2024.07.27
【AKO×栗林良子】事前・事後、アフターケアまで。日焼け対策を語り尽くす!
アートディレクターや美容ライターとして活躍中の栗林良子さん。センス溢れる日々の暮らしや、美容アイテムの使用感を忌憚なくSNSで発信し、多くの人から支持されています。そんな栗林さんは、美容医療に関する知見も豊富。本連載「栗林良子の“今”コレが聞きたい!」では、美容医療ライターとして、栗林さんが“今”お話を聞きたい人をお招きし、気になるテーマについて語らっていただきます。
記念すべき第一回のゲストは、美容ナースのAKOさんです。先日も石垣島に行かれるなど、実はアクティブ派だというAKOさん。それでも、お肌には日焼けの形跡は見当たりません。普段、一体どんなケアをしているのか? たっぷり聞かせていただきました。
日焼けに対する3つのアプローチ
栗林良子(以下、栗林):先日、石垣島に行かれていましたね。おやすみごとにアクティブに過ごされている中で、この美肌をキープしている秘訣をきっとみんな知りたいと思うので、今日はぜひそのあたりを聞かせてください。
AKO:日焼け対策をするなら、美白のメカニズムを意識してもらうのがいいかなと思います。その上でやるべきことは大きく3パターンに分かれるかなと思うので、一つずつ解説していきますね!
1. レジャーの前にやるべきこと
AKO:前段階として、肌にとって刺激によるメラニンの生成を抑制するという意味では、トラネキサム酸を塗ったり、飲む日焼け止めの内服がおすすめです。日焼けによる炎症を起こさないようにしてくれます。私はレジャーをする前にはビタミンCの内服も欠かしません。
栗林:抗酸化作用を期待して、ということですね。
AKO:そうですね。日焼けをする前に高濃度のビタミンC点滴をするのもいいと思います。
栗林:事前に内服や点滴で摂取すると、焼けにくいなって体感ありますか?
AKO:日焼けによる体内の活性酸素の増加を防ぐために、内服や点滴で抗酸化へのブーストをかけるというイメージですね。抗酸化の身体のままレジャーに行って、帰ってきたらまた点滴をするとより安心です。
2. レジャー後の対処法
AKO:日を浴びたら、メラニンの生成を抑えるために、やはりここでも還元作用のあるビタミンCやメラニンの合成を抑制するグルタチオンの点滴や内服をおすすめします。あとは焼けた箇所を冷やして保湿すること。普通にアイスノンや保冷剤をタオルなどに包んで、実質的に熱を取るようにしてください。炎症してるって思うとメラノサイトがメラニンをつくってしまうので、火照っていたら直接冷やすのも効果的です。
栗林:なるほど。保湿というのは、単純に乾燥対策ですか?
AKO:そうです。炎症してると乾燥して水分が逃げていってしまうので、保湿をして通常の肌に戻すようなバックアップをするイメージです。早期に鎮静してあげることで過剰に皮脂が分泌されることも予防できると思います。炎症って本当に肌によくないんですよ。ちょっと話は逸れますが、高濃度レチノールやピーリングなどをホームケアで頑張ってる方がいらっしゃいますが、日差しを浴びるレジャーが決まっている前後はなるべく避けたほうがいいんですよね。
栗林:なるほど! そういったものも炎症を引き起こすから、ということですね。では、レジャーの前後は保湿重視の守りのスキンケアをしていくほうがよい、と。
3. うっかり日焼けしてしまったら…
栗林:うっかり焼けてしまった場合はどうしましょう?
AKO:応急処置として点滴はおすすめですし、スキンケアも塗るだけじゃなくて導入もしたほうがより効果的かなと思います。そこで出てくるのが美容医療で、アンジークリニックではデルマシオというエレクトロポレーションを応用してトラネキサム酸やビタミンCなどを細胞に届けることができます。
栗林:何を入れるかはお肌の状態にあわせて成分バランスを変えてますか?
AKO:そうですね、日焼け後にクリニックにいらっしゃる方には、水分量を上げて修復するためにプロテオグリカンやセラミドなどを入れることもあります。あとはやっぱり医療用LEDを照射するヒーライトも炎症を抑制する効果があります。日焼けをしてしまったと来院された方には、点滴、デルマシオ、ヒーライトの3点セットを応急処置として行うことが多いかも。
栗林:もし応急処置のタイミングも逃してしまったとしたら…?
AKO:もうシミになっている場合はレーザーやIPLでメラニンに直接アプローチするとか、弱いトーニングで代謝を促すとかですかね。
栗林:それは日焼け後、どのくらいしてからできますか?
AKO:炎症レベルによりますけど…ダメージが完全に収まってからですね。1〜2か月以上は空けて、本当にお肌の炎症が収まってからじゃないと、攻めの美容医療はおすすめしません。
栗林:じゃあもうダメージが収まるまでは、炎症を抑えることに専念する感じですね。シミを取れる段階になったら、どんな治療が考えられますか?
AKO:シミの状態によっても異なりますが、IPLだとアンジーではルメッカ。ルメッカのいいところは浅い層の色調の濃いシミが狙えるところで、肌色の白い方に効果的です。あとはピコスポットや、あえてYAGでスポットをすることもあります。
また、ピーリングやトレチノイン、ハイドロキノンを取り入れてシミを追い出す治療も有効です。
栗林:ピコとYAGは何が違うんですか?
AKO:YAGのほうが昔からあるレーザーなんですが、パルス幅という照射時間が違います。とはいえYAGも改良が進みアプローチや精度は上がっていて、ピコのほうがすっきり取れるタイプと、YAGのほうがすっきり取れるタイプのシミがあるんです。これは自己診断は難しいので、先生にしっかり診断してもらいましょう。
実は日焼け後の対応って、ダウンタイムの過ごし方と同じなんです。初期段階はとにかく炎症を抑え込み、保湿する。ある程度時間が経ったら追い出すほうにシフトチェンジする。私のInstagramに、ダウンタイム中に使用している商品を紹介している投稿があるので、そちらもぜひ見てみてください。
栗林:なるほど! ダウンタイムと同じって考えるとわかりやすいかも! 丁寧に扱ってあげないとですね!
AKOさん流・日焼け止めの塗り方
栗林:日焼け止めの塗り方についても伺いたいです。AKOさん並みの美肌を保つにはどのくらいのSPFのものを使用しているのか、どのくらいの頻度で塗りなおしているのか…など。
AKO:肌が出ている部分は、耳の裏まで含めてすべて塗ります。髪の毛も焼けるので、スプレーで上から足しますね。レジャー時は汗水に強くSPFは50+のものを。今は高SPF値でも肌への刺激を抑えた日焼け止めも多くあるので、特別肌が弱い方以外はあまりSPF値を気にせずに、お肌に合う物を選ぶのがいいかなと思います。
栗林:やはり数値よりも塗りなおし?
AKO:そう! “追い”が大事な気がしますね。頬の高い位置は厚めに塗って、理想だけでいったら通常の生活の時でも3,4時間の間には塗りなおしたいですね。レジャーの場合は汗もかくし、水に入ったらまた塗る。トレッキング中は歩きながらスプレーをするくらいの気持ちで(笑)。なかなか現実的ではない場合は、日傘や帽子、UVカットのパーカーなどを組み合わせて物理的に紫外線をカットする方法も取り入れます。
AKOさん流・サプリの飲み方
栗林:普段から摂っている、美肌のためのサプリメントについても教えてください。
AKO:1包1,000mgの個包装になっているメイフラワーの「VitaminC高純度100」は粉の量が少なく気軽に水で飲めるからおすすめです。1日に1~2本を目安に飲んでいます。1本54円で続けやすいのもいい。他には、トラネキサム酸やグルタチオン。サプリメントのブランドだとMSSをよく飲みます。MSSは医療機関専売なんですけど、レベルとしては処方薬と同等クラスで性能検査をしており、吸収と利用効率を意識して作られています。なので、合成材料だけでなく原材料に鮭の白子由来の成分が入っている商品もあります。理論上、めちゃくちゃいいものを追及しているのですが、安価ではないので、続けてみて体感で選んだらいいと思います。
栗林:まずは3ヶ月試してみて、効果実感できるかどうか、ということですね。
AKO:ホームケアや美容医療、サプリや食事も含めて、肌づくりは結局継続です。予算的にも環境的にも、継続できることを取り入れていただけたらいいなと思います。
栗林:今回はAKOさんに日焼け対策を、事前〜直後、そしてアフターケアまで体系的におしえていただきました。この流れでケアしたら今年の夏は絶対シミにならなそうですね! 皆様も是非お試しくださいね。AKOさん、ありがとうございました!
AKO
32歳の時に肌老化に愕然として美肌作りに目覚め、美容医療や医薬品・ドクターズコスメなど様々な美容法にトライ。その中で自分が本当に良いと思ったものだけをシェア、その審美眼が美容好きを中心に熱く指示されています。フォロワー数6.2万人のInstagramアカウント@ako.cosmeも大好評。
栗林良子
美容医療ライター。東京藝術大卒業後、広告代理店に16年勤務、その後美容ライターに。経歴を生かしたマーケティング目線でプチプラコスメから美容医療まで、若見え効果を重視した最新美容を自腹でお試し&研究し続けています。身体を張ったレビューを日々発信しているInstagramアカウント@ryoko.kuribayashiも要チェック。
撮影/渡会春加