11のメゾンが集結。世界初のシャンパーニュホテルが大阪にOPEN
LIFESTYLE

2024.07.30

11のメゾンが集結。世界初のシャンパーニュホテルが大阪にOPEN

“I only drink champagne on two occasions, when I am in love and when I am not. “(私がシャンパンを飲むのは二つの時だけ。恋をしている時と、してない時。) – Coco Chanel

“In victory, you deserve champagne, in defeat, you need it.” (シャンパーニュは戦いに勝った時こそ飲む価値があり、負けた時には飲む必要がある。)-Napoléon Bonaparte

フランスの英雄的存在でもあるナポレオンや、今もなお世界中の多くの女性を虜にしているココ・シャネルもまた、シャンパーニュを愛してやまなかったと言われています。

世界初のオフィシャル・シャンパン・ホテルが心斎橋に

そんなシャンパーニュ愛好家のためのホテル「Cuvée J2 Hôtel Osaka by 温故知新」が今年1月、大阪・心斎橋に開業しました。

日本にシャンパーニュ文化を造る活動を行ってきた、シャンパーニュ業界のパイオニア・山本一人氏をプロデューサーに迎え、フランスで最も飲まれているシャンパーニュブランド「ニコラ・フィアット」、007でお馴染みの「ボランジェ」、レオナルド・ディカプリオも出資する「テルモン」など、11の名門シャンパーニュ・メゾン(生産者)が参画。各メゾンに働きかけを行い正式に許可を得た、世界初となるオフィシャル・シャンパン・ホテルです。

白亜の大聖堂や洞窟にインスパイアされた一棟

長堀橋駅から徒歩4分、心斎橋駅から徒歩7分。大阪の混沌とした街並みの中で、どこか幻想的な美しさを放つ白いビルが目を引きます。デザインは建築家の小川晋一氏。シャンパーニュ地方を象徴する白亜の大聖堂や、地下深くに掘られたチョーク採石場をそのまま使用する白い洞窟「クレイエール」をイメージしたとか。2階は鮨レストラン、3階はラウンジ、4階から14階までは客室フロアで構成されます。

チェックインはラウンジにて行われます。もちろんウェルカムドリンクはグラスシャンパーニュ。きめ細かな泡で喉を潤しながら、これから始まる滞在に期待を膨らませます。

この日に限ってパラソルの下、テラス席でバーを開放

8月は「テルモン」にフィーチャー。8月の一ヶ月間は、ホテル3階の「AWA Lounge & Bar」にて真摯に自然と向き合いシャンパーニュ造りを続けるメゾン・テルモンと特別にコラボレーションして制作した、本物のウィローモスで覆われたシャンパンウォールが登場。さらに、ホテル6階客室「テルモンルーム」にはテルモンのコルクを使用したテルモンオリジナルコルクチェアを特別に設置予定。また、830日(金)は2 AWA SUSHI」にてテルモンと特別にコラボレーションしたインポーターディナーを開催。

1フロア1ルーム、全11室のオリジナルキュヴェルーム

「シャンパーニュを五感で楽しむこと」をコンセプトに、11室ある客室全てを11の名門シャンパーニュ・メゾンと共に造り上げています。

「Cuvée ROOM」は広さ37~51㎡。客室に足を踏み入れた瞬間から、シャンパーニュの世界観や各メゾンの歴史、文化を体感できるよう、11タイプそれぞれを独自にデザイン。

各メゾンとホテルをつなぐインポーターや、プロデューサー山本氏のこだわりが詰まった客室。実際にシャンパーニュ地方から生産者が来日して泊まりに来ることもあるそう。

24時間いつでも最適な温度で自動的に湯が張られる「エニータイムバス」を完備しているのも特徴的。ヘアケアアメニティには、北海道余市産の白ブドウ由来成分を使用した「CHRONO CHARME(クロノシャルム)」を採用。バスルームにオリジナルのアロマが心地よく香ります。

ゲストには各メゾンが選定した特別なシャンパーニュが提供されます。

日本初「Champagne, Please!」で滞在中はいつでも

おそらく日本国内のホテルでは初となる、客室の固定電話に「Champagne, please!」というボタンを押すと、グラスシャンパーニュを運んできてくれるサービスも。(有料)

常時5~6種類のシャンパーニュをラインナップ。近年世界的にシャンパーニュの価格が高騰する中で、ヴィンテージシャンパーニュを特別な価格で飲めるとしてリピーターが続出。

グラス選びもまた楽しい。細長いフルートグラスは華やかな香りを引き立て、チューリップ型のグラスは複雑なアロマを演出。クープグラスは贅沢な風味を楽しませてくれます。好みのテイストに合わせたグラス選びが一杯のシャンパーニュをよりいっそう有意義なものにしてくれる秘訣でもあります。

コラボレーションする11のメゾン

「BOLLINGER(ボランジェ)」「Charles Heidsieck(シャルル・エドシック)」「RARE CHAMPAGNE(レア・シャンパーニュ)」「TAITTINGER(テタンジェ)」「TERMONT(テルモン)」「Joseph Perrier(ジョセフ・ペリエ)」「Nicolas Feuillatte(ニコラ・フィアット)」「Jean Vesselle(ジャン・ヴェッセル)」「Cuperly(キュペルリー)」「Demoiselle(ドゥモアゼル)」「LALLIER(ラリエ)」

全11室のオリジナルキュヴェルームは、それぞれのメゾンの世界観で造り上げられるほか、生産者からのメッセージや特別なシャンパーニュ1本を添えてゲストを迎えてくれます。

たとえば「ニコラ・フィアット」のオリジナルキュヴェルームでは、メゾン最長となる熟成10年のヴィンテージシャンパーニュ「パルム・ドール ブリュット 2008」が1室につき1本提供されるのに加えて、ブランドのオリジナルグッズや全6種類を揃えた特別セラーを設置しています。

5月はテタンジェ、6月はドゥモアゼル、7月はキュペルリーというように、マンスリーメゾンにフューチャーしたイベントなども開催されます。

5月のマンスリーメゾン、テタンジェルームに滞在

今回は5月のマンスリーメゾンでもある、11階の「テタンジェルーム」に滞在しました。白を基調としたコンセプトに黒が映えるデザイン。ベッドボードには一族の家紋が施されています。

客室に足を踏み入れた瞬間、目に飛び込むデザインは、そのメゾンの独創性を表現し、滞在に彩りを添えてくれます。

テタンジェとは

1734年、シャンパーニュワインを扱う商人、ジャック・フルノーがメゾンを創立。当初はスティルワインを販売していたものの、シャンパーニュを発売して大盛況に。18世紀以上の歴史を持つランスのサン・ニケーズの丘が本拠地。

大恐慌時代を経て、フォレスト家とフルノー家の手を離れたメゾンをピエール=シャルル・テタンジェ(1887-1965)が買い取り、シャンパーニュ地方に土地とセラーを持ちたいという自らの夢を叶えました。

それ以降、フランスの高品質な料理に対する彼の情熱をもとに、メゾンで作られるワインのスタイルが確立され、メゾンの経営は息子の一人であるフランソワ・テタンジェに任されました。今もなおオーナーと経営を担う希少な大手シャンパーニュメゾンです。

自社ブドウ畑はシャンパーニュ地方屈指の288haという広大な面積を誇り、シャルドネ種を主体とする繊細でエレガントな独自のスタイルと、軽やかな口当たり、安定した高品質の味わいを届けています。今では「シャンパーニュの貴婦人」とも称され、FIFAの公式シャンパーニュとしても高い知名度を誇ります。

AWA SUSHIで“鮨シャン”クルーズを満喫

ディナーは、2階に併設されたカウンター10席の鮨レストラン「AWA SUSHI」にて。鮨を主役に、11メゾンが誇る各種シャンパーニュとのマリアージュ、いわゆる“鮨シャン”を体験できます。

あえてペアリングコースは設けず、ソムリエがセレクトした4種のシャンパーニュに対して、順に提供される鮨をどのように合わせていくか、ゲスト自身で探って自由に楽しむ、“クルーズ”スタイルを提案しています。

この日はマンスリーメゾンでもある「テタンジェ」のクルーズ。ベーシックからロゼ、さらにはトップ・キュヴェ「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン2007」のラインナップ。

「初めてコントを飲んだ時の衝撃を忘れられず、飲んでいない時間もその味や香りを思い出せるほど脳裏に焼き付いている。」と絶賛するのは、AWA SUSHIのソムリエ。なで肩で丸みを帯びた美しいボトルが示すように、テタンジェ社の中でも「シャンパーニュの伯爵」の意を持ち、並外れた品質に達した優良年のシャルドネのみを使った、メゾンの最高傑作として知られています。

国内外を渡り歩いて来たと言う料理長ならではの遊び心を感じる、鮨のOMAKASEコース。

イクラを出汁に漬け込んだり、桜鱒をお茶で締めたり、はたまた脂身の多い魚は口の中で脂が溶けるのを計ってシャリの温度を変えたりと、随所に技とセンスが光ります。東京と大阪の中間くらいの甘さと、絶妙な食感を意識したという、シャリへのこだわりもまた興味深い。

従来の寿司屋にありがちな、玉(ぎょく)で締めるというお決まりのコースや固定概念に疑問を抱き、あえて卵焼きは提供せず、卵を使用したデザートを提供しているというのも印象的。この日はクレープシュゼット、夏の時期はカタラーナなど、寿司職人の型にとらわれない発想で毎回ゲストたちを魅了しています。

彼が生み出す革新的な“SUSHI”に、歴史あるテタンジェの奥深い世界をたっぷり堪能できるひと時。

AWAラウンジで食後の一杯を

鮨シャンの余韻に浸りつつ、3階の「AWAラウンジ」にて食後の一杯を楽しみます。ホテルで取り扱う11メゾンをマッピングした、シャンパーニュ地方ランス村の地図がアイコニック。

バーカウンターでソムリエとの会話を楽しみながら、シャンパーニュに関する知識を深めてもいいし、友人同士でそれぞれ宿泊する場合は、各フロアに置かれたメゾンのシャンパーニュをラウンジに持ち寄って飲み比べてみても楽しそう。

プロデューサーの山本氏は「シャンパーニュをよりカジュアルに楽しんでほしい」と大阪・新地にシャンパーニュバー「Bistro Champagne」を経営。ホテルを飛び出してバーホッピングや、夜の街を徘徊するのもあり。

6月からフリーフロープランを開催中。ビジター利用も可能。

15:00-21:30(最終入店20:00)
シャンパーニュ1種類・ソフトドリンクプラン:6,600円(税込)/1名
シャンパーニュ3種類・ソフトドリンクプラン:14,000円(税込)/1名

時間を気にせず、Breakfast In Bedスタイルで

ホテルや旅館の朝食といえば、限られた時間内に(たとえそれほどお腹が空いていなかったとしても)提供されるのが一般的。

ところが「Cuvée J2 Hôtel Osaka by 温故知新」では、前日に飲み過ぎてしまったり、翌朝はゆっくり目覚めたいというゲストの想いを汲んで、時間にとらわれることなく好きなタイミングで朝食を食べられるようにと、予めチェックイン時に客室内に朝食がセットされています。

素泊まり、朝食付き、夕朝食付き、ボトル付プラン、3種シャンパーニュ飲み比べプランなど豊富な宿泊プランの中から、旅の目的やニーズに合わせて自由自在に滞在を組み立てられます。

シャンパーニュ愛好家のための、唯一無二の滞在

ミニマムな空間の中にシャンパーニュの世界を見事に詰め込んだ、他にはないホテルの形。たしかに真似事や似せて作ることはできるかもしれないけれど、これら錚々たるシャンパーニュメゾンとの確固たる繋がりを保ち、彼らを口説き落とした、公認・公式のシャンパン・ホテルが成り立つのは、きっとこのチームだからこそ。時間をかけて各メゾンと造り上げたという背景も、一度宿泊すれば納得できます。

まず思い浮かんだのは、身近にいるシャンパーニュ好きな輩。彼らとこの時間を共有したい、この感動を分かち合いたいと感じます。各メゾンのシャンパーニュを持ち寄ってラウンジやディナーの際に楽しめるのもまた、このホテルの醍醐味。次回はどのメゾンの部屋に泊まろう?アニバーサリーステイにもぴったりなのでは?と、あらゆる滞在を妄想させてくれます。

ここでの滞在を通じて、シャンパーニュの世界観やメゾンの歴史、文化に触れて、身も心も満たされて、幸福の時間へと昇華していくー。

熟成すればするほどその芳醇な味わいを増すシャンパーニュのように、これから10年、20年…時を重ねてこのホテルが熟成していくプロセスを、愛好家の一人としてずっと見届けたいと思える、そんな存在です。

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