
2025.03.25
【春のオランダ】世界最大!チューリップの絶景「キューケンホフ」
ヨーロッパでは、暗く寒い冬が終わりを告げ、道端に花々の彩りが溢れ始めたこの頃。オランダの代名詞「チューリップ」の季節が今年もやってきました!

「世界で最も美しい春の庭園」とも言われる、世界最大級のフラワーパーク「キューケンホフ公園(Keukenhof)」は、1年のうち2ヶ月ほどチューリップが咲き誇る時期のみオープンしている珍しい公園。世界中からその絶景を一目見ようとたくさんの人々が訪れます。

オランダは“世界の花屋”とも呼ばれ、その名の通り、チューリップの球根生産量は世界一。世界の約9割ものシェアを誇ります。

チューリップ栽培に適した気候と土壌を持つオランダでは、栽培と貿易が盛んに行われており、その歴史は17世紀にまで遡ります。なんと、オランダには数千もの品種が存在するといわれています。その長い歴史の重みを感じます。
「世界で最も美しい春の庭園」

「キューケンホフ」は、もとは17世紀に建てられた邸宅でしたが、1949年に公園として生まれ変わりました。
■開園情報
2025年3月20日(木)~5月11日(日)
開園時間:毎日8:00~19:30
■オンラインチケットの場合
・入場大人 € 20,00
・子供(4-17 歳) € 10,00
・3歳以下の子供は無料

入場すると、まずはその広大さに驚き! 東京ドーム7個分(32ヘクタール)もの敷地には、チューリップだけでなく、ヒヤシンス、スイセンなど約700万もの花の球根が植えられ、一面まるで花の絨毯が広がる景色は圧巻そのもの。

オランダでは、チューリップが咲き始めるのは例年おおよそ3月下旬から4月上旬頃で、4月中旬~5月上旬頃に一番の見頃を迎えます。

園内には「開花時期の異なる種類の花を植える」という工夫がされています。そのため開園期間中は、何も咲いていない…という閑散とした景色を目にすることはまずないそうです。

種類や色ごとに見事に区分けされ綺麗に咲いた花々を見て、庭師が丁寧に丹精込めて、球根を植え手入れした姿を思わず想像してしまいます。

花は、チューリップだけでも800種類以上あり、日本ではあまり見たことがないカラーのものや、花びらの形が私たちが想像するものとはひと味違ったユニークな品種など、まさに多種多様。
一つひとつ丁寧に観察してみると、その違いに気づき楽しむことができるのもキューケンホフ公園の魅力で、非常に見ごたえがあります。

園内にはいたるところにオランダらしい、可愛いフォトスポットも。大きな木靴には人が入ることができ、思い出の1枚を残すのもオススメ。

家族で訪れても楽しめるよう、遊具や迷路など子供も楽しめる施設も充実。ウサギやアヒル、ヤギや孔雀など小さな牧場でひなたぼっこをする動物達も見られます。

オランダといえば思い浮かべる人も多い「風車」。
公園内にも1892年に建てられた風車があり、今も実際に動いている様子を見ることができます。製粉用の風車や、干拓地に溢れてしまった水を排出するための風車を昔から作り、生活の支えにしてきたことを感じられるはず。
風車の中に入ることもでき、風車から公園を見渡す美しい眺望がオススメ!

「Whisper boat(ウィスパーボート)」でのツアーも外せない人気アクティビティのひとつです。チケットは出発地点である、風車の裏にあります。45分間の旅で、キューケンホフ公園周辺の静かで穏やかなオランダの景色を楽しみながら”ウィスパー”の名の通り、船と水の音だけが静かに聞こえるリラックスした時間を過ごせます。
日本語はありませんが、オーディオの貸し出しもあるので、さらに充実した時間が過ごせます。

球根は秋に植え付けられ、冬を経て咲きます。チューリップ農家は、5~6月に球根を掘り上げるため、4月が終わる頃には、まだ花が美しい状態の花を切り落とし、残った葉や茎を枯れさせるのだとか。
国内外へ輸出される一大産業でもあるチューリップは、ただ観賞するだけではなく、オランダの経済をまわす大きなひとつと言っても過言ではないなと感じます。

お土産に色鮮やかな木靴はいかがでしょうか? オランダ語で「Klompen(クロンペン)」という伝統的な木靴は、湿地帯が多いオランダで昔から農作業の際に使われていたそうです。
丈夫で耐久性があり、水や泥から足を守る木靴は、地域ごとに作り方が異なり、その特徴からどこから来た人なのかわかったとも言われています。なんとなく見ていたモチーフにも実は歴史があり、非常に興味深いですね。

園内には食事のできるレストランや、カフェ、フードスタンドなども充実しています。噴水や水路もあり、木陰で少し休憩する時間も至福です。
お弁当を手にピクニックをしたり、穏やかな時間を過ごし春のオランダを満喫してみては。
近隣にもチューリップスポットがたくさん!

キューケンホフ公園からすぐ近く、広大な敷地に広がるチューリップ畑「The Tulip Barn(チューリップバーン)」も、実は隠れたオススメスポットのひとつ。写真のように、まるで絵葉書に入り込んだような1枚を思い出に残すこともがきます。

■開園情報
2025年3月28日(金)~5月11日(日)
開園時間:毎日9:30~19:00
■オンラインチケット
・入場大人(13歳以上) € 10,00
・子供 (3-12 歳) € 4,50
(ファミリーやグループチケットも有)
公式キャラクターのTilly Tulpちゃん。園内をルンルンと歩いており、記念撮影にも快く応じてくれます。フォトスポットも豊富で、来場者は大人も子供も思い思いのポーズで撮影してチューリップとの春の思い出を残していました。

こちらも園内にフードトラックやカフェも併設。グッズもとても可愛いので要チェックです。
温かい日差しの下、色鮮やかな景色に誰もがわくわくするヨーロッパから、オランダの春の様子をお届けしました。世界中で花を愛でる季節を、皆さんもぜひ満喫してくださいね。
(写真は2024に訪れた際のものを使用しています)

ドイツ在住の元CA。システムエンジニアを経て客室乗務員となり、退職後2023年より家族とドイツに住む。学生時代に台湾留学でマスターした中国語と英語に加え、現在はドイツ語の資格取得に挑戦中。異文化交流と新しい体験を求めて、世界中を旅するグルメ探究者。旅先で味わった料理を自宅で再現するのが趣味。ドイツを中心にヨーロッパでの暮らしと旅情報をお届けしていきます。
Instagram:@wakana_log/@wakana_log_germany
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