2025.01.26
【中世の宝石箱】世界遺産をぶらり街歩きする、チェコ・プラハの旅
チェコの首都、「プラハ(Prague)」は中世の宝石箱と呼ばれ、世界で最も美しい都市とも言われる街。
なんと世界で唯一「全市が世界遺産」に登録され、1000年以上もの歴史を持つ“歴史地区”は特に人気のエリアです。
「プラハってどんなところ…?」ぶらり街歩きしながら観光名所を巡り、グルメや街の様子をご紹介します。
プラハ歴史地区・世界遺産地域を散策
チェコは中央ヨーロッパの中心で、国境はドイツ・オーストリア・スロバキア・ポーランドに接しており、様々な文化と融合し独自の発展を遂げました。
プラハはヴルタヴァ(モルダウ)川で東西に大きく分かれていて、西側にはプラハ城やマラー・ストラナと呼ぶ地区、東側には新市街や、中世の街並みが保存された旧市街があります。
市内は徒歩やトラムなどで簡単に移動し観光することができます。
【ミュシャ美術館(Mucha Museum)】
まず必ず訪れてみたかった、ミュシャ美術館。実は、日本でも根強い人気を誇る世界的に有名な画家・ミュシャ(Mucha)はプラハ出身。チェコ語では”ムハ”と読み、数々の作品を世に残し多くのファンを魅了しています。
ミュシャは大きな劇場ポスターや広告ポスター、挿絵で当初生計を立てていたのをご存じでしたか? 館内に展示されているのは、それらに加え、デッサンや実際に本人が使っていた身近なものまで。貴重なものを見ることができます。
【プラハ旧市街広場(Staroměstské náměstí)】
プラハ歴史地区・世界遺産地域の中心に位置しており、常に多くの観光客で賑わうエリア。ゴシック様式、ロマネスク様式、ルネサンス様式などを始めとする建築様式の建物が並び、現在はレストランやショップが入っています。
【プラハの天文時計(Pražský orloj)】
旧市街広場の旧市庁舎の壁に設置されたチェコ語で「orloj(オルロイ)」と呼ばれる天文時計。
現在でも稼働している天文時計としては世界最古! 1時間ごとに鐘が鳴り、からくり仕掛けが動き出します。上下に分かれたこの2つの時計は、それぞれ「天体の動きと時間や年月日を示す『プラネタリウム』」、「農村における四季を描いた暦を示す『カレンダリウム』」になっています。
少し背筋が寒くなる伝説も。完成した際、美しく精巧な天文時計を他都市にも創ることができないよう、当時のプラハ市役人は時計職人の目を針でつぶしてしまった…のだそう。
そんな天文時計はチケット購入すればのぼることができ、最高の景色を一望することができます。
足がすくんでしまいそうな高さ。しかし、360度、プラハの街を見渡す大パノラマはそれ以上の感動があります。夕焼けに照らされ優しい暖色に輝く街の景色は、きっと忘れることができません。
【カルレ橋(Karlův most)】
絶景ポイントとして外せないのが、南北に流れるヴルタヴァ川に架かるプラハ最古の石橋。写真は朝の9時の様子ですが、澄んだ朝の空気に静かに流れる川を見ていると、とても現実とは思えない気持ちになります。
カレル橋の両側の欄干には、バロック様式で作られた30体の像がズラリと並びます。
全て当時崇拝されていた聖人たちで、その中のひとつカレル橋の彫刻で最初に作られたという「聖ヤン・ネポムツキー像」の土台に触ると幸せになれるという銅板が。(ピッカピカになっていたのですぐにわかります!)1年に1つお願いごとをして良いそう。
プラハ城へは橋を渡り、そのあと坂をのぼっていきます。その先には街を見下ろす絶景が待っています。まるで絵葉書のような1枚を撮るには、ぜひプラハ城へ。
【聖ヴィート大聖堂(Katedrala Sv. Vita)】(プラハ城内)
一時はプラハは”神聖ローマ帝国”の首都となり、数多くの宮殿や教会などが作られたことで「黄金のプラハ」と呼ばれるほど発展し栄えた街になりました。
そのうちのひとつ、「チェコ城」の敷地はお城として世界最大を誇りギネスにも記載されているそう。その敷地内にある「聖ヴィート大聖堂」は、世界遺産・プラハ歴史地区の中で最も有名な建築物と言われており国宝も所蔵しています。
大聖堂を訪れる人が必ず足を止める、ミュシャが手掛けた「聖キリルと聖メトディウス」のステンドグラスは必見。
寒色と暖色が絶妙に使い分けられた作品で、中央に暖色を使うことでまるで光が集まりライトアップされているように見えます。
【ロブコヴィッツ宮殿(LobkowickýPalác)】
貴族のために建てられた優美な宮殿。プラハを訪れたら、ぜひ教会や宮殿で開催されるコンサートに足を運んでみてください。
音楽の本場・プラハでは、ほぼ毎日、本格的な観劇やオーケストラを愉しむことができます。煌びやかな空間で、時間を忘れて美しい音色を全身で堪能してみては。
意外と知らない!チェコ料理の魅力を堪能
【トゥルデルニーク(Trdelnik)】
街のいたるところでクルクルとまわり、芳ばしく焼かれているパンのような伝統菓子。外はサクッと、中はふんわり、モチっとした食感です。
街を散策しながら愉しめるこのグルメは様々なフレーバーがあり、夏には中にソフトクリームアイスをいれたものが人気だとか。
【カフェ ルーヴル(Café Louvre)】
オシャレで有名な店舗は数あれど、こちらはプラハで必ず立ち寄りたいカフェのひとつ。
なぜなら、ここはかの有名な小説家”フランツ・カフカ”や学者”アルベルト・アインシュタイン”などが通った場所なのです。
店内の雰囲気も抜群。どの席で、一体彼らはどんなことを考えていたのだろう…などと想いを馳せてティータイムを過ごすなど、なんともノスタルジックなひと時を過ごせそう。
【U Fleků(ウ・フレクー)】
意外にもチェコのビールの年間消費量は世界一で、プラハにも世界中から美食家が集まるレストランが軒を連ねます。こちらは、もともと修道院だった建物が使われている、プラハで最古のブルワリー。
【Flekovský ležák 13°(フレコフスキー レジャー)】
チェコビールは黄金色が主流ですが、こちらのダークラガーは、チェコ産の原料を使って500年以上前から造られているこのお店唯一の逸品。
【knedlíky(クネドリーキ)】
英語メニュー名は「Beef in cream,bread dumplimgs」。茹でて作られるパンで、家庭料理の定番でも親しまれている料理。もっちりふんわりした食感がやみつきになります。
こだわりアイテムに心躍るショッピング
【ハヴェルスカー市場(Havelské tržiště)】
観光したら、ショッピングもお忘れなく。ここは、野菜や果物だけでなくお土産も手軽に買うことができる青空市場でたくさんの人でにぎわいます。
【クルテク(Krtek)】
チェコ語で「もぐら」という意味の国民的キャラクター。至る所にグッズがあり、何とも言えない愛嬌のある表情に負けて、ひとつお土産に購入。
チェコのナチュラルコスメはマストバイ。
チェコでは、中世の頃から薬草などを上手に使い、オーガニックなコスメを宮廷にも取り入れていたという歴史があるのだそう。3大ブランドをご紹介します。
まず、【APOTEKA(アポテカ)】。チェコでは「Havlíkova Přírodní Apotéka(ハブリークの自然薬局)」と呼ばれるこのお店は、まだ海外にもあまり知られていないブランド。
ブランドのこだわりは、自社で栽培から手がける自然由来の原料を使うこと。
920年代に薬剤師が17世紀にまで遡り集めたレシピを使ってコスメづくりをしたのが起源と言われています。そんな代々受け継がれてきた独自のレシピを元に作られる安心安全なオーガニックコスメです。
店員さんにもお話を伺い、人気商品を購入。
(左)「Havlíkův přírodní zázrak(ハブリークーブ・プシーロドニー・ザーズラーク)」は、敏感肌でも使用できるバームで、肌の再生を促してくれるピーリング効果も。
(右) 「Klálovska snídaně(クラロフスカー・スニーダネェ)」は朝用パック。なんと、日本語で「王室の朝食」というすごい名前! 顔に塗ってから、3分後に洗い流すだけ。保湿効果があり、しっとりとした仕上がりに。
【Botanicus(ボタニクス)】
日本にも店舗があり、愛用している方も多いのでは? プラハ郊外に広大なオーガニック農園を持ち、製品に使うほぼ全ての材料を農園で作っています。
チェコに伝わる伝統的な製法で作られているという製品の中でも、特に人気なのが、オーガニックの石けん。
果物やハーブを原料に作られた石鹸には、花や果肉がそのまま入っているなど細部までこだわりが。肌タイプ別や、肌トラブル別にわかりやすく作られ、その豊富なバリエーションに驚きます。
石けんのほか、日本よりもお手頃で購入できるシアバターや、ローズの香りの乳液も人気だそう。
【MANUFAKTURA(マヌファクトゥーラ)】
日本にもファンが多い、チェコを代表するブランドのひとつ。
100%チェコ国内産の材料を使うことにこだわり、チェコ国内産の植物や果物を使用して開発されたコスメが人気で季節ごとに新商品を発表しているそう。ビールやワインなどを使用した珍しいものもありますよ。
リンデン(西洋菩提樹)の香りがする、プラハ市内の店舗限定の商品「Prague Memories」シリーズ。爽やかで上品な芳香は旅の思い出にもぴったり。
歴史と美しい景色に心奪われる街
現代と過去が交差する、まるで中世にタイムスリップしたような時間を過ごすことができる街。文化や芸術に触れて、心が豊かになるチェコのプラハに、ぜひ一度は訪れてみてはいかがでしょうか?
ドイツ在住の元CA。システムエンジニアを経て客室乗務員となり、退職後2023年より家族とドイツに住む。学生時代に台湾留学でマスターした中国語と英語に加え、現在はドイツ語の資格取得に挑戦中。異文化交流と新しい体験を求めて、世界中を旅するグルメ探究者。旅先で味わった料理を自宅で再現するのが趣味。ドイツを中心にヨーロッパでの暮らしと旅情報をお届けしていきます。
Instagram:@wakana_log/@wakana_log_germany
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