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2025.02.21
旭山動物園だけじゃない!雪の中こそ楽しい、円山動物園7つの見どころ
元TBSアナウンサーで、現在は故郷・札幌を拠点にフリーアナウンサーや文筆家としてご活躍のアンヌ遙香さんによる連載「now HOKKAIDO by Anne Haruka」。
今回は、「円山動物園」について。アンヌさんの熱量溢れる文章をお届けします。
記念すべき第十回のテーマは…「雪の中の円山動物園」
北海道といえば、美味しい食べ物、雄大な自然…様々なイメージがあると思いますが、動物園も見所のひとつ。全国的に知られている旭川市の旭山動物園が最初に思い浮かびがちですが、札幌市内にも円山動物園という交通アクセス抜群の動物園があるんです!
そうはいっても雪が積もっているんじゃないの? ちょっと寒いんじゃないの? なんて思ったそこのあなた!!
実は寒い冬にこそ活動的になる動物がたくさんいるのです。ホッキョクグマ、ユキヒョウ、レッサーパンダ…などなど、寒さに強く、雪の中でこそその魅力が増す動物たち、今しか見られないその希少な姿をぜひ見ていただきたいのです。 勿論、生き物は様々。
寒さが苦手な動物も屋内で観察できますが、お外で冷えた体を暖かな室内で温めながら、同時に動物たちの姿も見ることができるという1度で2度オイシイ体験もできます。
題して、「雪の中の円山動物園!! 最高に楽しむ方法大紹介!」。
①ホッキョクグマ
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私が今回円山動物園でかなりの滞在時間を要したといっても過言ではないのがホッキョクグマ舎。 雪が積もる中、意気揚々と歩きまわり、突如水の中にザブーンと飛び込んだかと思ば、ザバンと水から上がり、そこら中に散らばっているボールやら、ロープやらのおもちゃを自らボーンと投げ入れ、また水に取りに行く…などなど、動く動く!! いきいきと、大暴れ。
私はゴールデンレトリバーを飼育してるのですが、動きがどことなく似ており、思わず目を細めながら眺めてしまいましたが…。
忘れてはならないのは、 ホッキョクグマは肉食性の陸上生物で最大の体を持っているということ。とにかく強い。 体に蓄えた大量の脂肪を蓄えてエネルギー源としており、寒い環境での体温維持にも役立つのだそう。
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じっと見つめていると気づきますが、耳が他のクマ類に比べて小さい印象を受けます。ホッキョクグマはその体の大きさに対して小さい耳を有していますが、 小さい耳は熱が逃げにくく、凍傷になりづらいため、寒い環境に適しているのだそう。へー!!メモメモ。
彼らの迫力は、ぜひ直接ご覧いただきたい!
②レッサーパンダ
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シセンレッサーパンダは、標高1,500~4,800mにある森林や竹林に生息しているのだそう。
実は今回の取材にあたって、動物園の関係者の方に、冬はレッサーパンダが見所だと教えていただき驚きました。あまりイメージがないのではないかと思いますが、レッサーパンダは、雪の中でこそ元気に動き回るんです! 実は暑さにはとても弱く、夏が苦手なのだそう。
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もう説明不要の愛らしさに私は悶絶。雪の上をのしのし歩いたり、ひょいっと軽々と木の上に登ったり、とにかく元気が溢れている!! 太いふっさふさの尻尾でバランスをとり、器用に雪の中を行ったり来たりする姿に思わずニヤニヤ。やはりレッサーパンダの可愛らしさは言葉を超えたものがあるらしく、海外からの観光客の方もニコニコしながら眺めていらっしゃるのが印象的でした。
レッサーパンダは、森林伐採や単一種の植林、焼畑等による生息地の破壊や、恐ろしいことに毛皮・ペット目的の密猟や狩猟等により生息数は減少しています。野生での生息数は5,000頭以下。雪の中でのびのびとレッサーパンダが過ごす姿をこうして眺められることは、非常に貴重なことなのです。
③シンリンオオカミ
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とにかくかっこいいの一言! 見惚れてしまいました。
シンリンオオカミは、その名の通りカナダやアラスカの森林に住んでおり、オオカミの中で最も大きいのだそう。オスは体長150~160cm、メスは体長120~130cmほどだそうで、円山動物園にはメスが二頭暮らしています。
実はこの子たち、鹿児島から円山動物園にやってきた姉妹。気が強いジュリと、おっとりしているカエデ。 この日、バッチリ写真が撮れたのはジュリちゃんのほうでした。
野生でも寒い地域に生息しているため、雪の中でも元気いっぱい! ひょいひょいと軽快な足取りで駆け回っているジュリちゃんの写真を撮るのに必死だった私。やっぱり、迫力がある!!
気になったのは大きめのボールのようなものが落ちていたということ。ボール好きは犬やオオカミの本能ということでしょうか。やっぱり遊ぶのかな? 今度はそんな姿も見てみたいものです。
④爬虫類両生類館
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さぁ、そろそろ体が冷えてきたところで…爬虫類両生類館で暖を取るのもオススメ。
私は個人的に、哺乳類も爬虫類も両生類も大好き。というのも、ミシシッピアカミミガメを飼育していた経験があるので、亀さんが大大大好きなんです。
こちらの建物に入ってすぐ、とっても立派なアルダブラゾウガメさんが、こちらをじっと見つめて佇んでいます。来園者の多くはやはりゾウガメさんに惹かれるらしく、一生懸命写真を撮ったりビデオに収める姿が多く見られました。ゾウガメはどこか理知的な雰囲気がありますよね。
それはそうと皆様、亀さんに限らず、動物園内で撮影するにあたっては、必ずシャッターをオフにして、自撮り棒などは絶対に使わないようにしましょうね。自撮り棒は動物たちにとっては恐怖の対象でしかありません。
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傘などを怖がるアニマルたちもいるそう。また大きすぎる声もNGです。あくまでも動物園の主人公は動物たち。私たちはそっとその生態を眺めさせていただいているということを忘れてはいけませんね。昨今人気のヒョウモントカゲモドキもすやすやと休んでおり、ギュッとかたくとじられた瞼が可愛くてたまらず、思わず私は激写! ただし、静かに! ですよ。
⑤オランウータンとボルネオの森
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2024年5月にできたばかりの最新施設! かつてあった「類人猿館」は築後40年が過ぎ、施設の老朽化も進んだことから、オランウータンの動物福祉のさらなる向上と、東南アジア熱帯雨林の環境や生物多様性の重要さを多くの人に実感してもらうべく新施設がつくられたといいます。
真新しい建物内は時間帯によってはスコールが降り、高い木の上にベッドを作って過ごす習性を持つオランウータンのために、とにかく天井が高い作りになっています!
そしてじ~んわり蒸している。まるで本当のジャングルに来たかのよう。
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一頭のオランウータンがメッシュ状のワイヤーにぶらーんとつかまり、こちらをジーッと見つめているのがなんとも愛らしい。私はひたすらニコニコしながら、静かに見つめていました。
ただ! 唾を吐いたり、おしっこをかけてくることがありますのでご注意ください、とのことです! 万一かかっても怒らない、騒がない! 愛情深く、高い知能と思慮深さを持つオランウータン。静かに穏やかに見つめていれば、気持ちは伝わるのでは? と私は個人的に感じました。オランウータンを見上げる時間は、なんともいえない平和な静寂に包まれていました。ここは通い詰めたいなぁ。
⑥アジアゾウ舎
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円山動物園の人気者、赤ちゃんゾウのタオに会えるのが、広大なゾウ舎。一昨年の夏に一度幼いタオを見ていたのですが、今回改めてお邪魔したら明らかに大きくなっていました。あの時はゾウ舎に長蛇の列ができていたなぁ。
道内初の赤ちゃんゾウということで大人気のタオですが、実はゾウ達にとっても欠かせない存在なのだそう。 円山動物園にはタオと母親のパールのほかに、シュティンとニャインというメスの親子がいますが、 パールとシュティンの相性が悪かったため、以前は別々に暮らしていました。ですが、赤ちゃんのタオが少し驚いた時などに声を上げると、ニャインとシュティンが急いでタオに駆け寄ったりと、共同で子育てを始めたようなのです。
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タオの存在は群れに良い影響を与えたといいます。本来野生のアジアゾウはメスが協力して子育てにあたるそうですが、4頭はタオをきっかけに、群れとして生活するようになったんですって。タオ、ありがとう!
ズコーッと転んであわあわあわと背中を地面にこすりつけたりするタオの自由気ままな動きを目で追うだけでも、ほっこり。そんな様子にそっとさりげなく大人ゾウが寄り添いを続ける光景も平和で素敵。よい時間が流れています。
⑦ユキヒョウ
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動物園スタッフさんイチオシはユキヒョウだったのですが…私はちょうどお昼寝時間に重なったタイミングにお邪魔したようでした。
ヒョウは、標高600~6,000mにある岩場や草原・樹高の低い針葉樹林等に生息しているそうで、北海道の寒い冬でも平気。冬はさらに毛が伸びるのでぜひ!! とのことでしたが、私はよく確認できませんでした。残念!
でも、それもまた一興です。またお邪魔する理由ができました。
冬の円山動物園を歩くにあたり
円山動物園内には、動物たちに絶対に雪玉を投げないでください、との表示がありました。そんなヤカラがいるのか?! 私の前でできるならやってみろ! と私は怒り心頭だったのですが、残念ながらそういう行動をとる人間がいるそう。当たらなくても、動物にとって不要な刺激となり、ケガなどにつながる恐れもあります。
日々穏やかに暮らしている動物たちを尻目に私たち人間は何をやっているのか、と反省。あくまでも動物たちの日々の様子を覗かせていただいているという謙虚な気持ちを忘れずに、楽しませていただきたいものですね。
暖かい服装としっかりした靴を忘れずに、ぜひ円山動物園を楽しんでみて!
Profile
アンヌ遙香
1985年生まれ。北海道出身。2010年より小林悠名義でTBSでアナウンサーに。現在は札幌を拠点にフリーアナウンサー、文筆家、スクール講師などとして活動している。ゴールデンレトリバーの愛犬と仏像をこよなく愛す。
Instagram:@aromatherapyanne
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