ、アート施設、ホテルなどがあります。

私も半年通った「上海音楽学院」があるこの街は”音楽の街”ともいわれており、レコードショップも入っていました。上海は特に発展が早くて、どんどん街が変わっていきます。その中でも、文化の名残がありつつ、歴史的建築がこうして残っているのが貴重なことだと感じました。

また、建物をリノベーションしたカフェ「Drops咖啡工作室」も併設。日本にはなかなかない重厚感のある建物と、ヨーロッパのような雰囲気にときめきます。

カフェでは、高品質な豆を使用したハンドドリップやエスプレッソベースの珈琲、手作りのケーキが人気。旧疎開地散歩の途中の休憩にぴったりのカフェでした。

2泊3日の上海観光。最後に見ておきたいのが、上海の象徴ともいえる、テレビ塔「東方明珠」を望む夜景です。1990年代の浦東開発に伴い建設され、改革開放後の上海の経済成長を象徴。球体の建物ほか、その周りを取り囲むビルも風水をもとに作られていて、この夜景自体がパワースポットとも呼ばれています。上海が初めての方は、黄浦江を挟んだ外灘からの眺めを楽しむのがおすすめです。

※写真は東方明球が特等席で望めるレストラン、「膳道」(金茂店)で撮影

上海は東京くらいの広さなので、たった2泊3日でも満喫できます。ノスタルジーと近代化が進むコントラストのある街は、きっとたくさんの刺激とパワーを与えてくれるはず。時代の流れとともに街並みも急速に変化していきますので、ぜひ、「今」の上海を体感してみてください。

RECOMMEND

CATEGORY