2023.11.08
市内観光とはひと味違う!チェンマイのリバークルーズ体験がおすすめ
Mae Ping River Cruise
チェンマイでワット(寺院)を回り、屋台でローカルフードを満喫する……。観光を一通り楽しんだら、ひと味違う体験がおすすめです。観光地から離れた場所の人々の暮らしを垣間見ることができ、さらに市内近郊でたっぷり自然も満喫できるリバークルーズはいかがですか。
今回、筆者が実際に体験してきた、ピン川クルーズを完全レポートします。
もりだくさんのピン川クルーズ
ワット・チャイ・モンコールの桟橋から出発し、市内を北上。ハーブファームを訪れて、ランチやドリンクを楽しみ、再び市内へと戻ってくる2.5時間のコースです。
リバークルーズといっても、クルーズボートでスパークリングワインを片手に優雅に楽しむというものではなく、少し大きめの屋根つきボートでのんびり進むクルーズ体験。水面とほぼ同じ目線ですすむため、川辺で暮らす地元の人の生活ぶりを垣間見ることが出来るのも魅力です。
またこのクルーズは船の上で過ごすだけではありません。ハーブガーデンを散策したり併設のレストランでタイらしいランチやスイーツ、ドリンクを楽しむことができます。
ではピン川クルーズ体験に参加する気分で、ぜひ読み進めてくださいね。
船上カフェが集合場所に
ピン川クルーズを申し込むと、市内なら無料送迎が含まれます。ですが、もし旧市街の東側のホテルに滞在しているのであれば、少し早めに出て集合場所で過ごされてみてもいいかもしれません。
というのも、集合するのがこちらの、船上カフェ! 川に面した、ではなくまさに川の上にあり、ミルクティー色の川の流れを眺めながらまったりするのにピッタリなスポットです。
まず、スタッフさんにツアーに参加する旨を伝えましょう。クルーズ参加者でサイトを通してカードで申し込んでいない人は、支払いもここで済ませます。
カフェのなかはとても開放的で、ほとんどが川に面した席になっています。早く着いたらコーヒーや冷たいドリンクを飲みながら、出発時間まで待ちます。
ピン川クルーズへ、いざ出発!
全員の支払いと確認が済むと、いざ出発! 移動用のボートが横につけられ、船上カフェからそちらに乗り換えます。いよいよクルーズのはじまりです!
滑り出すようにスムーズにクルーズがスタート。雨季にもかかわらず、ここ最近で一番の快晴に恵まれ、どんな風景と出会えるだろうと期待に胸が高まります。
最初は、洗練されたホテルやバー&レストランなど観光客向けの施設を眺めながら進みます。緑の茂みに隠れた建物は穴場感があり、どんな人が泊っているのだろうと想像が膨らみます。
また高層マンションもポツポツと点在しています。毎日ピン川を見下ろし、川辺で食事をするなんて贅沢!
しばらく進むと、民家がいくつか続きます。プールがついているお宅や、ボートを付けるデッキのあるお屋敷。外国人一家の子どもが照れながら手を振ってくれ、思わず振り返します。たった一瞬、もう二度と会わないだろう人と手を振り合い、ひとときを共有する。それも旅の醍醐味かもしれませんね。
ジャングルクルーズのようなワクワク感
市内を出るあたりから、ますます木々の緑が増え、船も勢いを増していきます。ミルクティーと褐色のあいだのような川の色と、目が覚めるような緑のコントラスト。そんな優雅な風景がしばらく続きます。
ときどき別のボートとすれ違い、そのたびにその影響で波が打ち寄せ、水しぶきを浴びることも! 本物のリバークルーズに乗っているような、アトラクションのような感覚にワクワクします。
目的地、地元の農家に到着
一時間ほどのクルーズを経て、ボートは目的地である「タイ農民の家」に到着! ボートが岸につけられます。
タイの大きな収入源のひとつである農業。ここでは米から地元のハーブ、果物など、化学薬品を使わない環境で育まれる豊富な農産物を見ることができるのです。
木々や植物、ハーブなどには英語とタイ語の説明書きがあるため、なにが植えられているのかがすぐわかるのはよかったです。チェンマイでよく目にするフルーツや、調味料に使われている植物、薬で使われているようなハーブを実際に目にし、どのように木になっているのかなどを知ることができる貴重な体験になりました。
スタッフさんに確認すると、ハーブガーデンには今、70種類ほどのハーブが栽培されているそうです。ただ川の水位によっては沈んでしまったりするものもあるのだとか。
「自然には逆らえないから、特に雨季はダメになる植物もあるけれど、また新しい植物が育つのよ」と、教えてくれました。ハーブは化学肥料などを使わないオーガニック、というだけでなく、自然に任せた栽培をしているのだと感じました。
タイの名物や自家栽培のフルーツを使ったドリンク
ランチは予約時に注文できますが、現地でも注文が可能(70バーツ)です。
ただファームで過ごせる時間は30分程度なので、時間を気にせず過ごしたいならあらかじめ申し込んでおかれることをおすすめします。
まず好きな席を選んで座りましょう。見える風景も異なるので、ピンとくる場所を選んで!
ランチはタイの名物パッタイか、北タイの名物カオソーイの麺料理2種類から選べます。
今回は北タイの名物、カオソーイを注文。マイルドでクリーミーなカレースープの独特の風味を引き出すため、特別なレシピで調理されているそうです。
そのためか、今まで食べたカオソーイのなかで、かなりまろやかで優しい味わいでした。もちろんしっかり深みはあるので食べ応えも十分。チキンを選んだのですが、臭みもなく柔らかでとっても美味しかったです。
またハーバルドリンクとジェラートは、サービスに含まれています。聞くと、これらのハーバルジュースの原料は、主に目の前に広がるハーブガーデンで採れたものを使っているのだそうで、試さないわけにはいきませんね。
ジュースはロンガン、ジンジャー、タマリンド、レモングラスがあり、今回はロンガンを選びました。タイのドリンクとして珍しく氷は入っておらず、とても濃厚でコクがあり美味しかったです。フルーツの成分が旅疲れの体に、スーッと染み渡ります。
ジェラートを食べるころには、お腹はいっぱいでしたが、ぜひとすすめられて味見程度に、と伝えたところ2スクープもすくってくれました。ココナッツとマンゴーは、甘ったるい感じがなく素材の味が濃い! 食後でも別腹だったようで、ペロリと完食。ごちそうさまでした。
敷地内の散策も忘れずに
歩いているだけで気持ちがいいハーブガーデン。スマホをしまい、目を閉じて深呼吸したくなる自然豊かな環境です。
さらに、川に向かって漕ぎ出せる木のブランコや、池で驚かせてくれる南アメリカの鳥「バリケン」、魅力的なお土産などチェックしておきたいポイントがたくさんあります。食事が終わったらぜひ時間をかけて散策を……!
迫力たっぷり!
チェンマイ市内へ
地元の農家レストランやハーブガーデンを十分に楽しんだら、同じボートに乗ってチェンマイに戻ります。帰る頃には、参加者同士も少し打ち解け、帰りのボートはより和やかな雰囲気に。
そしてまた一時間かけてピン川をクルーズ。巨大な木が見えてきたらワット・チャイ・モンコールの桟橋に到着です。
全行程2.5時間ほどでとても簡単に参加できるので、チェンマイが初めての人にもおすすめの今回のクルーズ。川の上もハーブガーデンも、チェンマイ市内を観光しているのとは別世界が広がっていて、天気のいい日はまるで極楽浄土のようでした。
ぜひチェンマイ旅にのリストにピン川リバークルーズを加えてみてくださいね。
旅するように暮らす自然派ライター/オーガニック料理ソムリエ。
4年に渡る世界一周後、オーストラリアに移住し約7年暮らす。コーヒー好きが高じてオーストラリアではバリスタ業の経験も。今は繊細でフルーティーな浅煎りコーヒーに夢中です。ライターとしては旅行誌の広告制作を経て、雑誌広告や編集ページを主に執筆。現在は自然に沿った生き方、ほどほど丁寧な暮らしを自ら実践しながら発信中。地球にも体にも優しい生き方のヒントをお届けしていきます。
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