ウブドの聖域に佇む「コモ シャンバラ エステート」で究極のウェルネスリトリートを体験
LIFESTYLE

2025.02.12

ウブドの聖域に佇む「コモ シャンバラ エステート」で究極のウェルネスリトリートを体験

ヨガやローフードの聖地ウブド

「神々の島」と形容されるインドネシア・バリ島。海と山、動と静を同時に味わえるのが魅力の一つ。

クタ、レギャン、スミニャック、チャングーといった南部の陽気なビーチリゾートに対して、バリ島中部に位置するウブドは、緑深い自然に囲まれたアユン川の渓谷やライステラス(棚田)、古代の寺院、壮大なウブド王宮、伝統的なバリ舞踊やバリ絵画などで知られ、古き良きバリの文化が今もなお根付いています。

その神秘的な空気に惹きつけられるように、世界中からアーティストやヨギーニが集い、次第にヨガやローフード、オーガニックのカルチャーが盛んになり、本場インドにも劣らないヨガリトリート施設やオーガニックカフェが続々とOPENしました。

さらに全米700万部のベストセラー小説を2010年に映画化した『Eat, Pray, Love(食べて、祈って、恋をして)』では、主演のジュリア・ロバーツがバリ島・ウブドを舞台にヨガや沐浴をしたり、ヒーラーに占われたりするシーンが印象的。

実はバリ島でハリウッド映画のロケが撮影されるのはこれが初めてだったとか。この映画のヒットによって、これまで以上に多くのヨギーニやスピリチュアル好きがウブドへ訪れるきっかけになりました。

ジャングルのサンクチュアリに佇むウェルネスリゾート

そんなウブドに至福のウェルネスリトリートを体験できるリゾートがあると聞き、チャングー地区を後にして、時折渋滞に巻き込まれながらも車窓から見える美しい田園風景を横目に車で2時間ほどで辿り着いたのは「コモ シャンバラ エステート(COMO Shambhala Estate)」

>>「コモ ウマ チャングー(COMO UMA Canggu)」の宿泊体験記はこちら

ウブドの原風景が残る豊かな自然と見事に調和する、バリ伝統建築を採り入れたラグジュアリーリゾート。2つの川に挟まれた奥深い森の中に佇み、聖なる癒やしの水とされるこの土地に湧く泉こそがコモ シャンバラ エステート全体の源泉になっています。

専任のドクターによるカウンセリングとコンサルテーション、それに基づいたアーユルヴェーダトリートメント、本格的なヨガやメディテーションクラス、栄養価の高い料理、秘境でのピクニック体験、ライステラス散策、寺院訪問、サイクリング、ラフティング、トレッキングといった、豊富なアクティビティでゲストを飽きさせることはないでしょう。

コモシャンバラとは

シンガポール出身の女性実業家、クリスティーナ・オン(Christina Ong)によって創設され、シンガポールに本社を置くCOMOグループは、世界18軒を展開するホテル事業以外に、ファッション、オーガニック リビング&スペシャリティフード、フィランソロピー(民間が公益のために行う慈善活動)など多岐に及んでいます。

そのうちのウェルネスブランドを「コモ シャンバラ(COMO Shambhala)」と称し、プロダクトにとどまらず、ファンクショナル フィットネス、ヨガ、ジャイロトニック、ピラティス、マインド、ボディワーク、スパサービスなど、25年以上にわたり世界各地でヘルシーなライフスタイルを推進すべく尽力し続け、数多くの受賞歴を誇ります。

コモ シャンバラ エステート 1泊2日 滞在スケジュール

最低3泊からの連泊プランがおすすめですが、今回は残念ながらフライトの都合で2日間の滞在となってしまいました。

【DAY 1】
2:00 pm Check-in 
2:30pm – 3:00pm Interview session with Prasanth Vayanakathu 
4:15pm – 5.15pm Better Life Yoga at Yoga Pavilion 
6:30pm Dinner at glow Restaurant

【DAY 2】
8:00am – 9:00am Wake Up Yoga Flow at Yoga Pavilion 
9:30am Breakfast at Kudus House
12:00pm – 2:00pm Picnic Lunch at Kedara Water Garden
4:00pm – 5:00pm COMO Shambhala Massage
7:00pm Check out

オーダーメイドの滞在を構成するウェルネスパス

コモ シャンバラ エステートでは、2024年より「ウェルネスパス(Wellness Path)」をスタート。デジタルの過剰使用、腸内環境の不調、目的意識の欠如、運動不足、心と身体のバランスの崩れなど、現代のライフスタイルによって生じる現代人特有のさまざまな問題に向き合って改善するプログラムが誕生しました。

プログラムに共通しているのは、不調を“治す”ことよりも“和らげる”こと。予防に重点を置き、問題が深刻化する前に回避することを目的としています。

数日間にわたるプログラムは、フィットネス、栄養学、自然療法の専門家による診断、食事療法、呼吸法、実践的なホリスティックヒーリングなどを組み合わせて、ゲスト一人一人に合わせて構成されます。 

アーユルヴェーダドクターによるコンサルテーション

チェックインしてまず案内されるのは、専任のアーユルヴェーダドクターによるコンサルテーション。

ゲストの心身の状態を丁寧に聞き取り、アーユルヴェーダの包括的な視点から、生まれながらの気質(プラクリティ)や今乱れている気質(ヴィクリティ)、 消化の火(アグニ)や未消化物(アーマ)の状態を見極め、年齢や季節、生活環境に応じた適切なヘルスケアを提案してくれます。

プラクリティとは自然界の5つのエネルギー要素(地、水、火、風、空)が合わさって表現される3つの体質・ドーシャ(ヴァータ、ピッタ、カパ)のこと。優勢なドーシャがその人の本質そのものであり、人によっては2つのドーシャの混合(V+P/P +K/V+K)をプラクリティとして持つ場合もあります。一般的にはこれを利用して個人差のある病気の治療に役立てることも可能だと考えられています。

ウブドの森に溶け込むようにデザインされた5つのレジデンス

エステートに到着するやいなや、一面に広がるその田園風景に誰もが感動するはず。インテリアデザインを手掛けているのは、シンガポールを拠点に活動する日本人インテリアデザイナーの池淵孝一郎氏。自然から着想を得た客室は、ウブドの森と一体化するようなユニークなデザインを取り入れています。

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エステート内には、火・水・土などアーユルヴェーダにインスピレーションを得た5棟のレジデンスがあります。各棟には4~5室のヴィラやスイートを擁し、それぞれの共有部にプールや滝、ファイヤープレイス、日本庭園などが自然環境に溶け込むようにデザインされています。

バトゥカル山を望むUmabonaレジデンス

天蓋のキングベッドを設えたテラススイート

今回宿泊したのは「大地の子の家」の意を持つ「Umabona」というレジデンス。客室からは雄大なバトゥカル山を望むことができます。マジャパヒトの宮殿から着想を得た内装は、インテリアの細部にまでこだわり、手彫りの彫刻、上質なアンティーク家具、宮廷調の家具、華やかに施された壁、希少な織り布などで彩られています。

今年20周年を迎える「コモ シャンバラ エステート」は、古き良きバリニーズスタイルを維持しながら近代化を図るべく、2027年の完成に向けて現在改装中のため2月21日まで営業休止しています。それに伴いウェルネスセンターのオジャス(Ojas)は2025年6月末まで、内装のさらなる改修工事のため利用不可。しかし、ほとんどのコモ シャンバラ トリートメントは客室内または屋外のスパ パビリオンで利用可能です。

五感を研ぎ澄まし心を開放するオープンエアヨガ

オジャスの2階にあるヨガパビリオンでは、毎日定期的に開催される各種アクティビティに参加できます。朝は太陽の光に包まれて、全身を目覚めさせるパワーヨガを。夕方は副交感神経を優位にさせるようなリラクゼーションヨガを。

風のざわめき、鳥の囀り、虫の鳴き声がBGM。余計な音楽は不要で、ただただ五感を研ぎ澄まして自身の内側にフォーカスするようなひと時に。

グループセッションに限らず、屋外のパビリオンではヨガとメディテーションをマンツーマンで体験できます。世界中からウブドの地に魅せられて移住してきたインストラクターによる本格的なセッションを受けられます。

ウェルネスの最前線を採用したスパトリートメント

一人ひとりに合わせたパーソナルなプラン、画期的なセラピーに至るまで、コモ シャンバラ エステートは常にウェルネスの最前線に立ってきました。

オジャスの1階にあるスパパビリオンでは、ドクターによるコンサルテーションをもとに、心、身体、マインドの調和を図りながら持続可能なウェルネスプログラムを提案してくれます。

今回は「タクスマッサージ(Taksu Massage)」を受けることに。「タクス」とはインドネシア語で「繋がり」を意味します。ゲストとセラピスト、2人の間のエネルギーを交換するように、指圧したり腕を絡ませながら活力をもたらせていく技法で、日々のデスクワークで緊張状態の首や肩の凝りをはじめ、硬くなった筋肉を和らげ、血行を促進させていきます。頭痛や筋肉痛の緩和、ストレス解消にも効果的です。

初めてのタクスマッサージは、これまで体験した中で自分史上5本の指に入るほどスキルの高い施術でした。ウブドのジャングルで出会ったゴッドハンド、またいつか必ず受けに戻ってこようと心に誓いました。 

ホールフードを追求したヘルシーなダイニング

ディナーはリゾート内のレストラン「グロー(Glow)」で、活気溢れるオープンキッチンからシェフの躍動感を感じられます。10年以上勤務するバリ人シェフが手掛ける、美しく繊細なヘルシー料理に定評があります。

コモ シャンバラ キッチンの料理は、“ホールフード(Whole Food)”を追求していて、砂糖・塩分ともに控えめで、人工的な添加物は一切不使用。厳選されたメニューは、ゲストが選んだウェルネスパスの各ステップに合わせて、一人ひとりにとって必要な栄養を摂取できるよう構成されています。

レシピは脳と心臓血管の健康、エネルギーの持続、血糖値の安定、食欲のコントロールなど、さまざまなウェルネスをサポートするために考案されています。調理済み、生もの、発酵、発芽のいずれの場合も、食材そのものがトリートメントや運動療法を補完し、必要な栄養を与え、内側から的を定めたサポートを提供することを意図して、厳選しながら組み合わせて調理されています。

築150年のジャワ様式建築の邸宅ダイニングで朝食を

築150年以上の歴史を持つ伝統的なジャワ様式の邸宅を改装したレストラン「クドゥスハウス(Kudus House)」では、朝食をいただきました。バリの古き良き文化を象徴するような、オリジナルのカービングが今も美しく現存しています。

ダイニングでは地元の旬の野菜、果物、ナッツ、種子、穀物、根菜、ハーブを使用。ライトで消化のよい新鮮なサラダやスープのほか、オーツミルクやグラスフェッドバター、プラントベースのヴィーガンチーズで代用するなど、グルテンフリーやラクトフリーなど、食物過敏症の人にも適したメニューを豊富に取り揃えています。

インドネシアの伝統的な漢方薬であり健康食品とされる「ジャムウ」にインスピレーションを受け、自然由来の甘草、ターメリック、タマリンド、ジンジャーをはじめとする植物を原料とした「マディサナルショット」もコモ シャンバラ キッチンならでは。それぞれの体質に合わせてメニューを選ぶといっそう効果的。キムチジュースやウィートグラス(青汁)をブレンドしたショットはパキッと目が覚めます。

従来のベジタリアンやヴィーガンは物足りなさを感じることが多い中、コモ シャンバラ キッチンで提供される料理は、ヘルシーでありながらもインドネシアの多種多様な文化や風味、香辛料をしっかりと感じられ、満足感を得られるのが魅力。

神聖な湧き水を拝むKedaraでランチピクニック

人々のおよそ90%がバリ土着の信仰とインド仏教ヒンドゥー教習合によって成り立つ「バリ・ヒンドゥー」と呼ばれる信仰を奉じているバリ島。土地や祖先神への信仰が生きており、人々はデサ・アダットの土地を清浄に保ち、穢れを避ける義務を負うことから、毎朝チャナンと呼ばれるお供え物をしたり、セレモニーが開催されたり、古くからの慣習が色濃く残っています。

レジデンスから10分ほど、亜熱帯植物が鬱蒼と生い茂る300段近くのトレイルを下った先に、宿泊客だけが利用できるプライベートウォーターガーデン「ケダラ(Kedara spring pools)」があります。聖なる泉「ザ ソース(The Source)」から湧き出る天然水はヒーリング効果が高いため、ミネラルウォーターとしてエステート内のあらゆる場面で使用されています。

ケダラでは、朝食と昼食の時間帯に合わせてピクニックを体験できます。澄んだ泉に流れ落ちていく小さな滝と、川のせせらぎを感じながら食事ができる、最高に贅沢なロケーション。

ランチピクニックは、‘Refresh’と‘Savour’の2種類のメニューから選びます。伝統的なインドネシア料理をベースに、ピーナッツソースを使ったガドガド、バナナをクレープ状に巻いたダダールグルン、フルーツサテ、スプリングロールなどがバスケットの中に彩り鮮やかに盛り付けられています。

ホールココナッツジュースやビーツを使用したコールドプレスジュースなど、3種類のドリンクから選べます。

ピクニックを楽しんだ後は、聖なる泉で心身を清めたり、プールサイドでチルしたり、トロピカルな雰囲気に包まれた静かなプライベート空間で思い思いの時間を過ごせます。

アユン川上流の緑豊かな場所に位置するコモ シャンバラ エステートでは、地形を活かしてラフティングを楽しむ人たちの賑やかな声も聴こえてきます。

この神聖なウォーターガーデンをはじめ、喧騒から離れたプールヴィラやレジデンス、レストラン、ティーハウスなど、エステート内のあらゆる会場を利用して少人数のパーティーやウエディングセレモニーを挙げることができるそう。唯一無二のスペシャルな空間で、きっと一生の思い出に残ることでしょう。


人間と動物の境界線がない聖域で自然に還る滞在

ウブドの壮大なジャングルに囲まれ、川のせせらぎが聞こえ、野生の猿が現れ、鳥が囀り蛙が鳴き、すべての蛇口から湧き水が供給されるー

この神聖かつユニークなロケーションに根ざした、コモ シャンバラ エステートのウェルネスへのアプローチ。

私たち人間と動植物の境界線を感じさせない、とっておきのサンクチュアリに身を置いて自然との調和を図ると、次第にどこか心身が満たされていくのを実感します。

リトリートを終えて再び自宅に戻った後もなお、その感覚を絶やさずにウェルネスパスの効果をさらに深められるよう、より充実した毎日が送れるよう、持続可能なプログラムが設計されます。

Covid-19をきっかけに、これまで以上に人々の健康や免疫に対する意識が高まった今、心身のバランスを調えながら、自ら免疫力を高めていくことこそが、何より現代を乗り越える上で必要なのでは。

都会の喧騒を離れたウブドの非日常空間で、自分を内観し、労わり、養生するー自分のための究極のウェルネスリトリートを体験してみては?

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