<山本屋魚濱> 一口食べればトリコに。琵琶湖鱒の専門店 #巡る滋賀

<山本屋魚濱> 一口食べればトリコに。琵琶湖鱒の専門店 #巡る滋賀

滋賀県の最大の魅力といえば、滋賀県の代名詞でもある日本最大の湖・琵琶湖。その他、国宝の「彦根城」やユネスコ世界文化遺産の「比叡山延暦寺」など一度は訪れたい観光スポットもまた有名です。

でも、それだけではありません。有名観光スポット以外に焦点を当て深掘りすると、まだまだ知られていない注目ポイントがたくさん! それを知らないなんてもったいない…!

この連載では、「現地の方がおすすめしたいスポットやお店、それをつくるヒトの魅力をていねいに取材し、お届けする滋賀の観光ガイド“巡る滋賀”」の情報を発信していきます。

滋賀県への旅のきっかけやガイドブックとなりますように…そんな思いを込めて滋賀県の新たな魅力をお伝えします。

「琵琶湖の宝石」と言われる固有種をご存知ですか?世界中どこを探しても琵琶湖にしか生息していない魚…それが「琵琶鱒」。そんな希少な魚をお得に味わえるのが、長浜駅から徒歩約10分の場所にある「山本屋魚濱」。
お店を営んでいるのは実際に琵琶鱒を捕りに行かれている漁師さんたち。琵琶鱒専門店を立ち上げたきっかけ、魅力などについてお伺いしました。

お店に入る際、最初にお出迎えしてくれたのは本日の主役である「琵琶鱒」。とても大きくそのサイズはなんと49センチ!今回お話を伺った店長の木田さん曰く、この大きさが釣れたら「やったー!」となり、毎日2〜3本は釣れたらいいなと思うそう。入ってすぐに琵琶鱒を感じられるお店です。

お店を立ち上げたきっかけ、それは琵琶鱒の販売方法にあるそう。
「琵琶鱒って基本、個人売買なんですよ。捕ってきたら自分で売る先を探して売らないと。漁協で管理してとかじゃないんで」

その販売方法の為か琵琶鱒を釣っても売るところがなく、売れないのであれば琵琶鱒を捕りにいけない。まさに悪循環だと仰います。そんな問題点を解決したい思いから漁師でもあり、このお店のオーナーである山本さんが「だったら自分達で店作ろうぜ!」と言ったことが始まりなのだそうです。

それからは仲間の漁師達に声を掛け、お店を開く賛同を求めていました。ですがその答えは「お金出せへん」という言葉達…。協力できないと言われながらも、山本さんはめげず「なら俺が店作るから!」と宣言。2020年2月に琵琶鱒専門店「山本屋魚濱」を立ち上げられました。凄い行動力ですね!

この話に木田さんは「たまたま僕も自分のやってた仕事を辞めたタイミングやったんで、『お前やれや!』『魚捌けるやろ?』みたいな感じで、軽いノリで言われたんです(笑)」と笑います。前職は漁や釣り関係の仕事をされていたそうで、飲食や料理の仕事は特にしたことがなかったそう。ですが自分で釣ってきた魚を自分で捌いて、友人達に食べさせていた経験があり、魚の扱いができるだろうと話が来たそうです。

「一口でも食べてくれたらこっちのもの」
確信をもって断言する程の美味しさ。「琵琶湖の宝石」とも言われる琵琶鱒の魅力とは一体どのようなものでしょう?

「油が乗っているのにしつこくない、上品な油、甘味ですね。琵琶湖にしかいない固有種ってのも武器の1つ。なかなか出回らないからこそ知る人ぞ知る魚」

目にする機会が少ないからこそ、希少価値を上げているのかもしれません。湖で育つ魚だからこそアニサキスの心配も要らないそうです。今となってはテレビでも取り上げてくれる機会も増えており、テレビを見てお店に来てくれたり、個人で調べて来てくれるお客様が滋賀県の方を始め、他府県からも来られるようになったのだとか。

そんな山本屋にあるメニューは当然、琵琶鱒づくし!お造りや炙りはもちろん、丼に燻製、西京焼き、中には琵琶鱒の生ハムなど、定番のものから珍しい料理まで琵琶鱒が盛りだくさん!

その中でも特に目を惹いたのは「ビワマス御膳 二之重」!

二段重ねの重箱。蓋を開けてまず現れたのは、ご飯の上に隙間なく敷き詰められた琵琶鱒のお刺身。薬味で綺麗に飾られ、その見た目はまさに宝石箱のよう…。
一口食べた瞬間にフワッと広がるうま味。臭みも一切なく美味しい!
実は食べるまであまりイメージができなかった「油が乗っているのにしつこくない、上品な油、甘味」を一瞬にして理解しました。

二段目にはバター醤油で炒め、ソテーにした琵琶鱒。四切れも入っておりとてもボリューミー。先程のお刺身とは違ってフワッと、でもトロッとした食感…バターとの相性も抜群!セットで付いてくるあら汁と小鉢にも琵琶鱒が使われています。

他にも、丼はご飯を見せまいと言わんばかりに何切れもお刺身が使用されていたり、お造りは特に美味しいお腹と背中部分を贅沢に厚切りにして提供されています。あまりにも大きくてお客様から「細かくしてくれませんか?」と言われるほど!

一品一品にふんだんに使用されているため、やはり琵琶鱒はたくさん必要になってきます。木田さん自身で釣ったものはもちろん、仲間の漁師10人程にお願いして大きいものから小さいものまで全ての琵琶鱒を買い取ったりしているそうです。それでも足りないんだとか!

そんな琵琶鱒をここではお手頃な値段で頂けるのです。

「琵琶鱒の価値を知っている人は、安すぎると思ってくれるんですけど、知らない人はメニューを見た際に値段を見て高いと思って違う場所に行っちゃうんです。これも知名度の問題で…(笑)」

昔は築地に持っていくと、「こんな川魚いらん!」ともいわれ蹴られたり、食べず嫌いで「琵琶湖の魚は臭いから要らない」という偏見すらもあったそう。

まだまだ知られていない琵琶鱒の魅力。この記事を読んで、琵琶鱒と山本屋魚濱の魅力を是非味わってみてはいかがでしょうか!

ディープな滋賀の魅力に出会える! 人気連載「巡る滋賀×キレイノート」の他記事は#巡る滋賀からご覧いただけます!

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