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2025.02.28

初めての韓国・ソウル 2泊3日の旅
by Kana Sato vol.12

ブランディングディレクター、コンサルタントとして活躍する佐藤香菜さん。世界各国を旅して見つけた“本当にいいモノ”を見極める審美眼を持ち、SNSで発信する丁寧な暮らしが同世代から熱い支持を集めています。そんな佐藤さんが、普段愛用しているコスメやいま気になっているモノ、旅先でのエピソードなど、美容からライフスタイルまで赤裸々に語ってくれる本連載。

第十二回は、「初めての韓国・ソウル 2泊3日の旅」についてお話いただきました。

ついに!韓国へ旅行に行ってきました! 周りの友人には「え!あんなに旅行いってるのに韓国は未体験なの?!」とびっくりされていたここ最近。韓国料理は好きだし、文化も気になるのに、旅行となるとつい遠くへ行ってしまいたい衝動にかられ、わたしにとって近くて遠い国だったのです。しかしここ最近、お仕事で関わる方々も韓国のルーツを持っていらっしゃる方だったりと、様々なシーンで韓国について話すことが増え、ますます興味が湧いてきたところでした。

思えば子供のころ、鮮やかな縞模様の巾着袋をお土産にいただいたのがわたしの初めての韓国との出会いでした。のちにそれは「セットン」と呼ばれる縁起のいい伝統生地だったことを知りました。幼心に、なんてキレイなんだろうと思い、大切に使っていた記憶があります。

2月中旬、2泊3日にてソウルへ。お互い旅慣れた友人と、行き帰りのフライトもホテルも別々で取って現地待ち合わせ という気楽なスケジュールにしたのも今の気分です。

到着してすぐにホテルに移動し荷物を預けたらすぐにUberに乗り込み、まず一つ目の訪問先へ。

【寿硯山房(Suyeonsanbang)】韓国らしい古い民家は茶屋になっており、伝統菓子やお茶を美味しくいただけます。わたしが注文したのはカボチャと小豆とお餅が乗ったかき氷。氷の部分はミルク味なのでコクがあり冬こそ美味しく感じる1品でした。せっかくなので薬膳たっぷりの漢方茶も。甘くスパイシーで体が芯から温まります。お店のスタッフさんの丁寧な接客も素晴らしく、お腹のあたりに手を当ててサッとサーブしてくれる所作に「あ!韓国ドラマとかで見るやつ・・」なんていちいち感動するわたしは本当に韓国が未体験だったのです。

ソウルの街中にはもちろんたくさんのカフェがあり店内の内装も洗練されていて、そんな最先端の良さがあるとしたら、この茶屋は伝統そのもの。わたしのように「古いもの」に惹かれる方にぜひ行っていただきたい場所です。

さて、夜は友人も合流してカムジャタンを食べに。
イルミチブ 龍山(ヨンサン)店
ほろほろと崩れるくらい柔らかい豚肉とホクホクのじゃがいもが透き通ったスープにたっぷりと。

塩分もちょうどよく、特に辛すぎることもなく、つい食べることに集中して黙る私たち。じゃがいも好きにはたまらない美味しさで、辛いもの大得意なわたしは青唐辛子をかじりながら、スープを飲みました。お店としては〆はご飯がおすすめだそうですが、この日はなんとなく麺に。これがまたスープと絡んで最高の美味しさ。この龍山店は本店なので、昭和の時代にタイムスリップしたような気持ちに。周りを見渡して見ると、地元の方々ばかり。マッコリを片手に賑やかに盛り上がる女の子や、通い詰めていそうなおじさまたち。靴を脱いで上がる座敷に心落ち着く時間でした。

2日目の朝は、友人が予約してくれていたワカメスープを朝食に。
【オイルジェ】 
ワカメスープって・・こんなに滋味深く美味しいんですね・・。日本の焼肉店などで出てくるわかめスープというと強烈な旨味成分を感じる、the調味料の味。

しかしこのオイルジェのワカメスープはまろやかな塩と牛骨などの素材そのものの旨み。それを炊き立てのご飯と、厳選されたキムチに合わせていただきます。店主が一人で運営している小さなお店で予約が必須。(インスタのDMからでも大丈夫だそうです)この栄養たっぷりなスープと店内に広がる湯気で肌まで潤うんじゃないかと思うほど、美容にも良さそう。

ここでワカメスープの定食をいただいたあとは、必ずこのジェラートもオーダーしてみてください!さっぱりとしたミルク味に少しだけ塩を振り、ゴマなどをトッピングして出してくださるのですが、これが絶妙なバランスで食後のお口直しに最適。味のセンスの良い素敵なお店です。

他にもたくさんのご飯やカフェを楽しんだのですが、ここでご紹介しきれないので最後に一つだけ!どうしてもカンジャンケジャン(生のワタリガニを漬け込みダレで熟成させたもの)が食べたかったわたし。友人は「生の蟹はちょっとやめておく・・」とのことだったので、一人でも食べれるサイズで提供されているお店に伺いました。
それがこの、
ジャンジニョン カンジャンケジャン】
クリニックでシミ取り後の真っ赤な顔で、エプロン姿でひとりテーブルに座り、カンジャンケジャンにかぶりつき、甲羅の部分にご飯を入れて〆まで楽しんだ最終日。漬けダレは韓国醤油でしっかり濃いめの味付けなので、とにかくご飯が進みます。とても幸せなひととき・・。

初日に気づいたことですが、2泊3日だけにしたことを後悔したほど、毎食のご飯が楽しみなのは韓国ならではかも。今まで23か国ほど様々な国に行ってきましたが、今回の旅で間違いなく「ご飯が楽しみ」な国No. 1は韓国となりました。

日本にいるころから、いつかお迎えしたいと思っていた工芸品の一つに「ポジャギ」があります。ポジャギの定義は様々な用途に使われる布なのですが、わたしがその中でも好きなのは「チョガッポ」と言われる韓国版パッチワークの技法。世界各国パッチワークにはそのお国柄が出ますが、元々は洋服としては敗れたり汚れたりして使えなくなった布のキレイな部分を切り取るなどして縫い合わせた、もったいない精神からなるエコな工芸品とも言えます。

韓国のチョガッポの魅力は、その生地の薄さにあり、窓辺にカーテンのようにかけたりするととっても光がキレイ!!また、模様が直線的なためモダンな印象を与えます。

そんなチョガッポ、いつか購入したいと思いつつ、日本で探すとなるととても高価であったりサイズが小さかったりと、運命の出会いを果たせないでいました。

向かったのは地下鉄2号線の新踏駅から徒歩10分くらいにある、【踏十里古美術通り】。古いビルの1階に、骨董品を扱うお店が集まっています。

まず目に飛び込んできたのは「きゃ〜〜!」と心が踊るほど可愛らしい古い枕の数々!よく見ると寿や福の文字や、鶴など日本でも縁起が良いとされるモチーフがたくさん。欲しい・・・欲しすぎる・・3個くらい買って飾りたい(どこに?)と自問自答しながらしばし立ちつくすわたし。

古いものだと1910年代頃のものもあります。

子供用のチマチョゴリは薄手のシルク素材に刺繍やパッチワークを施され、飾っておきたいほどの愛らしさ。全体的にかなり鮮やかなピンクやパープルの糸が使われている刺繍は、古いものでありながら糸の染色技術の高さを感じました。婚礼用の衣装もこの技法の細かさ・・!

結局わたしが購入したのは、山積みになったチョガッポの中から一目惚れしたこの2枚。

白地を1枚と、わたしの好きな色しか使われていないカラフルな1枚。そして刺繍の施された古い針山をひとつ。こういった民芸品はどんどん価値と共にお値段が上がるもの。お好きな方はソウルに行かれた際にぜひ訪問してみてくださいね。

韓国といえば!な、美容のお時間です。わたしの肌悩みはとにかくシミとソバカスができやすい乾燥肌ということ。そして遺伝なのかホクロもできやすい肌質。日本でもシミ取りをしたことがあり、小さなシミは消えたり薄くなったりしたものの、あと1〜2回はレーザーでシミ取りをしたいなと思っていたところでした。

今回、どのクリニックにするか自分で調べて訪問したのは明洞にある、【ビンセントクリニック】。

明洞の駅を出てすぐのマクドナルドが入っているビルの上にあり、アクセス抜群。

今回、日本からLINEで予約していたのは【顔のシミ・肝斑・ホクロ・いぼ取り放題】25万ウォン!嬉しすぎるプライス。ついでに気になっていた首のホクロも追加でお願いしたのですが、なんと1つ1,000円ほどで取ってもらえます。

丁寧なカウンセリングも安心でき、シミ取りと同日にできるおすすめの施術を聞いて、ポテンツァもすることに。

麻酔クリームを塗ってしばらくしたら、施術台に寝転がってスタートしますが、これが全く痛みなし。隅々まで取り残しがないように色んな角度からチェックしてくださり、レーザーを当てていきます。続いてポテンツァはハンコ注射のような針を使い、美容液成分をスタンプのように入れ込んでいく施術。これも少しチクッとする程度であっという間に終了。

鎮静効果のあるパックのあと、丸く小さな再生テープを必要な箇所にだけ貼ってもらえます。

施術直後の肌の写真を撮るのを忘れてしまったのですが、当然シミが浮き出した状態なので赤みとかさぶたが目立つ状態に。「これ、元に戻らなかったらどうしよう・・」と一瞬不安になりますが、ここから2〜3日もすれば徐々に薄くなり、どんどんツヤが出ていくのでスキンケアが楽しくなってしまうほどです。ここから1ヶ月も経てば、皮膚のターンオーバーもあってキレイな状態になっているはず。

シミ取り未体験の方、とってもおすすめできるクリニックだと思いました。

そのビンセントクリニックの道路隔てて反対側には化粧品店【オリーブヤング】があるので、施術後に欠かせない再生テープやクリームを購入しに行きました。

今回購入したものの一部がこちら。左の2つは飲むビタミンで有名なブランド、アイムビタとオーソモル。以前お土産でもらったこともあり、これを飲んだときの肌の調子が良かったのを実感していたので今回まとめ買いを。わたしは酸味のある味が大好きなこともあり、1日1本飲むのを楽しみにしているほど美味しい。

中央上にあるのが紫玉ねぎ(!)の成分を配合したクリームで、シミ取り後のケアに最適なスキンケア。シミ取り後はとにかく保湿しまくる!のが鉄則なのでこれをたっぷり塗って、肌の再生を促しています。右上は再生テープで、レーザーの傷が深いところだけに貼ってケアを。

右にあるのはカボチャのお茶で体内をキレイにしてくれると最近人気のもの。お湯を入れるとわかるのですが、まるでスープのような香りがして、満腹感も得られる香ばしく美味しい味が特徴です。

もうひとつ、わたしが今回買ってよかった美容にまつわる品をご紹介します。それがこちら! 漢方薬局が立ち並ぶ薬令市場エリアにある、【東明人参(トンミョンインサム)】

粉末化した韓国の漢方素材が揃っており、こちらのシワやくすみが気になる人に最適な顔パック用ブレンドを購入。

緑豆や甘草などを含むパウダーは、ハチミツとヨーグルト、水で溶いてお顔に塗ります。

このお店の周辺エリアは漢方の匂いに包まれているのですが、このパックの匂いはその街そのもの!かなりクセがある匂いなのですが、わたしはもはやこれが落ち着きます。

こんな感じで塗り広げて15分ほど置いて流すと、透明感が出て触り心地スベスベの肌に!
300gも入って日本円で900円ほど。次に行ったとき買いだめしてくるであろうお気に入り。わたしは商品名が読めないのですが・・・ぜひこの写真を見せて購入してみてくださいね。

今回ご紹介したのは旅のごく一部。旅した国々の美しい工芸品が何よりも大好きなわたしは美術館も楽しんできました。

おそらくこのコラムを読んでいる方の中には、韓国情報にお詳しい方も多いはず!

わたしは初めての韓国だったので、限られた時間の中で優先順位を考えた結果、こんなルートになりました♪ またすぐに行きたくなる、そして渡航時間も考えるといきなり行けてしまう、そんな国が韓国。そう遠くないうちにまた再訪することになりそうです。


Branding Director 佐藤香菜


株式会社マッシュビューティーラボにて、オーガニックのコスメとインナーケア製品のセレクトショップ「Biople by CosmeKitchen」の立ち上げとディレクションを行ったのち、独立。ブランディングディレクター・コンサルタントとして多数の企業の製品企画立案、製品プロデュースから販路拡大に携わる。オーガニックコスメを巡る旅の様子はNHK「世界はほしいモノにあふれてる」への2度の出演や、Instagramアカウント @kana__sato622 で発信している。


>>vol.11 情報との付き合い方と本当のフェミニズムを考る

過去の記事はこちらから
A Journey to find my selfーわたしを見つける旅ー

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