2023.06.23
ダナン初のエコフレンドリーホテル!滞在レビュー
ECO GREEN BOUTIQUE HOTEL(エコ グリーン ブティック ホテル)
「サステナブルツーリズム」という言葉が浸透しつつあります。自然環境や人に配慮したエシカルな視点で旅をすることは、今後ますます求められるかもしれません。できるだけ循環型のシステムを導入しているエコフレンドリーな宿泊先を探すこともカギとなります。
今回はベトナムのダナンで、初めてエコフレンドリーなホテルとしてサービスを開始した「ECO GREEN BOUTIQUE HOTEL」に実際に宿泊し、その全貌をレビューしたいと思います。
ビーチから歩いてすぐの好立地
今回紹介するECO GREEN BOUTIQUEは、ダナンの中でも特に観光客が訪れる、ミーケビーチに面したエリアにあり、ビーチよりたった200mという好立地!
しかも、観光客や在ベトナム外国人向けのレストランやカフェ、バーが立ち並び、歩いているだけでも楽しい界隈です。治安的に、夜でも歩きやすそうなのもメリットです。
サステナブルな取り組みの認証
ECO GREEN BOUTIQUEは、環境に与える影響を最小限に抑えることを目的に、持続可能なアプローチで運営しているのが、なによりの特徴です。
具体的にはエネルギー節約60%、節水26%、素材の体積エネルギーを34%削減、推定される年間の総CO2削減量203tなどの環境に配慮した取り組みが評価され、2018年には「EDGE認証(※)」を取得。レベル2のEdge Advancedとして認定されています。
※世界銀行グループ「IFC&SGSベトナム」が設けている認証システムで、Excellence in Design for Greater Efficienciesの略
設計デザインもサステナブルに
デザインにおいても「EDGEグリーンデザイン(世界銀行グループ&IFC)」を受賞。建物は自然な日差しや空気の流れを最大限に生かした、エネルギーの必要性を減らすための資源効率の良いサステナブルな設計となっています。さらに、太陽エネルギーと節水型エンジンで稼働するシステムを採用しています。
こういった設計デザインは、ゲストの目には見えない部分。最初からいかに持続可能なアプローチを追及していたかがわかりますね。
ゼロウェイストの取り組みにも積極的
同ホテルでは、100%リサイクル可能で廃棄物ゼロの詰め替え用ガラスボトルを製造している「Glassia」と提携し、客室内の無料飲料水として提供しています。ボトルは返却後もしっかり管理されており、完全な循環型、プラスチック廃棄物ゼロの解決策に貢献できているとのこと。
一般的なベトナムのホテルは、プラスチックボトルが主流です。こういった小さい取り組みも、積み重ねていけば大きな違いにつながることが期待できるでしょう。
チェックインまではカフェで寛いで
スタッフは目が合うとにっこり笑顔で会釈してくれ、接する人が皆、とても感じよく迎えてくれました。滞在への期待も高まります。
同ホテルのチェックイン時間は午後2時。早く着いてしまっても大丈夫、レセプションの前には、環境に配慮した料理やドリンクを提供する「ECO GREEN CAFE」もあります。フード、ドリンクともにメニューが豊富で南国らしいドリンクや、バランスの取れた食事が楽しめます。
今回は、ベトナムのカフェでは定番の「Coconut Coffee」をオーダー。
コーヒーにココナッツミルク、バニラアイスクリームと、暑い国で飲みたくなる一杯です。とはいえ、コーヒーの心地いい苦みがしっかりと感じられたため、甘ったるさはありませんでした。トップに散らされたココナッツの食感も楽しく、幸せなひとときに。
一緒に運ばれてきたストローは、もちろん生分解性。紙ストローが多いなか、プラスチックを普段利用している人にも違和感のない丈夫な素材で、匂いもせず使いやすかったです。
心地よさの詰まった「ECO COZY」
ホテルの一角にある「ECO COZY(エコ・コージー)」は、窓が多く、海と街の広い眺めを楽しむことができます。25m2の広々とした空間、天然木チーク材を使用した家具が配された、シンプルかつモダンなインテリアの一室。特徴的な床は寄木細工のフローリングになっていて、裸足で歩きたくなる質感です。
漆喰や木など、自然素材が占める面積が大きいからか、部屋に入った瞬間から心地いい。呼吸が深くなる気がしました。
ほかにもTWIN(ツイン)やSUITE(スイート)、FAMILY(ファミリー)の、4タイプの部屋があるため、ニーズに合わせて選んでくださいね。
シティとオーシャンビューが両方!
ホテルの角部屋にあたるECO COZYは、窓が大きく取られており、さらにバルコニーまで! 部屋を囲むようにぐるりと湾曲になっています。今回、私が滞在した部屋のバルコニーからは、海と街の眺めをパノラマで楽しむことができました。
朝食つきのプランでは
同ホテル内のカフェやレストランでももちろん、持続可能な取り組みを行っています。例えば食材はなるべく地元で調達し、野菜を使った持続可能な料理の提供を優先していること。また品質を保ちながら食材の無駄を省くため、飲食物のほとんどを自家製にすることを目指しているそうです。
食材だけでなく、容器も再利用可能な食器やグラスを取り入れ、使い捨てのアイテムを減らすことでゼロウェイストの取り組みにもつなげています。
ECO GREEN BOUTIQUEの宿泊プランには朝食込みとなしから選べます。
ビュッフェではなくアラカルトとして提供することで、食べたいものを食べ切れる量だけ注文することができフードウェイストの対策にも。
私はホットサンドイッチとチキンサラダ、パッションフルーツジュースを注文しました。
凝った味付けやプレゼンテーションではありませんがシンプルで満足です。香ばしいチキンがゴロゴロたっぷり盛られたボリュームも満点なサラダは、これだけでもお腹がいっぱいになります。
ただベジタリアンやヴィーガンメニューはありませんでしたので、そうした料理を求めるなら、近くにあるプラントべースカフェを訪れるのもおすすめです。
-
エコフレンドリーに特化したダナン初のホテル、ECO GREEN BOUTIQUEを紹介しました。こうしたコンセプトのサービスを利用することは、一つひとつは小さな選択でも、結果的にエシカルな世界を支持することになります。
サステナブルツーリズムという視点に留まらず、自然素材がふんだんに作られた心地いい空間で過ごす時間はとても豊かに感じました。しかもアクセスと環境がよいのもポイントが高め! ダナンを訪れる際にはぜひ検討されてみてはいかがでしょうか。
旅するように暮らす自然派ライター/オーガニック料理ソムリエ。
4年に渡る世界一周後、オーストラリアに移住し約7年暮らす。コーヒー好きが高じてオーストラリアではバリスタ業の経験も。今は繊細でフルーティーな浅煎りコーヒーに夢中です。ライターとしては旅行誌の広告制作を経て、雑誌広告や編集ページを主に執筆。現在は自然に沿った生き方、ほどほど丁寧な暮らしを自ら実践しながら発信中。地球にも体にも優しい生き方のヒントをお届けしていきます。
この著者の記事一覧へ