2024.10.23
からだにも自然にもやさしく。オーストラリアワインの魅力
オーストラリアは豊かな土地と自然に恵まれ、世界でも有名なワイン王国です。シラー、シャルドネ、ソーヴィニヨンブランなどさまざまな品種、各州に個性的なワイナリーがたくさんあります。町にはワインショップやワインバーなども多く、とても身近な存在。そこで、今注目のオーストラリアのワイン事情をご紹介します。
オーストラリアワインってなに?
オーストラリアワインの最大の特徴は、広い国土、多様な気候と土壌をいかしたユニークかつ個性的なワインがたくさんあることです。しかも、10ドル~30ドル(約1000円~3000円)前後のリーズナブルで飲みやすいワインが多いです。2023年度の世界ワイン生産量では6位で、今後も国を挙げて生産量を増やす計画が打ち出されています。
オーストラリア全7州のうち、最大の生産地で産出量の半数を占めるのが南オーストラリア州です。州都であるアデレード周辺にはたくさんのワイナリーがあり、観光客も多く訪れます。右隣にあるニュー・サウス・ウェールズ州にあるハンター・バレーは、オーストラリアワイン発祥の地として有名です。セミヨン、シラーズといった高品種の産地で、150以上のワイナリーがあります。西オーストラリア州は、家族経営の小規模なワイナリーが多いことからワイン好きの人に大人気。特に赤ワインが注目されています。そして、メルボルンのあるビクトリア州は、ブドウ栽培が可能な数少ないワイン生産地。オーストラリアの中でも寒暖差が激しいので、その気候をいかしたユニークなワインを数多く生産しています。
ますます広がるサステナブルワイン、ゼロワイン
オーストラリアには“Bottle shop”といったワインをメインに販売している酒屋さんをあちこちに見かけます。チェーン店もあれば、品種や産地にこだわった個性的なワインのみを扱うショップなどもあり、ワインショップめぐりをするだけでも楽しいです。
スタッフの方におすすめを聞いてみると、よく言うキーワードが“サステナブルワイン”。環境立国としてリードするオーストラリアは、「サステナブル・ワイングローイング・オーストラリア」というブドウ栽培者とワインメーカーのための国家プログラムがあり、ワインビジネスの環境的、経済的、社会的側面からブドウ畑とワイナリーでのサステナビリティを継続的に向上することを目的にしています。
そしてもうひとつのキーワードが、“ゼロワイン”。ノンアルコールワインとも呼ばれていますが、アルコール度数が0%、もしくは度数が非常に少ない1~5%未満のことを言います。通常のワインと同じように製造されますが、蒸留プロセスでワインのアルコール含有量を取り除くというもの。ワインショップにもコーナーが用意されていて、たくさんの種類が置かれています。
観光客にも人気!ワイナリーめぐり
大自然に囲まれたオーストラリアは、海や山に出かけたり、固有種の動物たちに触れあうなど、さまざまなアクティビティが体験できますが、ワイナリー見学ができるツア―もたくさん用意されています。オーストラリアにはワイン産地が65カ所、2400を超えるワイナリーがあちこちに点在しています。例えばビクトリア州は、メルボルンから約65km離れたヤラ・バレーのワイナリー地帯が有名です。車で1時間強で訪れることができることから、ツアーもたくさん組まれています。
自然にもからだにもやさしいナチュールワインの魅力
日本でも人気なナチュールワインですが、オーストラリアではもはや一般的で、ナチュールワインだけを扱うワインバーもあります。オーガニックワインとも言われ、ぶどうはオーガニック栽培され、製造工程では合成保存料や動物由来の清澄料は不使用、ワイナリーの運営も先に紹介した環境に配慮したサステナブルな取り組みを行っています。
実際に飲んでみると他のワインと変わらずおいしいのはもちろんですが、不思議と心地いい酔いを楽しめるのが最大のポイント。個人的にたくさん飲んでも悪酔いしないんです。
気軽に楽しめるワインバーに行ってみよう!
日本に居酒屋がたくさんあるように、オーストラリアにはワインを気軽に楽しむワインバーをあちこちで見かけます。ワイワイグループで楽しむパブと違って、2、3人のグループや子どもを連れて楽しむファミリーもいて、個人的にパブよりも敷居が低い印象です。また、ほとんどのワインバーでハッピーアワー(夕方)を設けていて、リーズナブルなお値段でワインをいただけます。
ワインを飲みながらオーダーしたいのが、ドライトマトやオリーブ、チーズやサラミなどのおつまみ“タパス”。小腹が空いているならピザなどもオーダーできます。ひと皿6ドル程度なので2、3皿頼んであとは好きなワインを1杯飲んで、友だちと楽しい時間を過ごす…、というのがお決まりのコース。
旅先の思い出のひとつとして、ワイナリーやワインバーを訪れたり、お土産として日本未発売のオーストラリア産のワインを買っていくのも喜ばれそう。 ぜひ、今度の旅で新しいオーストラリアの魅力を発見してくださいね!
大学卒業後、出版社勤務を経てフリーランスの美容ライター、エディターとして20年以上のキャリアをもつ。2023年4月より娘と一緒にオーストラリア・メルボルンへ移住。ナチュラル・オーガニックのビューティのキャッチアップ、ヘルシーなフード、最旬のカフェ事情をはじめ、サステナブルのセミナーや取材など新しい分野にも取り組む。■ウェブサイト: https://www.natsumemadoka.com/
■Instagram: @madoka_natsume
この著者の記事一覧へ