
2025.05.22
お寺の境内にある「D&DEPARTMENT KYOTO 」で、京都ならではの旬グルメやロングライフデザインに出会う
京都ならではの旅行先を考えているなら、本山沸光寺の敷地内にある「D&DEPARTMENT(ディーアンドデパートメント)」の京都店と、カフェ「d食堂(ディしょくどう)」を目指して。
京都市営地下鉄「四条駅」から徒歩約6分、京都一賑わう河原町界隈からも近く、観光地のひとつとしてもアクセスのいい場所にあります。
お寺の境内というユニークな環境で、地産地消のグルメを楽しんだり、D&DEPARTMENTが提案する長く使える愛用品に出会ったり…。いつもの観光にプラスアルファで特別な体験を求める人に、ぜひ訪れて欲しいスポットです。
D&DEPARTMENTと京都店について

北海道から沖縄まで、全国に展開しているコミュニティ、D&DEPARTMENT。地域のロングライフデザインを発掘し、その地域らしさを見直し、発信するストアスタイルのコミュニティ拠点です。境内にある「和合所」の棟がストアに、「茶所」だった場所がカフェとして活用されています。
ロングライフデザインとは長く使い続けられるデザインやそのアイテムで、ストアでは主に家具や生活雑貨を販売。また地域らしさ、地産地消という観点からその地域で作られた調味料やお酒などの食にまつわる商品も並びます。

D&DEPARTMENT KYOTO/d食堂 京都
同じ敷地内、ストアの斜め向かいにはd食堂 京都があります。ストア同様、沸光寺の歴史をそのまま受け継いだ建物で食事ができる、旅情緒たっぷりの嬉しい環境です。
お寺の営みに寄り添いながら運営されているのも特徴で、毎朝8時から行われる法話は誰でも聞くことができるそうですよ。


右:メニューをチェック
京都で採れた野菜、地元では知らない人はいない調味料など、京都らしい「健やかな食」を体験できる地産地消の食堂です。
またヴィーガンやグルテンフリーの対応ができるメニューのときもありますが、通常はそうしたメニューは特にないとのことです。
d食堂で地産地消グルメに舌鼓

季節の素材を使った定食に、創業当時からの愛されメニュー「d&ドライカレー」はじめ、地元産の調味料や豆腐などを使ったうどんメニューも。
今回は数量限定、季節のランチを注文。取材時は、京都府南西部・乙訓(おとくに)で採れるタケノコが主役の「京都 乙訓定食」でした。
実はこちら、今年初めてのメニュー。「乙訓でタケノコを採っている人とご縁ができたから」と店長の内田幸映さん。この地域で育つ「白子筍(しろこたけのこ)」と、放置竹林を再生させる目的で作られているメンマを中心にした定食です。
席に置かれた瞬間、ふわっと出汁とタケノコの香りが立ち上り、懐かしさを覚えてホッとしました。

肉厚なタケノコが楽しめる若竹煮、dオリジナルの「黒だしつゆ」で味つけされた長文屋さんの山椒七味を好みでつけていただくきんぴら、優しい味わいの炊き込みご飯、琴引きの塩で味つけされ、菜花のほろ苦さが残るお吸い物、そして口の中がリフレッシュするデザート代わりの桃太郎トマト…。
さまざまな調理法で楽しむタケノコは、どの料理も歯ごたえ味ともに満足度の高い定食でした。
コーヒーともなかを食後に
コーヒーと「中村製餡所のもなか」は、食事を頼むとセット価格でつけることが可能です。
京都の餡好きなら、知らない人はいないであろう明治41年創業の「中村製餡所」は、こだわり抜いた原料を使い伝統製法で作る餡が特徴。添加物を一切使用していないのも嬉しいですね。

もなかの皮が餡を軽く挟む形で提供されるので、指で押さえてもなかを作ります。作るといっても親指と人差し指で軽く押すだけで、滑らかなあんがすっと皮に合わせて形を変えてくれます。手焼きの皮のパリッとした食感と、素朴な餡の甘味に心がほぐれていくよう。



一緒にいただいたのは、「中山珈琲焙煎所」のスペシャリティーコーヒー。
d食堂で提供されているのは、グアマラとコロンビアがベースの同店オリジナルブレンドです。酸味はほぼ感じず、まろやかで軽い飲み口。万人受けしやすい飲み心地だと感じました。

お寺の敷地内にあるD&DEPARTMENT KYOTO

沸光寺の境内にある、D&DEPARTMENT 京都店は観光客だけでなく、地元の人もふらりと訪れる憩いの場でもあります。
スタッフの方にお話を伺うと「国外からのお客さんも多いですが、お昼休みのOLさんが境内でご飯を食べたり、子どもたちがふらりと遊びに来たり、色んな方が立ち寄ってくれます」とのこと。この場所が地域に根づき、人々から愛されていることがわかりますね。
「寺子屋という学びの場があったように、ここも訪れた人の学びにつながる場となれるなら」とスタッフさんは話してくれました。店頭の展示を見て商品に実際に触れて感じることはもちろん、同店舗では長く続く「もの」や「こと」から学ぶことができるワークショップも不定期で開催しています。
暮らしの相棒を探そう
店内には、ロングライフデザインを軸に厳選された、京都を中心とした地域で作られたアイテムが並んでいます。
D&DEPARTMENTの創設者、ナガオカケンメイ氏が提唱する「もののまわり」という考え方。「もの」にはそれを取り巻く「まわり」があり、関わり合う人々や地域、作り手や使い手などを意識することで、より健やかなもの作りや生活が生まれていく、というものです。
さらにスタッフさんは「取り扱う商品の会社さんとは長い付き合いです。売れなくなったらその理由を一緒に考え、向き合い、その良さを伝えていく。問題解決も一緒にしていくんです」と教えてくれました。作り手と仲間のような関係性が魅力的です。
京都店では和紙を使った缶、ろうそく、風呂敷など「京都らしい」が詰まったアイテムが目立ちます。特に気になったのは「金継ぎキット」や「ふきうるしキット」。気軽に家で体験できるのがいいですね。


DIYキットは海外の方へのギフトにも
定期的に企画展も実施。常設で扱っているアイテムのみならず、3点ほどを掘り下げて展示しています。さらに店頭だけでは伝え切れないところは、隣のギャラリースペースも活用。「もののまわり」を取り巻く5つのテーマ、背景、ストーリーを深掘りして発信しているのだそうです。



右:どこにいても木々の緑が目に入る
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本山沸光寺の境内にあるD&DEPARTMENTを紹介しました。
観光がてら、また近くに住んでいる方はふらっと訪れてみてはいかがでしょうか。
全国にある店舗ごとに色が異なり、企画や商品そろえに地域性があるためお土産探しにもいいですね。京都以外のストアも、近くに行く機会があればぜひチェックしてみてください。

旅するように暮らす自然派ライター/オーガニック料理ソムリエ。
4年に渡る世界一周後、オーストラリアに移住し約7年暮らす。コーヒー好きが高じてオーストラリアではバリスタ業の経験も。今は繊細でフルーティーな浅煎りコーヒーに夢中です。ライターとしては旅行誌の広告制作を経て、雑誌広告や編集ページを主に執筆。現在は自然に沿った生き方、ほどほど丁寧な暮らしを自ら実践しながら発信中。地球にも体にも優しい生き方のヒントをお届けしていきます。
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